今回のエピソードでご紹介するのは、中国共産党に機嫌を損ねた「不運」な5カ国です。
チャイナ・アンセンサードへようこそ、キャスターのクリス・チャペルです。我が共産、大中国の逆鱗に触れると後悔するぞ。これが中国共産党の「戒律」をあえて破ろうとする国への警告です。時には主要な政策上の問題に関して、例えば南シナ海の領有権に異議を唱えたり、時には些細に見える問題、例えば、無作法な中国人旅行客をホテルから追い出したり、「これは殺人です!殺人です!」。問題の大小にかかわらず、中国共産党のルールに従わない者に「痛い厳罰」を確実に下すのです。そうすれば我が共産党に楯突こうと考える輩もいなくなるからです。では中国政権の機嫌を損ねたため代償を支払った不運な5カ国を見てみましよう。
ノルウェーの場合
北ヨーロッパの国でバイキングと白夜、いたずら好きな妖精トロールで有名なのです。私はノルウェーの妖精トロールの大ファンだけど、いたずらに荒らされるのは御免ですね。2010年に「妖精トロール」がノルウェーを襲ったのです。きっかけはノーベル委員会がノーベル平和賞を中国の反体制派作家の劉暁波氏に授与したことで、その後ノルウェーが見舞われたのは中国共産党トロールの「炎上荒らし」報復でした。中国外務省は激怒して厳重に抗議しました。劉氏の受賞は「賞の理念に完全に反しており平和賞を冒涜するものだ」と。中国共産党が最も忌み嫌うのは体制への批判であり、たとへ遠回しなほのめかしであっても許しません。ノルウエーにこのことを叩き込むため6年間の外交関係凍結の罰を下したのです。さらにユーロビジョンのノルウェー人優勝者のコンサートをも取り消したのです。ユーロビジョンが何だか知らないけど酷い話ですよね。他に巻き添えを食らったのは、ノルウェーの輸出と言えば石油&天然ガスに次いで第2位が「魚」です。ノルウェーはそれまで中国が最大の鮭の輸出国でした。そこで劉氏へのノーベル平和賞の「見返り」として、中国は鮭の輸入を60%以上カットしたのです。馬鹿げた話です。ノーベル委員会はノルウエー政府とは無関係な独立組織ですよ。ノーベル平和賞を誰に授与するかについて、政府は何の権限もなく口出しできません。この事実を中国当局は理解できないようで、ノルウェー政府に突きつけた関係修復の条件とは、今後絶対にノーベル平和賞を中国の反体制派に授与しないよう約束することでした。
Beijing’s demands …supposedly included a clause in which Norway would guarante that a Chinese dissident would never again be awarded the prize
昨年劉暁波氏は中国で監禁されたまま肝臓ガンで亡くなりました。その数ヶ月後中国はノルウェーとの関係修復へ転向しました。ノルウェーの首相が中国Eコマースの巨人「アリババ」を訪れた直後、海産物貿易協定が合意され、2025年までに15億ドル分の鮭の輸出が決まりました。このニュースには決まりの悪い見出しが付けられました。「ノルウェーは人権問題の件で不機嫌になった中国を鮭でもてなした」。
Norway wants China to forget about the human rights thing and eat salmon instead