アメリカで何が起きているのか?(26)。「どれくらい米国は持ちこたえることができるのか」

月刊『正論』2月号に麗澤大学准教授ジェイソン・モーガン氏の【ジャーナリストが暴く左翼集団の対米戦争】と題する記事がありました。両親がボートピープルであるベトナム系米国人ジャーナリストのアンディー・ゴー氏の著書『暴露:民主主義を破壊するアンティーファの過激な計画』(左翼テロ集団「アンテイーファ」の活動を記録している)を紹介しながら、アメリカの現状について述べています。この中で氏は、

米国の左翼が求めるのは改革でも対話でもなく共産主義革命であり、私有財産、資本主義、法の支配を崩壊させることなのだ。彼らはレーニンを求め、毛沢東を求めているのだ。

『暴露』のもう一つの特徴は、アンテイーファが米国人エリート層や民主党全体から強い支援を受けているということを明らかにしたことだ。米国の大学ではアンティーファを支援することは流行になっている。極左の米国人教授は「反ファシスト」として、21年春を慰安婦問題でハーバード大ロースクールのマーク・ラムザイヤー教授の中傷に費やした。米国のアカデミズムに長年身を置いた私もアンティーファを熱烈に支援する米国人教授たちを見てきた。そして、私が月刊「正論」2020年9月号にも書いた通り、アンティーファは米軍の中にも足場を築いており、共産主義、社会主義、「批判的人種理論」、そしてマルクス主義の情報テロが米軍で堂々と教えられているのだ。

アンテイーファと、その米国乗っ取り計画に対峙しているのはわずかで、・・・どれくらい米国は持ちこたえることができるのか。米国の支配層がアンティーファの手に落ちた時、日米同盟はどれくらい持ちこたえられるだろうか。

と述べています。詳しくは「正論」記事ご一読を!

中国共産党政府との関係を見直そう(140)。「対中非難決議案」が「人権決議案」に変身?

1月22日の産経新聞はその主張欄で、『与党の「覚悟」が問われる』と題する記事を掲載していました。

この中で、「決議案の文案は昨年末、自民、公明両党間の修正協議で、当初案の『非難決議』から『非難』の2文字が削除され『人権侵害』は『人権状況』に変わった。文中に中国という国名もない。フランス下院が20日に採択した、中国が新疆ウイグル自治区でジェノサイド(集団殺害)を犯していると非難する決議とは雲泥の差がある」と指摘しています。

今回の国会代表質問でこの問題を取り上げたのは残念ながら日本維新の会のみでありました。産経新聞の主張欄では馬場伸幸共同代表の発言が取り上げられていました。

「対中非難に値しない骨抜きの決議案」「自公執行部の対応は中国政府におもねるもので言語道断だ」

との馬場氏の発言を取り上げ、主張欄は「民主主義陣営の普遍的価値である『人権』に覚悟を持てぬ国とみなされれば、これほど国益を損なう行為もあるまい。文案は再考すべきである」と自民党と公明党に強く迫っています。

同紙5面でも馬場伸幸共同代表の発言が取り上げられています。

「維新の馬場伸幸共同代表は20日の衆議院本会議で、首相の安全保障観に違和感を示した。中国政府による人権侵害行為を非難する国会決議に関しても、与党側の調整不足で手続きが進まないと批判。『北朝鮮による日本人拉致問題について、どのような顔を下げて国際社会に協力を求めていくのか』と突き放した」と。

他の野党からは中国政府による人権侵害行為について、代表質問での言及はありませんでした。このままでは馬場氏が指摘するように、岸田政権のみならず、日本の拉致問題解決についての熱意さえ国際社会から疑われかねません。文案の再考を求めます。