7月4日の産経新聞7面の河崎真澄氏のコラム”上海余話”の『「悪党は」誰か?』より。中国の話しです。
同コラムに『「昨年は2千人以上が捕まった。今年は1万人を超えるだろう。悪党も科学技術にはかなわない」。貴州省の顔認証システム開発会社トップは胸を張った。同社のシステムは今年4月、江西省で約6万人が集まったコンサート会場で指名手配中の男を検出。警官らが取り押さえたと報じられ、一躍有名になった。河南省の駅では2月、警官がかけたメガネ型監視カメラから乗客の顔を不審者リストと照合、警告が出るシステムが導入された。さらに名門の北京大学ではキャンパスに入る際、顔認証で学生らの身元確認をする仕組みが取り入れられる。不特定多数から不審者を探し出す以外に、あらゆるシーンで顔認証を使った監視の目が光る時代になった。この国に渡航する外国人も監視の重点対象だと、認識しておく必要がある』と書かれています。
外国人も監視の重点対象ということは、我々の考える犯罪者だけが対象になるのではなく、中国国内では政治問題や人権問題で活躍する人たちに対する監視にも、当然この顔認証システムが利用されているということでしょう。産経新聞の「中国、強まる人権弾圧」と題する報道からも推察されます。
共産主義国における最新の科学技術を使った国民(人民)監視システムは悪いSF小説のようで不気味であります。一党独裁体制の維持に危機感を感じる習近平氏はじめ中国共産党の指導者は、最新の科学技術を悪用してまで一党独裁体制を維持しようともがいているということでしょう。しかし、このような科学技術の悪用は 決して許されることではありません。また長く続くこともできないでしょう。