産経新聞(令和3年5月30日)報道では、終盤国会で野党が「ワクチン接種の遅れは政府の失策」として政府追及を強めているという。しかし昨年11月の国会議論では立憲民主党や共産党はワクチン承認に慎重な対応を政府に求め、ワクチンの早期承認を批判していたことがわかりました。同紙によれば、令和2年11月の衆参厚生労働委員会での主な野党の発言は以下の通りです。
このとき、立憲民主党は
中島克仁衆議院議員「日本国内では大規模な治験が行われていない。人種差を含めてどういう反応になるのか、リスクの拡大も懸念される」(令和2年11月13日衆院厚労委員会)
阿部知子衆議院議員「人種差を見ていない。なぜ新型コロナウイルスはこんなに発生率・重症化が違うのか。まずそこが科学されていない」(令和2年11月18日衆院厚労委員会)
このとき、共産党は
宮本徹衆議院議員「新薬をスピード認可して痛い目にあったことがある。大変な事態が起きない保証はないんじゃないですか」(令和2年11月18日衆院厚労委員会)
倉林明子参議院議員「根拠をもって安全性、有効性を高めてきたやり方を特例承認といって飛ばすことになる。その承認が国民の理解を得られるのか」(令和2年11月24日参院厚労委員会)と。
結局、このような議論を経て、改正予防接種法では「新しい技術を活用した新型コロナワクチン審査には国内外の治験を踏まえ、慎重に行うこと」という付帯決議が付されたという。立憲民主党と共産党は、政府を追求する前に、まず国民に謝罪すべきではないだろうか。ワクチン接種を政局にしてはいけません。一日も早くワクチンの接種拡大が進むよう真摯な議論が求められます。