(8)パトリシア・デユバル国際弁護士。BITTER WINTERの記事が指摘する「あらゆる種類の国内法および国際法に違反して、日本政府は宗教法人としての家庭連合の解散を請求した」について考える。
1、家庭連合は民法に照らして法令違反はありません。(「」が正論6月号でのパトリシア・デユバル氏の発言です。)
「民事裁判で敗訴することは法令違反とは言えません」
「私人間の権利義務について調整を図ったということですから、法令違反とはいいません。むしろ賠償を支払ったわけですから、709条の規律に服し、遵守したことになるでしょう」
民放709条《故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される権利を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う》
「この法律の条文は、不法行為を行った者に対し、他人に及ぼした損害の賠償を義務付けています。この法律に違反することとは、どういう場合でしょうか。それは不法行為と認定された者が命じられた損害賠償を支払わなかった場合となります。不法行為が認められたことが法律違反になるのではありません。不法行為や損害が認定されたことは、法令違反を構成しないのです。日本に限りません」
2、全国で4300件を超えるといわれる拉致監禁・人権侵害による犯罪が、日本国内でしかも日本人によって行なわれて来たこと、しかも多くの牧師・弁護士たちがこの拉致監禁に関わってきたこと、このことをを不問にした今回の地裁判決は公正とは言えません。
「地裁の決定を読んでおかしいと思ったことはまだあります。例えば不法行為を認めた民事判決数が多いとして悪質性を認めた形になっていますが、日本政府の立証面で協力した弁護士グループによる法廷闘争を検証しなければ公正な判断はできないと思います」
「信者をさらって強制的に棄教させるデイプログラミングが大々的に行われ、この弁護士グループにつながれて旧統一教会を訴えるケースが散見されるからです」
「こうした原告は解散命令請求の根拠となった民事判決32件にも相当数いますが、そうしたことは一切、不問に付されています。これは政府の手続きの公正さ、公平性が問われる重大な問題です」
3、デイプログラミングの問題について、国連は3度にわたり、明確な回答を日本政府に求めましたが、日本政府からの回答は次のようなものでした。外務省の資料によれば、
国連人権委員会: 締約国により捜査、起訴されなかった拉致、強制改宗及び強制非改宗の事例の報告に関してコメント願いたい。
外務省: ご指摘のような事例は、把握していない。一般論としては、捜査においては、刑罰法令に触れる行為があると認められる場合には、法と証拠に基づき、適切に対処している。また、法務省の人権擁護機関では、人権擁護委員法及び人権侵犯事件調査処理規定に基づき、宗教・信条に基づく差別を含む人権侵害の申告などを踏まえて所用の調査を行い、事案に応じた適切な措置を取っている。
以上の回答を国連人権委員会に回答しています。
政府は4300件を超えると言われる拉致監禁・強制改宗という人権侵害事件を本当に知らないとして済まそうとするのだろうか?私は既に把握していると思いますが、もし把握していないのであれば調査すればわかることであります。把握していないというのであれば、すぐ調査をすべきであります。拉致監禁の過程で自殺に追い込まれた人、レイプされた人、解放されても後遺症に苦しめられて社会復帰できないでいる多くの人がいるのに、しかも国連から3度も勧告を受けているのに、この戦後最大の人権侵害事件を、日本政府(裁判所も含めて)は知らぬ存ぜぬ調査もしないというのでは、これこそ政府自体が人権侵害を行なっているといっても過言ではないと思います。姿勢を改めるべきであると強く思います。