大阪都構想の必要性について考える(109)。自民党に期待できるのか?失望に終わるのか?渡嘉敷府連会長には強いリーダーシップを期待します。

産経新聞によれば、新しく自民党大阪府連の会長に就任した渡嘉敷奈緒美衆議院議員は11日午後の会見で、「民意を得た維新と連携を目指す。従来の立ち位置を変えていく」、「負けは神様がくれた贈り物」 、「対立からは何も生まれない」などと発言し、住民投票への協力を表明しました。

やっと自民党も前向きに進み出したことに、大きく期待したいと思います。しかし、同じ記事には「ある自民市議は渡嘉敷氏の融和路線について『全体会議で一切そんなこと聞いていない。国会議員は自分らの選挙のことだけ。府連はもう終わりや』と猛反発した」とあります。前途多難ということなのでしょうか。これからの推移を注意深く見守っていきたいと思います。

しかし、多くの自民党支持者の方は、単に住民投票に協力するという消極姿勢ではなく、二重行政解消は自民党の本来的使命なのだから、大阪都構想に賛成の立場に立って、二重行政解消に主導的役割を果たしてほしいと思っておられるのではないでしょうか。私にはそのように思えてなりません。渡嘉敷新会長には、さらなるリーダーシップを発揮されるよう心から期待をしています。

 

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大阪都構想の必要性について考える(108)。二重行政解消は自民党の使命ではないか。

大阪府と大阪市の二重行政は大阪にとって歴史的な課題でありました。そしてこの二重行政を解消するための議論や取り組みは過去何度か行われてきました。そしてこの二重行政解消の主張は自民党が先頭に立って行ってきました。今では信じられないことですが自民党が主導して二重行政を解消しようと試みてきたということです。この問題について考えていきたいと思います。

【第一段階】

昭和28年、大阪府議会で「大阪産業都建設に関する決議」を議決。

昭和31年、大阪府議会で「大阪府市行政一元化に関する決議」を議決。

自民:「本府百年の大計として、大阪市を中心とした府下一円を一本化させる行政機構樹立のため、大阪産業都建設に百尺竿頭一歩を進めて積極的運動を果敢に展開せなければならない」(昭和30年12月北川石松議員)

【第二段階】

左藤大阪府知事と、大阪市域拡張を主張する中馬大阪市長との間で論争(左藤・中馬論争)が行われました。

自民:「二重行政を撤廃して機構の重複を崩し、冗費的消費を節約いたしまして、現状に即した真に府民のための地方自治を確立することが必要」(昭和39年2月高橋義久議員)

自民:「我が党は多年にわたりまして府市行政の一元化ということを、本議場において我が党の代表質問においては必ず知事の所見をお伺いしてまいりました」(昭和41年9月北川石松議員)

 【第三段階】

平成15年、太田房江知事「大阪新都構想」を提唱。

大阪新都構想の意義や効果としては、一つには、政策立案・調整機能を「大阪新都機構」に一元化することで、総合的な戦略・ビジョンに基づく事業展開により、事業横断的な優先順位付けや重点投資が可能となる。二つには、総合戦略に基づき施策を展開し、計画的な施設整備や施策の一元化を行うことによって二重行政を解消。三つ目には、大幅な権限移譲により府内市町村が中核市並みの事務を担うことで、基礎自治機能が充実する。といった内容が示されていました。

自民:「府市の広域行政機能を統合して一つの強い大阪をつくるという意味で、府の構想の方向性は正しい」(平成15年9月梅本憲史議員)

【第四段階】

平成21年、橋下徹知事「大阪都構想」を提唱

自民:「我が会派は、大阪の再生と将来の発展を考えれば、府と市を解体・再編するワン大阪構想については大いに賛成するものであります」(平成22年2月の代表質問、吉田利幸議員)

以上、簡潔に戦後の議論を振り返ってみましたが、常に自民党が二重行政解消に向けて、議論をリードしてきたのがわかります。自民党がこの本来の主張に立ち返って維新の会と協力すれば、明日にでも念願の課題が解消できます。しかしなぜ今の自民党は反対の姿勢を取るようになったのでしょうか?まったく理解できないですね。議員という身分にしがみついているからとしか思えません。勇気を持って自民党本来の政策に再度、転換することを切に願うものであります。