日韓問題について考える(3)北朝鮮崩壊に備えよ。韓国は日本に支援を求めるしかない。

長谷川慶太郎氏『朝鮮崩壊』(実業之日本社、2014年6月10日初版)より

                      ー北朝鮮労働者の活用には時間が必要ー

「北朝鮮の労働者の人件費は韓国に比べて約3分の1です。朝鮮統一の局面でこの効果を韓国が享受するためには行政機構や、社会機構が安定して維持できてからでないと無理です。ベルリンの壁が崩壊して東西ドイツが統一された時も、当初は混乱し、こうした効果が結実化するまでには約4年もかかりました。だから、今回の朝鮮統一では最低でも5年、それ以上かかると思った方がいいでしょう。問題は5年間をどうするかです。その時、韓国は日本からの支援がどうしても必要になるのです。

そうした事態になることが分かっているのに、朴大統領は歴史問題、従軍慰安婦問題にばかりこだわっていて、大局を見ていないのです。それを冒頭、触れましたがケリー米国国務長官に指摘されて朴槿恵大統領は反論できませんでした。近い将来、安倍首相と朴大統領は2国間首脳会談を行う可能性が高いと思います。朴大統領は必ず譲歩してきます。そこまで朝鮮半島の事態は深刻なのです。2国間会談の席で歴史問題や従軍慰安婦の問題で日本は謝罪しろと朴大統領に言われても、安倍首相はそれに絶対、応じません」。

日韓問題について考える(2)北朝鮮崩壊に備えよ。韓国の「70日計画」

長谷川慶太郎氏の『朝鮮崩壊』(実業之日本社、2014年6月10日初版)より

                                 ー 韓国の70日計画(朴正煕時代に作成した計画)ー

「70日計画の内容ですが、北朝鮮が崩壊した時点で、その日のうちに、韓国は緊急の大統領令を発表して、韓国にあるすべての学校を閉鎖します。そして道路や鉄道などの交通も遮断するのです。その道路と鉄道を使用して北朝鮮の難民を輸送し、閉鎖した各学校の校舎に一時、待機させます。そうなるとこの間、韓国の生産活動も停止状態となります。すでに各学校で何人の難民を受け入れるか決まっており、難民を全員、収容することになっているのです。そこで当面の間、北朝鮮難民に対して住居と食料を提供します。食料を備蓄して、難民となった北朝鮮の国民を何十日間か、食べさせることを目標にしたものです。こうした計画を実施して韓国は当面の混乱を治めようとします。しかし、実は、備蓄しているのは、寝具の毛布と、石鹸と歯磨きなどの日用品が中心です。食料はほとんど備蓄されておらず、それが最大の問題となっています。だから、南北統一への動きは朴槿恵大統領が考えていたほど、甘いものではないのです」。