今、注目の共産党について考える(68)。北朝鮮指導者はチュチェ思想を放棄できるのか?

朝鮮半島情勢の緊迫の度合いがさらに高まってきました。平和の到来を心より願うものです。

和平に至るためには、核・ミサイルと拉致問題の解決は不可欠であります。日米韓連携で最大の圧力をかけ、核・ミサイルを放棄させると同時に拉致問題を解決するという日本政府の方針は妥当だと思います。

ここで最終和平に至るために、さらに考えなければならない問題があります。それは北朝鮮の建国の理念であるチュチェ思想であります。チュチェ思想を放棄できるかどうかが最終的課題になると思います。

チュチェ思想とは、大辞林によれば「朝鮮民主主義人民共和国の金日成主席が唱え、国家の指導理念とされた思想。政治・経済・思想・軍事のすべてにおいて自主・自立を貫くこと」と記されています。さらにデジタル大辞泉では「主体思想と書く。朝鮮民主主義人民共和国・朝鮮労働党の政治思想。マルクスレーニン主義を基に、金日成主席が独自の国家理念として展開した。人間は自己の運命の主人であり、大衆を革命・建設の主人公としながら、民族の自主性を維持するために人民は絶対的権威を持つ指導者に服従しなければならないと唱える」と紹介しています。

北朝鮮指導部に絶対的権威を与え、国民には絶対的服従を求め、自主自立を貫くというチュチェ思想。北朝鮮ではこの思想に基づいて国家運営がなされてきました。そして核とミサイルの開発がなされる一方、絶対服従を強いられた国民大多数は飢餓に追い込まれ、粛清と弾圧による恐怖政治が行われてきました。トランプ米大統領の表現は決して誇張ではありません。そして対外的には日本や韓国などから多くの人を拉致したり、麻薬を輸出して外貨を稼いだりと悪行のかぎりをつくしてきました。戦後では地上の楽園と偽って何万人もの在日の人や日本人妻を騙すようにして北朝鮮に連れていき、地獄のような生活を強いてきました。その人たちは今だに帰国していません。真相の解明は必ずなされなければなりません。

また北朝鮮が考える南北統一はチュチェ思想による統一であります。チュチェ思想による南北統一は韓国国民を新たに地獄に送るようなものであります。チュチェ思想を北朝鮮が放棄しない限り、たとえ話し合いが始まったとしても、国際社会が望むような結果は決して生まれてきません。

テレビでご活躍の評論家、学者、コメンテーターといわれる人たちには是非、このチュチェ思想問題を取り上げていただいて、核・ミサイル、拉致問題に加えてチュチェ思想の放棄も迫っていただきたいと願っています。

働き方改革の議論に党利党略は必要ありません。

国会で立憲民主党の長妻昭氏、「 馬車馬のように働かせるな!ゆとりある働き方だ!過労死増やすようなことをするな!」と安倍総理に迫ったそうです。

これに対し安倍総理は、「質問通告が遅い質問者がいて、その人が総理大臣に質問する場合だと全省庁の職員が待機することになってしまう。残業+質問が入らないと電車がなくなりタクシーで帰ることになる。国会改革は各党各会派で議論してもらいたい」と長妻氏に答弁したということです。

長妻氏は夜遅く質問通告をしたので、全省庁で多くの職員が終電車がなくなり、タクシーで帰宅することになったようです。長妻氏は終電車がなくなる深夜まで職員を働かせたことを、翌日の質問のときにはどうも忘れていたようです。「馬車馬のように働かせるな!ゆとりある働き方だ!過労死増やすようなことをするな!」という長妻氏の言葉は虚しく、心に響きません。

このことで同様のことを思い出しました。大阪市議会のある委員会では、一人の議員の質問通告が真夜中の2時ごろだったようで、待機していた担当の職員たちは徹夜で答弁調整をしいられ、結果一睡もせずに翌日の委員会に臨んだということです。後で知ったことですが。

何を期待しているのか知りませんが、党利党略で深夜や真夜中に質問通告するようなことは、非常識も甚だしいと言わざるを得ません。