少子高齢化社会への取り組みについて、産経新聞は平成29年4月17日の主張欄で「人口が減った後に、どんな社会を目指すかについてのグランドデザインがいる」とし、それには「過去の常識を打ち破る発想が大事だ」と述べています。以下その内容を紹介したいと思います。
「・・・出生数減に歯止めをかける努力は言うまでもなく続けなければならない。しかし、当面は人口が減りゆくことを前提に考える必要がある。それには、人口が大きく減った後にどんな社会を目指すかについてのグランドデザインがいる。その際当座の対策だけでなく中長期的な視座に立った取り組みが求められる。・・・とりわけ急がれるのは社会の支え手がハイペースで減ることへの対応である。平均寿命の延びで高齢者は過去の想定より増える見通しとなった。一方生産年齢人口(15〜64歳)の減り方は総人口が縮むスピードを上回る。その影響は社会保障制度や経済だけに止まらない。税収の落ち込みは行政サービス全体を劣化させる。若者の少ない社会は活力が削がれ、あらゆる場面で人手不足が深刻化するだろう。個々の事業に付け焼き刃で対処しても効果は薄い。過去の常識を打ち破る発想が大事だ。コンパクトで効率的な町づくりは不可避である。自民党には定年を65歳に引き上げ、70歳ぐらいまで活躍できるようにする案が出ている。民間の24時間営業や過剰サービスを改め、労働力不足を解決しようという提言もある。克服すべき課題は多いが、人口減少を乗り越える強固な政策づくりに、政府は本腰を入れてもらいたい。日本より小さくても豊かな国はある。縮みを否定せず、積極姿勢で臨みたい」。
1年以上前の産経新聞の「主張」を紹介しました。その後産経新聞は人口減少社会への国や地方自治体の取り組みについて、多くのスペースをさいて関連記事や提言を掲載しています。その努力に敬意を表したいと思います。しかし、超少子高齢化社会の到来は国や地方自治体にとって 、まさに国難とも言うべき大きな課題であります。今後もさらに産経らしく、政府に先がけて、「常識を打ち破る」具体的な提言を期待したいものです。