令和7年2月7日付質問第21号
参議院議長 関口昌一殿
トランプ大統領の宗教顧問ポーラ・ホワイト牧師が日本政府による家庭連合への解散命令請求について米国国務省及び国連からの報告書を根拠に反対意見を表明している件に関する質問趣意書
右の質問趣意書を国会法第74条によって提出する
令和7年2月7日
浜田聡
世界日報は2024年12月8日、トランプ大統領の宗教顧問であるポーラ・ホワイト牧師が、国際宗教自由連合(以下「ICRF」という)日本委員会の講演会へビデオメッセージを送り、「日本における信教の事由について、世界中で深刻な懸念を引き起こしている」と訴えた旨報じた。
以下ビデオメッセージの概要である。
「米国国務省の国際信仰の自由室は、2022年及び2023年の報告書の中で、日本が世界の著名なリーダーであり偉大な自由民主主義国であるにもかかわらず、現在、宗教の自由を侵害しているという深刻な疑問を示した。
米国国務省の特使を務めるラシャド・フセイン大使と、国際信仰の自由室は、この2022年及び2023年の報告書の日本に関する部分で、日本に対する懸念を表明した。
2022年の報告書では、パリを拠点とする国連NGOのCAPーLC(良心の自由のための団体と個人の連携)が一連の声明を国連の自由権規約人権委員会に提出したと述べており、この報告書では、安倍元首相の暗殺以降、旧統一教会(世界平和家庭連合、以下「家庭連合」という)が日本における不寛容、差別、迫害のキャンペーンの犠牲になっていると述べている。
家庭連合は、メディアによる否定的な注目の結果、信者が攻撃、暴行、殺害予告を受けたと述べた。
2023年の報告書では、家庭連合が刑法に違反していないにもかかわらず、日本政府が家庭連合の解散を請求したことは、これまでの規範から逸脱している。
2024年4月30日、国連は宗教の自由並びに人権に関する報告者を通じて国連勧告を発行し、日本が署名している国連の人権宣言並びに市民的及び政治的権利に関する国際規約の遵守に関する疑問を呈した。
国連の勧告によれば、日本政府のガイドラインは、子供に教会に行くよう強く勧める親は児童虐待と見なされる可能性があり、エホバの証人の信者に対する暴力や身体的攻撃、また、家庭連合や他の宗教に対する迫害の直接的な原因となっていると述べている。
また、宗教の自由の関する国連報告者は、マイノリティ宗教に対する宗教の自由の侵害の可能性を調査するために、日本を訪問したいと日本政府に公式に要請したが、政府は要請を受け入れていない。同要請が拒否されたことは国連のウエブサイトにも掲載されている。」
なお、前記引用文中「日本政府のガイドライン」とあるのは、「『宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応に関するQ &A』 について(2022年12月27日子発1227第1号」であるものと思料される。
以上を踏まえ、以下質問する。
一、米国国務省の国際信仰の自由室による2022年及び2023年の報告書は確認しているか示されたい。確認していない場合でも、本質問趣意書を契機に調査した内容があれば、詳細を示されたい。また、日本国憲法第二十条第一項は「信教の自由は、何人に対してもこれを保証する」と規定しており、日本政府による家庭連合に対する解散命令は請求は、信教の自由が保障されていることに違反していると思料するが政府の見解を示されたい。
二、ポーラ・ホワイト牧師は、ICRF日本委員会の講演会へのビデオメッセージにおいて、「宗教の自由に関する国連報告者は、マイノリティ宗教に対する宗教の自由の侵害の可能性を調査するために、日本を訪問したいと日本政府に公式に要請したが、政府は要請を受け入れていない」旨述べているが、政府は承知しているか。承知していない場合、当該報告者による調査を受け入れるか政府の見解を示されたい。
質問趣意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第75条第2項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から21日以内の答弁となっても私としては差し支えない。
右質問する。
Comments are closed, but trackbacks and pingbacks are open.