『アサヒ芸能』の記事について、産経新聞論説委員長の乾正人氏は「風を読む」(7月28日付け産経新聞)で次のように述べています。
「産経抄でも書いていたが、その『アサヒ芸能』(21日発売号)が、『【北朝鮮スパイ】リストに【文部省調査官】』という驚くべきスクープを放った。記事によると、韓国留学中に北朝鮮工作員にスカウトされた日本の学者が、あろうことか教科書検定の要である文科省教科書調査官に任命された。彼が、『従軍慰安婦』という誤った用語を中学校教科書に復活させ、左翼陣営が忌み嫌う『新しい歴史教科書をつくる会』の教科書を検定不合格にした張本人だという。記事では、調査官を匿名にしているが、容易に特定できる。この人物は、某私立大学の非常勤講師(しかも英語)を務めているが、これが謎なのである。調査官になるには、『視野が広く、人格が高潔』など4条件を満たさなければならないが、一番の難関は経歴である。条件の第1には、『教授または准教授の経歴がある者またはこれらに準じる高度に専門的な学識及び経験を有すると認められる者』とある。彼は過去に韓国の大学で講師を務めているが、准教授の経歴は見当たらない。『専門的な学識』に該当するとすれば、毛沢東を礼賛した本ぐらいだ。つまり、任用の過程で、毛沢東シンパの彼を強く押す人物が、文科省内にいたという推測も十分成り立つ」と。
スパイはすべてが外国籍というわけではない。日本国籍のスパイであれば組織の深部にまで入って行くことができる。文科省の事例は日本国籍を持つスパイの典型的な事例といえます。徹底的な調査が文科省に求められます。日本の官僚組織の深部にまで浸透し、国策に影響を与えていることに戦慄を覚えます。しかし根本はスパイ対策の法律がないことが問題であり、スパイ天国日本の汚名を返上するための具体的な行動が求められています。専守防衛のため「武力」を充実することも大事ですが、それだけでは自国を守ることはできないということを認識する必要があります。