《コロナ 知は語る》ー令和2年5月12日の産経新聞より。
『民主国家結束 日本が主導を』と題する
細谷雄一慶応大学教授(国際政治学者)のインタビュー記事を紹介します。
サイバー空間重視の世界へ。
新型コロナ禍で世界はどう変わる。
「1つは生活様式の変化だ。従来は人や物が動く物理的移動の時代で、陸運や海運、空輸がグローバル化を支えてきた。だが、感染拡大を防ぐための社会的な隔離により、遠隔地を結ぶオンライン会議などのテレコミュニケーションが拡大し、サイバー空間が重要となっている。もう1つは、その変化の加速だ。従来なら数十年かけて起こるような変化が一気に進行している。これに適合できる人や国家がコロナ後の世界で主導権を握る」
米中、コロナ後の世界を主導するのは困難。
「新型コロナへの初期対応につまづいた米中はともに道徳的な指導力を失い、コロナ後の世界を主導することは難しくなった。米国はトランプ大統領が事態を過度に楽観し、専門家の助言を無視して11月の大統領選に向けた経済活動の継続を優先させた。中国は昨年11月ごろから広まったとされる感染症の実態に関し、速やかに国際社会に報告する義務を怠った。さらに、感染力を過小評価してWHOに報告し、多くの国が初動を誤る原因を作った」
『日本モデル』 日本の対応への評価
「米欧の都市封鎖のような、権力によって市民の行動を制限するのではなく、国民の自主的な行動の変容に期待して要請を出すことで感染拡大を防いでいる。・・・『日本モデル』とも呼ばれる。ある程度成功していると言える」
日本が主導して民主主義国家の結束を!
「日本と台湾、韓国、シンガポール、香港はいずれも製造業や先端技術に強い国・地域であり、コロナ後の世界で経済的な機会を拡大する可能性がある。国際社会での地位も向上するのではないか」「新しい時代の国家間競争がサイバー空間においても繰り広げられることを考えると・・・積極的な財政出動で5Gや6G通信網を開発、導入するためのインフラ投資をより大胆に進めるべきだ」「現在、5Gで世界を主導するのは中国で、日本は不利な立場だ。韓国とは昨今、良好な関係にあるとは言えないが、サムスンなど巨大企業は、日本との連携を重視している。日韓の企業レベルで5G連合を作るべきだ。次世代通信網に関する国際的なルールづくりでEUや米国との協力を進めて行くことも重要だ。日本が主導して自由や民主主義を重視する諸国の結束を強めることで、日本は国際秩序を支える側の国になることができる」
まさにその通りだと思います。詳細は5月12日の産経新聞をお読みください。