今、注目の共産主義について考える(102)。「中国、全国民監視システムの恐怖」ー石平氏のChina Watchより。

石平氏によれば、

「中国の習近平政権は今、国民全体に対する監視システムの構築を行っている」という。

「例えば、全国の都市部では2千万台以上の監視カメラが設置され、24時間、街中の人々の動きを監視している。そして監視カメラの中には、特殊な人工知能(AI)が内蔵されている。カメラ自体は歩行者や運転中のドライバーの顔をズームアップで捉えるだけでなく、車の色や車種、歩行者の年齢、性別、衣服の色といった詳細を判別することもできる。カメラに内蔵しているAIが衛星利用測位システム(GPS)や顔認証システムを通して当局のまとめた『犯罪者データベース』とつながっているために、街の中である人物を捉えた際、当局の『犯罪者データベース』と一致すれば、GPSを使って居場所を即座に探し出し、警察官が直ちに駆けつけてくる仕組みとなっている。当の警察官たちにも特殊な眼鏡が配備されている。それも顔認定機能を搭載し、当局の『犯罪者データベース』と繋がっているから、警察官がこの眼鏡をかけていると、人混みで映る多くの顔から、『犯罪者データベース』に登録された人の顔をわずか0.1秒で割り出すことができるのだ。このような精密なシステムの監視対象になるのは、もちろん一般的な意味での犯罪者だけではない。中国共産党や政府に対して反抗する人、反政府的デモや街頭での抗議活動を行なう人は皆、このシステムによって監視され、身元が簡単に割り出されてしまうのである」。

「ネットは当然、中国政府が重点的に監視する領域である。ネットユーザーが自分の端末機器から発信する微博(中国版ツイッター)が常に監視されているのはもちろんのことだが、実は日本でも話題になっている中国の消費者用電子決済システムも政府の監視下にある。政府はその気になれば、個人の消費行動までを細かくチェックすることができるのだ。中国政府はさらに、国民個人所持の携帯電話やスマホなどの端末通信機器に政府開発の監視用ソフトのダウンロードを強制するプロジェクトを進めている。監視用ソフトがダウンロードされると、個人所持の携帯やスマホから発信したすべての情報と、それが受け取ったすべての情報が政府の監視システムに筒抜けになる。中国の場合、携帯やスマホの購入・所持は実名制であるから、誰かが自分の携帯やスマホから政府批判のメッセージでも発信していれば、発信した本人の身元が直ちに割り出される。通信機器を使っての政治批判は、これで完全に封じ込められることになるのである」。

「このようにして今後の中国国民は、町を歩いていても、ネットで友人とおしゃべりしていても、電子マネーで支払いをしていても、常に政府によって監視されているのである。もはや人権とか自由とかうんぬんするところではない。国民全員は24時間、常に政府に監視されているという恐怖感と憂鬱の中で生きていくしかない。それはすなわち、習政権が構築しようとしている『新時代中国』の理想的姿なのである」。

産経新聞に載っている石平氏のChina Watchの全文を記入してしまいました。全国民の完全監視、完全支配、SF小説を読んでいるようであります。中国国民は共産主義によって地上の楽園が築けるという共産党の甘言に誘われて、行ってみれば、そこは地上の地獄だった。中華人民共和国の恐るべき実態であります。

今、注目の共産主義について考える(101)。北朝鮮「政治犯」拘束、推計8万人〜12万人、米国務省。

産経新聞5月30日夕刊の記事です。

「米国務省は29日、各国の信教の自由に関する2017年版報告書を発表した。北朝鮮について、宗教活動に携わった人が処刑や拷問の対象になるなど『過酷な状態』に置かれております、政治活動や宗教活動で政治犯収容所に拘束されているのは約8万人〜12万人に上るとの推計を示した。

ブラウンバック国際信教の自由担当大使は記者会見で、トランプ大統領が信教の自由の問題で行動をとるとし、米朝首脳会談が開かれれば、トランプ氏が『取り上げる』と述べた。

ポンペオ国務長官も記者会見で、『世界における信教の自由の尊重はトランプ政権の優先課題』と強調した。

報告書は、中国では習近平国家主席への権力集中が進んだ昨年10月の党大会前から宗教活動への締め付けが強まり、現在も継続中であると指摘した。

米政府は北朝鮮や中国について、イランやサウジアラビアとともに、信教の自由を著しく侵害している『特定懸念国』の10カ国に含めている」。

 同じく産経新聞5月30日朝刊では『トランプ流人質解放外交』と題する記事を掲載しています。「トランプ米政権が外国で拘束されている米国人の解放を外交の基軸に据えている。北朝鮮の3人に続き、南米ベネズエラから米国人1人とベネズエラ人の妻を解放させることに成功し、人質問題を担当する特使も指名した。米国人の解放を迫り、敵対国に圧力をかける狙いがあると見られる。トランプ大統領は26日、『他にも解放を求める非常に大きな交渉の最中だ。ほとんどは米国人だが、不正があるところでは米国は他国も手助けする』と述べた」。

日本では拉致問題、そして9万人を超える北朝鮮帰還者の人権問題の解決が政府に強く求められています。これら人権問題で、日本政府とトランプ大統領の連携に心から期待したいものです。