石平氏は「Hanada」10月号に「中国『一党独裁』体制の驚くべき中身」と題して寄稿しています。その中で、
「現代中国の政治体制は『一党独裁』であることは、大半の日本人が知っている。・・しかし、この『一党独裁』体制の本当の意味、その驚くべき中身を、日本のマスコミが果たしてわかっているかどうかは甚だ疑問である」と。
そして、政治権力、人民解放軍、警察、検察、裁判所、外交機構、企業など全てが共産党の完全な支配下にあると指摘しています。
メディアについても、
「さらにもう一つ、共産党が完全に支配しているのが全国の新聞やテレビや雑誌社などのメディアである。『宣伝機関』と呼ばれるこれらのメディアを牛耳るのは、『党支部』と呼ばれる共産党組織であるが、その総元締めの党組織は共産党中央宣伝部だ。新聞社やテレビ局のトップは、各党支部の一員として中央宣伝部の命令に従って党のための宣伝工作を行うことを仕事としなければならない。日本の場合にたとえてみれば、朝日新聞や日経新聞も産経新聞も、そしてフジテレビやテレビ朝日もTBSもみな、毎日のように共産党中央宣伝部の指示に従って共産党を賛美する社説や嘘の記事を書き、中央宣伝部の指示に従って、本来なら伝えるべき真実を隠蔽するのである(ちなみに、現在の日本の朝日新聞の社説を読んでいると、この新聞社がすでに『党中央宣伝部』の命令に従って記事を書いているのではないかと思うこともあるが、これは不肖の私の錯覚だろうか)」と述べています。
中国共産党中央宣伝部の指示通り、真実を隠蔽したり、嘘の情報を流したりするのが中国のメディアであるとすると、その中国メディアの情報をそのごとく報道するということは、そのメディアはすでに中国共産党のメディアと化しているということになります。
石平氏は、最後に「このように、中国の『一党独裁』とは、中国共産党がこの国の軍隊・警察・メディア・対外機構のすべてを完全に支配下に置いていることであるが、この一党独裁の末端組織は、外国であるはずのわれわれの近くにも侵食してきている。実に恐ろしいものである!」と締め括っていました。