言論人による言論弾圧?
文芸評論家の小川榮太郎氏が執筆された「徹底検証『森友・加計事件』朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」という本をめぐって、朝日新聞は同氏と発行元の飛鳥新社を相手取り、謝罪広告の掲載と5千万円の損害賠償を求め東京地裁に訴訟した、という記事が新聞に載っていました。提訴の理由については、「本社(朝日新聞社)には一切取材もないまま、根拠もなく、虚報、捏造、報道犯罪などと決めつけている。事実に反した誹謗中傷による名誉毀損の程度はあまりにひどく、言論の自由の程度を超えている」と説明しています。
これに対し、小川榮太郎氏は「言論機関が個人に対し、好意的でない文章を出したからと、提訴するのは事実上の言論弾圧だ。言論機関は言論の場で白黒つけるべきだ」として全面的に闘うということです。氏の勇気に敬意を表するとともに、闘いの勝利を心から願うものです。
慰安婦問題についていうならば、『朝日新聞は、根拠もなく、事実に反した内容で日本を誹謗中傷。さらには虚偽に満ちた“吉田清治証言“をあたかも事実であるかのように報道し続けたことによる日本国民と日本国の名誉毀損の程度はあまりにもひどく、もはや言論の自由の程度を超えている』と反対に言わざるを得ません。32年を経て、吉田清治証言に関する一連の関連記事を取り消したとはいえ、いまだに謝罪もなければ関係者への処分も行われていません。それどころか、平成26年9月の週刊文春によれば、木村伊量朝日新聞社長は《「慰安婦問題を世界に広げた諸悪の根源は朝日新聞」といった誤った情報を撒き散らし、反朝日キャンペーンを繰り広げる勢力には断じて屈するわけにはいきません》との檄文を社員にメールしていたということです。これが事実なら、朝日は自らの過ちを認めておらず、完全に開き直っているとしか言いようがありません。
今日、日韓関係が大混乱に陥っています。しかしこれはひとへに、朝日新聞の30年以上に及ぶ“慰安婦問題“捏造に大きな原因があります。韓国国民に大きな誤解を生じさせたのですから。朝日新聞は言論人として韓国の国民に事実関係について明確に説明しなければなりません。日韓関係の混乱を韓国政府や日本政府にだけにその責任を押しつけることはできません。朝日は権力を有する者に対して、常に『謙虚と誠実』さを要求していますが、国民は朝日を含めてすべての言論人にも『謙虚と誠実』な態度と行動を求めていることを忘れてはならないと思います。
「言論の自由の程度」についてあらためて考えさせられます。言論人による言論統制や言論弾圧は言語道断であります。