中国共産党政府との関係を見直そう(77)。「戦後」の世界について考える(14)。中国共産党政府に未来はあるか?

習近平は日本に接近する

習近平に甘い顔をしてはいけません

ー長谷川慶太郎「中国は民主化する」(2019.9.26初版)よりー(3)氏は2019年9月3日、91歳で他界されました。謹んでお悔やみ申し上げます。

「中国は経済的に大きく落ち込んでいることから、必ず日本に秋波を送ってきます。それは間違いありません。なぜなら、日本には豊富な資金と技術力があるからです。具体的には1800兆円にも及ぶ個人金融資産がありますし、企業にも460兆円を越す内部留保がある。中国はこれを狙っています。また中国が欲しがる技術力とは、ハイテク技術、公害防止技術、軍事技術などです。

今アジア諸国において資金面で余裕のある国家は日本だけです。現在、対立状態にあるアメリカが、中国に資金的な援助をするわけがありません。こうした中、2020年に習近平は国賓として国家主席となって初めて来日します。このとき安倍首相はどのように対応するか。これが問題となります。

結論を言えば、安倍首相は来日した習近平に甘い顔をしてはいけません。言うべきことは言うという姿勢が必要です。その姿勢があれば中国への支援は可能でしょう。何を習近平に言うべきなのか。尖閣諸島の領海に中国の公船が侵入している件についても、はっきりと抗議すべきです。そして『これからは侵入しないという約束を取り付けるべきでしょう。

また、反日教育の廃止、そして新疆うウイグル自治区やチベットで行われている人権無視の政策を即刻、止めさせることが会談で話し合われるべきです。

天安門事件の後、中国に最初に援助の手を差し伸べた日本が、その後、中国の『裏切り』にあったわけですから、再びそのようなことに陥らないようにすることが、絶対条件です。何らかの知恵が必要だと思います」

 〈詳しくは氏の本を読んでいただきたいと思います。コロナの感染拡大で習近平の国賓来日は延期となりました。〉