アメリカで何が起きているのか?(14)。学校現場で分断が進んでいる。

【人種差別なくす教育めぐり分断深める米国】AFPーBB NEWS (7月2日配信)によれば、学校教育現場では人種問題をめぐって混乱というより分断が起きています。

 0D8A4CD0-B169-4621-A73B-50D1E9EEB0D0

・米国で広がる反人種差別教育の結果、白人の子供たちが自らを「迫害者」とみなしている、と訴えている。

・ある白人女性は、今の子供たちは「人格の本質ではなく、すべてを肌の色で見ることを学んでいる。自分たちが迫害者で、有色の子どもすべてが被迫害者だと」語った。

・学校は「小学2年生に、自分の白さを恥じなさいと教えている」という。

・トランプ氏は昨年、前任者バラク・オバマ氏が始めた連邦政府職員を対象とした多様性の研修を打ち切った。「わが国が恐ろしい場所、人種差別的な場所だと人々に教えていた。わが国を憎むよう教えていた」とトランプ氏は理由を述べた。

・テキサスやフロリダなど共和党地盤の少なくとも16州で、「批判的人種理論」を公立学校で教えることを禁ずる法案がすでに可決されたか、可決の見通しだ。違反すると学校への財政支援が停止される。

・人種差別に反対する運動の最近の高まりを見て、学校当局は各種コースを設立し、新プログラムの考案を始めたが、親たちの一部は快く思っていない。

・ある親は「うちの子たちは、いつも人種差別の話をする」「学校から持ち込まれたもので、やめるべきだ」「責めることで問題解決はできない」と語った。

アメリカで何が起きているのか?(13)。マルクス主義を批判した米軍将校が除隊。

EPOCH TIMS NEWS (2021・8・26)【マルクス主義を批判した米軍将校が除隊 、大物議員「危機感を抱いている」】によれば

米軍内部でのマルクス主義的思想や批判的人種理論の拡散を非難した将校が指揮権を解かれ除隊処分となったことが明らかになりました。軍内部の問題を指摘したのは、米宇宙軍に所属するマシュー・ロマイヤー中佐です。米宇宙軍の発表によると、ローマイヤー氏は米軍におけるマルクス主義や批判的人種理論の広がりを警告する本を出版し、ラジオ番組でその宣伝を行いました。米軍は軍人の政治的中立を要求しており、このことが処分の根拠とされています。

一方、ローマイヤー氏は「マルクス主義的イデオロギーの存在と批判的人種理論について語ることは何も政治的に偏っているというわけではない、逆に私たちは一致団結してそれらに立ち向かうべきなのだ」と述べました。

一連の騒動に関して上院軍事委員会の共和党議員ジム・インハーフ委員長はじめ複数の議員が反対意見を表明しました。インハーフ氏は「上院軍事委員会がこれまでに入手した情報と報道された内容を見て私は危機感を抱いている。軍人はマルクス主義に反対する意見を述べることを許可され、その上既存の規則や法律に違反しない限り奨励されるべきだ。マルクス主義はアメリカと相いれないイデオロギーであり、かのレーガン大統領の有名なスピーチにあるように『歴史のゴミ箱に打ち捨てられるもの』なのだ」と語りました。

批判的人種理論 : アメリカの政治・社会制度はすべて白人基準で出来上がっているという理論。この理論は1970年代後期に米国の法学会に登場した考え方で、人種差別を法律や制度によって成り立っているシステムと捉え、個人的偏見のレベルでは論じない。背景はマルクス主義?

NEWSポストセブン(7月18日配信)で、在米ジャーナリストの高濱賛氏は「2021年6月には、陸軍士官学校で『批判的人種理論』を教えている。親トランプ派から追求されたのに対し米軍100万人の頂点に立つミリー統合参謀本部議長は、『いま社会で起きていることを軍幹部候補生が学んでどこが悪い。私は士官学校でマルクスもレーニンも毛沢東も勉強した』と反論し、リベラル派にすり寄った。トランプ氏は『ミリーという男は左翼過激派分子がアメリカと星条旗を攻撃するのをただ見ているだけだ』と切って捨てた」と書いています。