中国共産党政府との関係を見直そう(40)。日本のメディアは真実を伝えたか?(1)NEWSWEEK2020.3.3『最大の脅威は中国政府の隠蔽工作』より。

NEWSWEEK2020.⒊3『最大の脅威は中国政府の隠蔽工作』より、概略を紹介します。

【昨年末から1月19日までの中国政府の公式見解】

「昨年末から1月19日までの間に中国共産党が出していた公式見解は、『武漢の海鮮市場でごく少数の人が新型ウイルスに感染し、数人が肺炎で入院した。原因はまだ不明だがSARSではないし、似てもいない』というものだった。公表されたデーターは、この筋書きに都合よく合っていた。そしてこれに矛盾する情報の発信者は抑圧された」

【1月19日、政府の公式ストーリーは突然変化した】

「武漢市の指導部は海鮮市場にはもう触れず、・・1100万人都市のかなりの部分を封鎖した。しかし、春節が近づき、隔離に対する不安が広まるなか、何百万もの武漢住民が市を離れ、中国全土に散り、知らないうちにウイルスを運んだ」

「科学的には、この隔離政策は一つの前提に依存していた。人から人に感染する可能性があるのは感染者が発熱している場合に限るという想定だ。全国各地の要所要所に体温測定地点が設けられた。幹線道路沿い、大きな建物の玄関、主要駅。武漢から遠い都市でも警官が街中で測定した。交通機関の利用は禁止された。熱がある人すべてを隔離すれば、これ以上蔓延せず、まもなく収束するだろうと見なされた」

【警察国家の強化、強制収容と言論弾圧】

しかし、「封じ込めの論理で行き詰まった中国共産党は、18番の警察国家の強化に乗り出した。一夜にして体育館、スポーツの試合会場、ホテル、大学の学生寮、会議センターなど、大人数を収容できる施設が軽症患者を受け入れる臨時医療施設に豹変した。ずらりとベッドが並べられ、隔離された人々に食料と衛生用品を提供するとともに、定期的な検温を実施した。しかし多くの人が検査など受けていないと不平を述べた。無理やり収容され、感染者かもしれない多数の人と一緒にされ、同じシャワーやトイレを使うよう強制されたという。人々の不安感を見て取って習は責任転嫁を試みる。対策の陣頭指揮を執る責任者に李克強首相を任命して武漢に送り込んだ。加えて習は、SNSの微博などで封じ込め策に疑いを表明したり、自宅軟禁だとぼやくような『不誠実な言論』を強く非難した」

【2月3日、中国共産党中央政治局常務委員会は新しい理屈をひねり出した】【公安部門の責任者を配置】

「事態は管理不行き届きが原因で制御不能に陥ったと言うのだ。共産党は対ウイルス人民戦争の先頭に立ち、改めて隔離強制と流言飛語の弾圧に力を入れることになる」

「2月8日、習は党中央から湖北省に派遣する対策チームのナンバー2に、側近の陳一新を任命した。医学や科学には門外漢の、司法・公安部門を統括する中央政法委員会の秘書長だ。陳は武漢市に乗り込むと、それまで湖北省や武漢市で対策の陣頭指揮を執っていた人々を解任した」