中国共産党政府との関係を見直そう(59)。中国の国際社会での振る舞い(4)。中国共産党の機嫌を損ねた「不運」な5カ国。スウエーデンの場合。

 《 スウエーデンの場合》

スウエーデンのホテルが、無料でロビーで泊まろうとした中国人家族に対応するため、警察を呼んだのですが息子の曾氏が、外の歩道に降ろされているように見えるが、何故か警察が両親を殺そうとしたと訴えていました。通行人がその様子を録画し、スウエーデン最大手の新聞に語ったのは、警察は状況を落ち着かせようとしただけだ。一方中国人家族が泣きわめき息子の方は自分で歩道に体を投げ出した。この家族が中国大使館に泣きついて、中国大使がこの事件をスウエーデンと中国の重大な外交問題に格上げしたのです。中国大使・桂従友はスウエーデンの新聞に不満を表明し、人権を尊重するスウエーデンが中国市民を虐待したと。「三人の中国人観光客がこれほど乱暴に扱われたことに衝撃を受けると同時に全く理解できない」「スウエーデンは常に人権と公正の大切さを語っているのでは」。中国国営メディアは同じメッセージを繰り返し、スウエーデンはエセ人権主義の偽善者だと示唆したのです。中国当局と国営メディアはなぜことを大げさに?実はこの事件には裏があるのです。

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そうですダライ・ラマがスウエーデンを訪れたのはこの事件のほんの一週間前でした。中国当局はダライ・ラマへの苛立ちを中国人観光客の件で晴らそうとしたかも。この話は中国ネット上で大炎上し、「スウエーデン警察が中国人観光客を虐待」はウエイボーでなんと1億3千万回も検索されました。

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しかし、同情的な意見ばかりではないようです。なかには彼らの行為と中国当局の対応を恥ずかしく思う人もいました。この論争がようやく収拾されかけた頃、スウエーデンの風刺番組が「中国人観光客へのお役立ちガイド」を放送しました。「たとへば歴史的建造物の外で用を足してはいけません」。一見かなり差別的に見えますが、しかしエピソードを全部見れば、ちなみにキャスターはスウエーデン版の私。明らかに風刺しているのは中国人に対して無礼で差別的なスウエーデン人、そして人権より中国とのビジネスに関心のある政府の偽善に対して、「お金が必要なので人権問題に触れようとしない」「スウエーデン人の人権を侵害したことについて中国当局を糾弾し続けるとお金が逃げてしまうから」。しかし、中国外交部は容赦せずこの番組を「中国と中国人民への甚大な侮辱であり悪意を持った攻撃である」と避難しました。