新たな拉致監禁事件について考える(1)。家庭連合信者への拉致監禁事件について、浜田聡参議院議員による政府への質問主意書

浜田聡参議院議員の質問趣意書です。

質問第141号

令和6年5月21日        参議院議長  尾辻秀久殿

家庭連合信者への拉致監禁事件に関与している左翼過激派系弁護士集団「全国弁連」が、政府による家庭連合への解散命令請求の決定に関与している可能性に関する質問主意書

右の質問趣意書を国会法第74条によって提出する。          浜田聡

 

旧統一教会(家庭連合)信者が拉致監禁され強制的に棄教を迫られる事件については、すでに自民党衆議院議員であった桧田仁氏が国会において質問している(2000年4月20日、決算行政監視委員会)。

すなわち、米国務省が問題視する統一教会信者への拉致監禁問題について日本の警察が取り締まらないことで「国際社会からも信用を失墜しかねない、極めて重大な事態になっている」旨追求したところ、当時の田中節夫警察庁長官は「米国務省の報告は知っている」、「警察としては、いかなる事案でも、刑罰法令に触れる行為があれば、法と証拠に照らして厳正に対処」する旨答弁している。

しかしながら、拉致監禁事件はその後も継続して多発した。すなわち「脱会屋」と称される宮村峻氏やキリスト教牧師らが旧統一教会信者の親を説得して数百万円の代金で信者を暴力的に拉致監禁し、強制的に棄教させた元信者に対して全国弁連の弁護士が家庭連合を提訴させて儲けるという、いわゆる「脱会ビジネス」が拉致監禁役(宮村氏など)、棄教説得役(牧師)、提訴役(弁護士)とシステム化していたため、裁判件数がどんどん増えていったのである。

その結果、拉致監禁の件数は4300件以上に増え続け、中には一人で数百名の信者を拉致監禁してきたことを認めた高澤守牧師(刑事告訴後自殺)や、牧師自身の教会施設を監禁部屋にしていた森山諭牧師等の事例もある。

拉致監禁事件で裁判になった場合、加害者側に全国弁連の弁護士がつき、時には数百名にも及ぶ弁護団を結成するなどして対抗してくるケースもある。

ここで拉致監禁事件の具体的事例を三例ほど示し、その暴力性・悪質性を確認したい。

第一に、統一教会の女性信者(京都女子大学卒、中学高校教員免許取得、当時26歳)を拉致監禁して精神病院に強制入院させ拘束し、本人が嫌がる注射を強要して統一教会からの棄教を迫った事件(1980年4月26日、高松高裁人身保護請求事件)において、高村正彦弁護士(のちの法務大臣、外務大臣)らによる訴えで、被害者は無事に解放された。高村弁護士らは準備書面において、「被拘束者は信仰の故に迫害されている」、「宗教裁判は許されない」等と主張し、信教の自由を著しく侵害する行為として非難した。

第二に、統一教会の信者であった京都大学卒の男性を鉄格子の部屋に拉致監禁して強制的に棄教を迫った事件(1987年札幌地裁、人身保護請求)において、全国弁連の郷路征記弁護士が加害者側の弁護を担当した。この拉致監禁行為について、約10年間にわたって内閣法制局長官(鳩山・石橋・岸・池田の四内閣)を務めたことで著名な林修三弁護士は「違憲行為であることは間違いない」と述べ、更に加害者側に左翼弁護士が二百名もの大弁護団を結成したことも「異常なことだ」と非難した。郷路征記弁護士は安倍晋三元首相の国葬について、外国特派員協会の会見に出席して反対表明をした左翼活動家として知られる(2022年9月15日「しんぶん赤旗電子版」)

第三に、後藤徹氏(全国拉致監禁・強制改宗被害者の会代表)は1995年から2008年までの約12年5ヶ月間にわたって宮村峻氏等により拉致監禁され、キリスト教の牧師らから棄教を迫られた。その間、宮村氏から罵詈雑言を浴びせられながら、インフルエンザで40度の高熱が出ても病院に行くことも許されず食事も制限される等、壮絶な葛藤の日々を送った。その手記は、「月刊正論」(2023年12月号「私は12年5ヶ月拉致監禁されていた!」)に掲載されている。後藤氏は監禁から解放後に民事訴訟を提起し、2015年に最高裁が宮村峻氏らの拉致監禁事件が不法行為に当たることを認めた結果、後藤氏の勝訴が確定した。これ以降、「脱会ビジネス」による全国弁連の訴訟活動がやりにくくなったため家庭連合に対する民事裁判の件数は激減し、やがてゼロになったのである。

宮村峻氏については、立憲民主党が同氏を2022年8月18日の「党旧統一教会被害対策本部会合」(本部長: 西村智奈美衆院議員、特別参与、有田芳生氏)に「脱会支援者」として招き、元立憲民主党参議院議員の有田芳生氏のもとでヒアリングを行なった(立憲民主党ニュース、2022年8月18日)。

ここで、全国弁連所属の弁護士が左翼活動家を中心とするグループである事実を示す。

公安関係者らの参考資料とされる「左翼便覧ー研究・調査・対策の手引ー」(日本政治経済研究所、1996年4月発行)の「左翼過激派系弁護士名簿」(697ー698頁)の中で、確認しうるだけで9名の全国弁連所属弁護士が確認される。

上記「左翼便覧」に記載された全国弁連の弁護士のうち、山口広弁護士は全国弁連の実質上の創設者であり、東大全共闘で活躍した極左過激派弁護士として知られる。

海渡雄一弁護士はスパイ防止法制定を進める旧統一教会・国際勝共連合や安倍政権に徹底して反対してきた人物であり、その主張は著書(「秘密法で戦争準備・原発推進」創史社2013年発行)でまとめられている。海渡氏はテロ組織・オウム真理教を破防法適用から守り、同団体を存続させることに尽力した。

全国弁連所属の紀藤正樹弁護士はオウム真理教に対する破防法適用のみならず、解散命令についても反対していたという(「月刊 Hanada」(2023年1月号、福田ますみ「統一教会問題の黒幕」、「週間現代」1995年7月1日号、中山逹樹「拝啓岸田文雄首相・家庭連合に、解散請求の要件なし」)。

飯田正剛弁護士は全国弁連で中心的に活動する人物であるが、国税当局から「三千万円所得隠し」の認定を受け、別居中の妻子から変態的な不倫メールを暴露されるなど、そもそも弁護士としての品性が疑われる面がある(「週間現代」2010年2月13日号「スクープ・家族が訴える有名人権派弁護士の家庭内人権問題」)。

以上のように、全国弁連の弁護士は拉致監禁の不法行為を繰り返してきた宮村峻氏らと会合を持つなどして連携し、拉致監禁事件の裁判では加害者側を弁護してきた左翼過激派系弁護士集団であることがわかる。

以上を踏まえて以下質問する。

一、2000年4月20日の決算行政監視委員会において、統一教会信者に対する拉致監禁事件について田中節夫警察庁長官が「警察としては、いかなる事案でも、刑罰法令に触れる行為があれば、法と証拠に照らし厳正に対処」すると答弁しているが、この方針は現在も継続されているか示されたい。

二、家庭連合信者を拉致監禁する事件に深く関与してきた全国弁連は、当然ながら家庭連合と裁判等で真っ向から激しく対立する団体であり、長年にわたって旧統一教会の解散を強く主張してきた。したがって、家庭連合の問題について公平公正な立場で政府が検討する場合、その検討対象である家庭連合に強く対立する立場にある全国弁連の意見を政府自身が取り入れることは、はじめから家庭連合を解散させるという「結論ありき」の方策である言わざるを得ず、明らかに不公平であり、著しく正義に反するのではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。

質問主意書については、答弁作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第75条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から21日以内の答弁となっても私としては差し支えない。

右質問する。