平成30年8月18日付の産経新聞は「全米の大学などに設置されている中国政府の非営利教育機構『孔子学院』に対する懸念と閉鎖要求が改めて強まっている」と報道していました。同報道によれば孔子学院は米国内に100ヶ所以上あるということです。このうち、
昨年9月、イリノイ大学の孔子学院が閉鎖。今年4月、テキサス農工大の孔子学院閉鎖。
北フロリダ大(2014年に中国の孔子学院本部などとの契約で学内に孔子学院を開設)は来年2月に閉鎖することを決定。(閉鎖を来年2月としたのは、契約により閉鎖には6ヶ月前の事前通告が必要であるためとしている)
西フロリダ大も閉鎖を決定。シカゴ大学、ペンシルベニア州立大学も閉鎖を決定。ミネソタ大と聖クラウド州立大(ともにミネソタ州にある)は州議会から閉鎖を求められているという。
孔子学院閉鎖の理由について同記事では、「孔子学院は大学の研究活動を脅かしている」、「学問の自由を無視している」、「中国政府の政治宣伝機関と化している」、「大学の使命や目標と合致しない」、「孔子学院は中国共産党から資金を得ている機関で、懸念には十分に根拠がある」などの理由が紹介されています。
同様の記事は平成30年3月23日にも産経新聞で報道され、その中で「連邦捜査局(FBI)のレイ長官は今年2月、上院情報特別委員会の公聴会で、孔子学院が中国共産党思想の政治宣伝や中国政府のスパイ活動に利用され、捜査対象になっていると明らかにした。レイ氏は、孔子学院が米国内の中国留学生や、中国の民主化・人権活動に携わる在米中国人の動向監視にも活用されているとも指摘している」と、より明確に孔子学院の問題点について言及しています。
産経新聞によれば、孔子学院の運営機関は中国教育省の傘下にある国家漢語国際推進指導小組弁公室(漢弁)で、孔子学院は17年末時点で世界138ヵ国・地域に525ヶ所あり、学院より小規模な「孔子教室」は79カ国・地域に1113ヶ所あるという。日本には「立命館孔子学院」など学院が14ヶ所、教室が8ヶ所開設されている、ということです。