国会質疑から見える日本 (4) 北朝鮮による拉致を否定していた土井たか子と社民党について、 浜田聡参議院議員

2024年12月19日参議院総務委員会より

【北朝鮮による拉致を否定していた土井たか子氏と社民党について】

【浜田聡参議院議員】

NHKから国民を守る党の浜田聡でございます。よろしくお願いします。まずは最重要課題である北朝鮮による拉致問題について取り上げます。かつて拉致問題は存在しないという見解を出した国会議員がいます。その代表格が土井たか子氏です。今回資料配布資料としてデイリーニュースオンラインの記事を用意しました。次のように記載されております。土井氏が一貫して北朝鮮寄りの立場を取り、拉致疑惑など存在しないなどと公言、とあります。2002年10月15日に拉致被害者5人が帰国し、この土井氏の発信内容は誤りであることが判明しました。また、土井氏の言動からは、同氏が北朝鮮と深い関係を持っていたことが示唆されます。このような歴史的背景を考慮し拉致問題の解決に向けた新たなアプローチを提案というかたちで質問したいと思います。2問まとめて伺います。まず、土井たか子氏を含む拉致問題を否定していた国会議員について、政府は調査を行なっていた推察します。行なわれていたのであれば、その非公開の調査資料を公開すべきではないでしょうか。公開することで、拉致問題の解決に正確に理解し、拉致問題の解決に貢献できると思います。もし調査が行われていない場合であれば、その旨をお答え頂ければ幸いです。

次に、現在の政府による拉致問題の啓発活動についての提案でございます。政府のウエブサイトやチラシを通じて行なわれている啓発活動に土井たか子氏のような拉致問題を否定していた国会議員の存在とその影響を記載することはいかがでしょうか。また、土井たか子氏が社民党に所属していたことから、社民党への投票を避けることで拉致問題解決に一歩近づくというメッセージを記載することも提案したいと思います。

【平井審議官】

まず1問目についてですが、ご指摘の拉致問題を否定していた国会議員に関する非公開の調査資料が具体的に何を指すのか明らかではなく、お答えは困難でございますが、そのようなものが存在するとは承知しておりません。また2問目につきまして、過去に特定の国会議員及び政党から示された 見解につきまして、政府としてコメントすることは差し控えたいと存じます。

「日露戦争、日本海海戦」について考える。司馬遼太郎『坂の上の雲』より。

『坂の上の雲六』P227より

日本史をどのように解釈したり論じたりすることもできるが、ただ日本海を守ろうとするこの海戦において日本側がやぶれた場合の想像ばかりは一種類しかないということだけは確かであった。日本のその後もこんにちもこのようには存在しなかったであろうということである。

そのまぎれもない蓋然性は、まず満州において善戦しつつもしかし結果においては戦力を衰耗させつつある日本陸軍が、一挙に孤軍の運命におちいり、半年を経ずして全滅するであろうということである。

当然、日本国は降伏する。この当時、日本政府は日本の歴史のなかでもっとも外交能力に富んだ政府であったために、おそらく列強の均衡力学を利用して必ずしも全土がロシア領にならないにしても、最小限に考えて対馬島と艦隊基地の佐世保はロシアの租借地になり、そして北海道全土と千島列島はロシア領になるであろうということは、この当時の国際政治の慣例からみてもきわめて高い確率をもっていた。

むろん、東アジアの歴史も、その後とはちがったものになったにちがいない。満州は、すでに開戦前にロシアが事実上居すわってしまった現実がそのまま国際的に承認され、また李朝鮮もほとんどロシアの属邦になり、すくなくとも朝鮮の宗主国が中国からロシアに変わったに相違なく、さらにいえば早くからロシアが目をつけていた馬山港のほかに、元山港や釜山港も租借地になり、また仁川付近にロシア総督府が出現したであろうという想像を制御できるような材料はほとんどないのである。

同P429より

もっとも装甲艦が演ずる近代戦の戦術についての著書のあるH・W・ウイルソンという英国の海軍研究家は、日露双方の発表によって事情が明快になったとき、「なんと偉大な勝利であろう。自分は陸戦においても海戦においても歴史上このような完全な勝利を見たことがない」と書き、さらに、「この海戦は、白人優勢の時代がすでにおわったことについて歴史上の一新紀元を劃したというべきである。欧亜という相異なった人種のあいだに不平等が存在した時代は去った。将来は白色人種も黄色人種も同一の基盤に立たざるをえなくなるだろう」とし、この海戦が世界史を変えたことを指摘している。