日韓問題について考える(29)。元慰安婦の声を殺したのは誰だったのか?

 正義記憶連帯などの市民団体の活動が、むしろ

元慰安婦らの声を殺してしまっているのではないか

という疑問こそが今回糾明されるべき疑惑であろう。

李正宣氏「慰安婦を利用したのは誰か、韓国で次々暴かれる真実」(JBpress)より。

「しかし、今回の事件で明らかにしなければならないもう一つの問題は「尹氏が2015年の日韓慰安婦合意について事前に知っていながら、元慰安婦らに知らせなかった」という李容洙氏の主張だろう。・・・文在寅政権は、2015年の日韓慰安婦の合意が「慰安婦被害者たちの意見が反映されなかった」とし、和解・癒し財団を解散することをもって事実上合意を破棄した。しかし、生存している元慰安婦の47人のうち80%に近い35人が和解・癒し財団からの1億ウオンの補償金を受領した。朴槿恵政権の慰安婦合意に公式的に反対を表明した挺対協やナムヌの家に住む元慰安婦らの13人の中の1人も密かに補償金を受け取ったというニュースも伝えられた。正義記憶連帯などの市民団体の活動が、むしろ元慰安婦らの声を殺してしまっているのではないかという疑問こそが、今回糾明されるべき疑惑であろう」。

さらに「これと酷似した主張は16年前にもあった。2004年、故シム・ミジャさんなど元慰安婦13人が、挺対協とナムヌの家を相手取って『募金行為及びデモの動員に対する禁止仮処分申請』を出したことがある。この元慰安婦らは、仮処分申請を出す前に声明を発表し、挺対協を『慰安婦問題を口実に自分たちの富貴栄華を享受している』『いつ死ぬか分からない(高齢の)元慰安婦たちを歴史の舞台に物乞いとして売り、私腹を肥やしてきた悪者』と強い調子で非難した。彼女たちは、日本の外務省主導で設立された『アジア平和国民基金』が元慰安婦らに500万円ずつ支援しようとした時、挺対協は『日本から金を受ければ、自発的公娼になる』として、基金を受けないように公開的に避難したと主張した。また、アジア女性基金を受け取った7人の元慰安婦らに対しては韓国政府の補助金が受領できないように妨害し、随時通帳をチェックするなど、恐喝と脅迫に明け暮れていたと主張した。ただ、当時の裁判所は事件を棄却していた」。

➖2015年の慰安婦合意とは、ウキペディアによれば➖

「2015年(平成27年)12月28日に大韓民国ソウルの外交部で行われた日本の岸田文雄外務大臣と韓国の尹外交部長官による外相会談後の共同記者会見で両外相は『日韓間の慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する』と表明。韓国政府が元慰安婦支援のため設立する財団に日本政府が10億円拠出し、両国が協力して行くことを確認した。外相会談では、日韓両政府が今後国際連合など国際社会の場で慰安婦問題を巡って双方が非難しあうのを控えることも申しあわせるとともに共同記者発表で両外相がその旨を表明した」。