中国共産党政府との関係を見直そう(125)。米国国会に提出された対中法案の中身とは?

YouTubeの「HARANO TIMES」によると、

現在、米国の国会では中国にパンデミックの責任を求めるための2つの法案が提出され議論されているという。

中国に責任を問う根拠は2005年に改正された国際保健規則IHR(International Health Regulations )  に中国が違反したということです。IHRはSARSを契機に2005年に開催された第58回WHO総会において採択され、2007年に発効しました。IHRにより「原因を問わず、国際的な公衆衛生上の脅威となりうる、あらゆる事象」がWHOへの報告対象となりました。そして「自国領内での事象を評価後24時間以内にWHOへ通達し、その後も引き続き詳細な公衆衛生上の情報をWHOへ通達する」こととなっています。中国政府はこの国際保健規則に違反し、ウイルスに関する情報を意図的に2ヶ月も隠蔽しました。米国サウスハミルトン大学のシュミレーションによれば、もし中国政府が3週間早くこの情報を公開したなら95%の損失を避けることができた。2週間早く情報を公開していれば86%の損失を避けることができた。1週間でも早く情報公開していれば66%の損失を避けることができたという試算があるということです。

【アン・ワグナー米下院議員が提出した法案『米国補償法案』】の要旨は、

1)米国にある中国資産を凍結する。その資産で中国の賠償額に当てること。2)米国で専門の基金をつくって、コロナの影響を受けた米国民に賠償すること。3) WTOでの中国の発展途上国としての地位をなくすこと。4) 世界銀行からローンを借りる資格をなくすこと。5) 国連の中で特別な待遇を受けることを阻止すること。6)米国の貯蓄資金で中国への投資を禁止すること。7)今回のパンデミックと関わる人、家族、関連機関は米国の審査を受けてビザなどの制限をすること。

メディアでもこの件は以下のように報道されています。

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次に【米共和党下院議員院内総務ケビン・マッカーシ議員の提出した法案】の要旨については、

1)米国政府が把握しているウイルスに関する全ての情報を公開すること。2) 今後中国とのウイルスの機能増強実験を禁止すること。3)透明性のない政府、ロシア、イラン、北朝鮮等の国にもこのような実験のための資金提供を禁止すること。4) WHOに対し徹底的に改革を行うこと。中国共産党(CCP)のWHO浸透活動について調査すること。テドロス氏の辞任を求めること。台湾をWHOに加入させること。FBIや米国情報機関は中国、ロシア、北朝鮮、イランなどの米国医学研究機関に対する浸透状況を確認すること。5)米政府はウイルスの起源についての調査を最後までやめてはいけないこと。6)パンデミック関連責任者に対して、ビザの制限、渡航の制限をすること。7) 中国の主権免除を無効にし、米国民が中国政府を訴えることができるようにすること。8)来年度の冬季オリンピックを北京で行ってはいけないこと。

以上のような内容のようです。日本も考えなければなりませんね。

 

 

 

中国共産党政府との関係を見直そう(124)。武漢ウイルス研究所『流出説』を裏付ける事実報道が急増。

武漢ウイルス研究所からの『流出説』のこれまでの議論を時系列にまとめてみました。文中の赤字は2021年6月20日の産経新聞に掲載された、村上政俊皇学館大学准教授の「ウエイド(Nicholas Wade )論文の告発、『武漢研究所』流出説を葬ろうとした人々」という論考記事より引用させていただきました。

2020年1月

「共和党のトム・コットン上院議員は上院軍事委員会の公聴会で、・・・武漢ウイルス研究所の関連施設である武漢国家生物安全実験室に言及し、流出説を示唆した。この時、メディアでは、その主張を取り上げようとしない向きが多く、有力紙のワシントン・ポスト紙も昨年2月には陰謀論という極めて否定的な評価を下していた」

2020年9月15日

FOXニュースの「タッカー・カールソン・トウナイト」にイエン・リーモン博士(閻麗夢・香港大学のウイルス研究者で米国に亡命)が登場し、“新型コロナウイルスは自然由来ではなく、武漢ウイルス研究所で作られたもので、中国が意図的にばらまいた” “ウイルスの本来の性質は、中国共産党の抑圧のため、世界には明らかにされていない”などと告発して大きな注目を浴びた。

(この他にもたくさんの報道があったと思います)しかし、

研究所からの流出説はトランプ政権によっても唱えられていたが、多くの米国メディアは陰謀論としてまともに取り合おうとはしなかった」

流れの転換点となったのは、

2021年5月5日

Nicholas Wade 氏(ニコラス・ウエイド、元NYタイムズ科学記者)が「パンデミックの起源(Origin of Covid. Following the Clues)」と題する論考を発表。またウエイド氏はFoxテレビに出演し、この中で“マスコミは科学的な事実に目を背け、政治的な偏見で見ていた”と指摘した。

ウエイドの「論考では、コロナウイルスの遺伝子配列などについて詳細な検討を加え、人為的な操作があった可能性を指摘し、初めに感染が広がった武漢と研究所との距離の近さなども理由に挙げながら研究所流出説の信ぴょう性を論じている。また、1975年にノーベル医学・生理学賞を受賞したカリフォルニア工科大学のデイビット・ボルテイモア元学長が、ウイルス配列の『フーリン切断部位』から判断してウイルスの自然発生説に疑念を呈したことも指摘。欧米で一躍、注目を集めた。ウエイド氏は世界で最も権威ある科学雑誌のネイチャー誌やサイエンス誌に加え、ニューヨーク・タイムズ紙でも記者や編集者を務めた科学ジャーナリストだ」

2021年5月14日

英ケンブリッジ大学や米スタンフォード大学などの18人の科学者グループは5月14日、サイエンス誌に研究所流出説の可能性を認め、さらなる調査が必要であるとする書簡を掲載。

2021年5月25日

米紙ワシントン・ポストも武漢研究所からの漏洩説に信憑性が出てきたと報道。ワシントン・ポストのファクトチェッカーであるグレン・ケスレーGlenn Kessler 氏が同記事で、漏洩説に信憑性が出てきたと指摘する。

「保守的な論調で知られるウオールストリート・ジャーナル紙が未公表のアメリカ情報機関の報告書に基づき、新型コロナウイルスの存在が明らかになる以前の2019年11月、武漢ウイルス研究所の研究員3人が病院での加療が必要なほどに体調を崩していたと報道」

2021年5月26日

バイデン米大統領、ウイルスの起源について情報機関に再調査を指示。「またWHO総会では発生源についての再調査を求めた」

2021年5月28日

英紙Dayly Mail (デイリーメール) は英国とノルウエーの学者の共同論文を掲載。同論文は“新型コロナは実験室で作られた”と結論づけた。この論文では実験室で人為的に手を加えた場合だけに現れる固有の指紋がウイルスから発見された。4個のアミノ酸がすべてプラス電荷を帯びていること、また動物から人へ感染したなら当然存在すべき自然の先祖がいないことなどが述べられている。

2021年5月28日

英紙Rondon Times(ロンドンタイムズ)

UK scientists feel vindicated as focus to Wuhan と題する記事を掲載。

2021年5月28日

米国国会議員209名は「武漢研究所から漏洩したという証拠は山ほどある」として、「武漢研究所の調査を議会で許可するよう」求める書簡をペロシ下院議長に提出。

2021年6月6日

「ウオールストリート・ジャーナル紙は6月6日、スチーブン・キー、リチャード・ミラーという科学者2人による『科学が武漢研究所からの流出を示唆している』という論考も掲載された」

2021年6月7日

WSJ(ウオールストリート・ジャーナル)が、2020年5月に出されたローレンス・リバモア国立研究所の報告書(機密扱い)について、武漢研究所から流出したとの説は説得力があるとの見解を示していた、と報道。

2021年6月14日

豪メディアの「スカイニュース・オーストラリア」は、武漢ウイルス研究所内部で生きたコウモリが飼育されていたと報じた。2017年5月に武漢研究所が稼働した際、中国科学院は働く科学者のインタビュー映像を公開しました。この映像の中で、コウモリがゲージ内で飼育されており、一人の研究者が餌として虫をコウモリに与えていたということです。またWHOの武漢調査員でもあるピーター・ダザック氏もこれを認めたとの事です。