国内での拉致監禁拷問事件について考える(2)。「人権」は政治・思想・宗教の違いを超えて人間に付与された「普遍的価値」であります。

浜田聡参議院議員の質問主意書で触れられていた、2000年4月20日に決算行政委員会で質疑された桧田仁(ひのきだひとし)自民党衆議院議員(当時)の質疑の一部を要約してお知らせします。

【桧田仁衆議院議員】これから重大な質問をする。質問をすることで万が一にも私に対して組織的犯罪者の危害が加わることがないよう、異例の要望をした上で、この質問を始める。捜査権を行使する警察のトップとして、捜査権とは憲法第14条の、何人といえども法のもとに平等、並びに憲法第20条の信教の自由を何ら侵すものでもないと判断しているが、いかがか。

【田中節夫・警察庁長官】すべての警察職員は、日本国憲法及び法律を擁護し、不偏不党かつ公平中正にその職務を遂行する旨の服務の宣誓を行なっている。信教の自由及び法の下の平等について、警察活動がこの憲法の規定を損なうようなことがあってはならないことも当然だ。

【桧田仁衆議院議員】拉致、監禁、暴行、傷害罪など刑事罰行為に触れる行為は、たとえば、親子や夫婦なら問われないということがあるか。

【田中節夫・警察庁長官】正当防衛や緊急避難、また14歳未満や責任能力を欠く者の行為である場合、有罪認定に足る証拠が得られない場合など、罪には問われない。だが、親子や親族であっても、刑罰に触れる行為があれば、何人に対しても法と証拠に照らし厳正に対処する。

【桧田仁衆議院議員】その当たり前のことが日本で行われていない。昨年のアメリカ国務省国際人権報告書1999年版に、警察が組織的に拉致、監禁、暴行等傷害事件を取り締まらないと報告され、日本の警察が国際社会からも信用を失墜しかねない、極めて重大な事態になっている。また、1992年には全米警察署長会議が、世界中のたとへ何人といえども拉致監禁は違法とし、犯罪抑止を努力すると決定している。ご存知か。

【田中節夫・警察庁長官】警察署長会議の方は知らないが、米国国務省の報告は知っている。具体的には、統一教会の会員から、警察は統一教会信者に対する強制改宗問題に対して何ら救済措置を取らないとの訴えがあり、また、統一教会信者が親族によって拉致監禁された場合、警察がそれを取り締まらない為に、被害者に対する恣意的監禁の期間が長引く結果となっていると主張している旨の記載は承知している。ただ、警察としては、いかなる事案でも、刑罰法令に触れる行為があれば、法と証拠に照らし厳正に対処しており、今後とも同様の考え方で対処する所存だ。

【桧田仁衆議院議員】自分たちでリンチに当たるものを行なって、罰したり拉致監禁したり、傷害を起こしたりすることは、絶対に許されないことだと思うが。

【田中節夫・警察庁長官】法治国家において許されないことだ。 

【 桧田仁衆議院議員】拉致監禁に警察が関与し、また了解していたという証拠を今日提示する。平成10年5月16日に拉致監禁をした犯罪者は計画書を作っている。自筆のものを持っている。何月何日どうこうすると書いてあり、また本人が騒いだ場合どうするなど、詳細に書いてある。しかも、この書類を平成10年5月14日に、石川某が昭島警察へ事前連絡して了承をもらうような書類を作り、しかも実際に行っている。警察が承知で拉致監禁したということがあるのか。

【田中節夫・警察庁長官】警察が具体的に関与して犯罪行為が行われるということは、私どもは承知していない。

【桧田仁衆議院議員】平成9年6月7日に鳥取市で40年間、鳥取警察署に勤めた者が現職の税務署職員と一緒になり、元警察官も5名程度加わって、約20名でスタンガン、鉄パイプ、チェーン等で武装し、教会を襲撃して4名に暴行傷害罪を起こしている。この者たちが逮捕も捜査もされていないのは、40年も務めた警察官が武装襲撃をした事件だから、見て見ぬふりをしたのではないかと勘ぐっているが、いかがか。

【林則清・警察庁刑事局長】スタンガン鉄パイプ等を用いたという点は、鳥取県警の捜査では認められなかった。だが多人数による犯罪は看過できない。鳥取県警は関係被疑者6名について、建造物侵入や傷害罪で鳥取地方検察庁へ書類送致した。

【桧田仁衆議院議員】被害者の側が1年間は何の捜査もされず、そして本人を拉致して姫路へ行く国道ルートに対して何らの緊急配備もしなかったと主張している。警察に事前に連絡されたのではないか。

【林則清・警察庁刑事局長】現場の警察官は事情聴取をし実況検分も行っている。鳥取県警は発生時に110番通報で本件を知り、約2時間緊急配備を行うなど被疑者や女性信者等の発見に努めたと聞いている。

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【桧田仁衆議院議員】拉致監禁事件は親告罪か?本人は1年3ヶ月も拉致監禁されているのに、要るのか?

【林則清・警察庁刑事局長】親告罪ではない。

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【桧田仁衆議院議員】今日質問する理由の第一は、米国が危惧しているように、日本で警察権は法のもとに平等に行われていないのではないかという点。 2番目はこの問題は実は20年来、1年間に約3000人程度を組織的に、親の気持ちとは別に拉致監禁している集団があるからだ。私が1年3ヶ月行方不明になっても調査をしないのか。この組織的拉致監禁集団は一部の牧師などが組織的に全国でやっている。ある意味では国家に対する、警察に対する、重大な挑戦だと思うが。

【田中節夫・警察庁長官】全国のいくつかの県警察において、統一教会の信者から被害申告あるいは相談がなされたと言う事は承知している。国民の生命、身体、財産の保護を任ずる警察としては、今後とも刑罰法令に触れる行為があれば法と証拠に照らし厳正に対処する。

【桧田仁衆議院議員】国民の人権が侵されるのにもかかわらず、警察が見て見ぬふりをしたり、あるいは拉致監禁されてもそれを追わない。ましてや警察関係者が関与していることを放置しているという事は、大変重大なことであり国家への重大な挑戦だと思う。こうした事件が起きて20年、そして被害を受けた者約4000名。しかもみんな大人だ。どうか何人といえども日本国民は法のもとに平等で、身の安全を守られ、信教の自由を享受し、生きられるように要望する。

選択的夫婦別氏制度導入は日本社会に深刻な問題を引き起こす。

夫婦別氏制度とは「夫婦が望む場合には結婚後も夫婦がそれぞれ結婚前の氏を称することを認める制度のこと。現在の民法のもとでは結婚に際して男性又は女性のいずれか一方が必ず氏を改めなければなりません。そして現実には男性の氏を選び、女性が氏を改める例が圧倒的です。しかしながら昨今女性の社会進出等にともない改姓による職業生活上や日常生活上の不便・不利益・アイデンティティの喪失など、様々な不便・不利益が指摘されてきたことなどを背景に選択的夫婦別氏制度の導入を求める意見があります。法務省としては選択的夫婦別氏制度の導入は、婚姻制度や家族のあり方と関係する重要な問題ですので、国民の理解のもとに進められるべきものと考えています」ー法務省のホームページよりー

法務省としては導入にあたっては国民の理解が大切であるということでしょう。

この夫婦別姓制度を導入した場合、どのような深刻な問題に直面することになるのでしょうか?考えてみました。

❶子どもの姓はどうなるのか?

    韓国は自動的に男性の姓になるそうです。またくじ引きで行う国、両方の姓を取り入れるという国も世界にはあるそうです。女性の姓にするのか?男性の姓にするのか?話し合いで決めるのか?裁判で決めるのか?その場合何を根拠に決めることができるのだろうか?

・法務省のホームページには子どもへの影響の具体的内容として以下3点を挙げています。

(1)友人から親と名字が異なることを指摘されて、嫌な思いをするなどして、対人関係で心理的負担が生じる(78・6%)。

(2)名字の異なる親との関係で違和感や不安感を覚える(60・1%)。

(3)家族の一体感が失われて子の健全な育成が阻害される(23・1%)。

と記しています。

・また、夫婦別姓を導入した場合に、子どもの姓について、

(1)きょうだい(兄弟)の名字は同じにするべき(63・5%)

(2)きょうだい(兄弟)の名字が異なってもかまわない(13・8%)

(3)どちらとも言えない(21・2%)

残りが無回答ということです。法務省の調査では6割以上の人が姓の一致を求めていることがわかります。また今年の初めに産経新聞が行なった全国の小中学生2000名の世論調査でも6割以上の子どもたちが別姓に反対している結果が出ています。子どもの立場に立った視点は重要です。

❷戸籍にはどう記載するのか?

どのように記載するのか?記載の方法がない。その場合、戸籍をなくせという議論につながる。戸籍をなくすべきではない。

❸どの時点から適用するのか?

 1年後からなのか?いつから適用するのか?遡って適用するのか?

祖父・祖母まで遡れば日本社会は大混乱するのではないでしょうか?

❹旧姓使用・通称使用拡大で不便さは解決するのでは?

名字の変更による不便・不利益の有無、として法務省が挙げているのが、

(1)名字を変更した側にのみ名義変更の負担がある(83・1%)

(2)仕事の実績が引き継がれない(34・5%)

(3)実家の名字を残せなくなる(27・9%)

   となっています。しかし、パスポートや名刺など経済界が主張する事案はほとんどすでに解決している、あるいは解決することができると言われています。

❺お墓の問題です。日本は先祖代々を大切にする社会です。お墓はどうなるのででしょうか?