5月17日(日)の日本経済新聞より。
休校で給食停止、飲食店休業多く→
生乳廃棄の危機迫る→ 酪農離れ招く恐れ
「牛乳の原料となる生乳に再び廃棄の危機が迫りつつある。新型コロナウイルス対策に伴う全国一斉休校で給食用牛乳の需要が止まったところに、緊急事態宣言でカフェなど飲食店の需要も蒸発した。乳業メーカーは余った牛乳をバターなどに加工して対応するが、製造も限界が近づく。廃棄となれば生産者の酪農離れが進む可能性もある。「このままでは生乳を廃棄せざるを得なくなってしまう」。4〜6月の生産のピーク期に入り、酪農関係者の脳裏には最悪の事態がちらつく。・・・
生乳の取引価格は、生産者や乳業メーカーの経営を安定させるため年度交渉で決める。2020年度の価格(飲用向け)は1キロ約121円。今回のように「こんなに需給が緩んだ経験は過去にない」(大手乳業)状況でも価格は変わらない。乳業は集めた生乳を、家庭用に需要が伸びている牛乳のほかバターやチーズなどに振り向け、懸命に需給を調整する。だが受け入れにも限界がある。乳製品の在庫も膨れ「いつまで倉庫が持つか心配だ」(大手乳業)。・・首都圏の酪農家も「廃棄が出れば離農者が増える」と懸念する」。