「外国人には説明できない街中のパチンコ店」について。

髙橋洋一先生の著書『ついにあなたの賃金上昇が始まる』の中に「カジノ解禁〜外国人には説明できない街中のパチンコ店」という項目があります。そこでは、次のような指摘がなされています。

第一に、「日本の実情は外国人に対してなかなか説明しにくい。端的に言うとパチンコ店の存在である。これはほとんど説明できない。『あれはゲームセンターですか』と聞かれて、『いいや、あれはギャンブル場です』と答えると、外国人はすべて、『オーッ』と驚く。『なぜ、子供が見ているところにあるのか』と言うわけである。およそ、外国では子供が立ち入れないような場所にギャンブルの施設は建てる。それが当然のこととなっている。たとえば米国のラスベガスでは、ギャンブル施設のエリアには子供は入れない。・・・ギャンブルの施設は完全に管理されているので、子供が入ることなどできなくなっている。少なくとも、大人がギャンブルに夢中になっているところに、子供がひょこひょこと入ってきて一緒にいるということはない。・・ところが、日本のパチンコ店は街中に堂々とある。住宅街にある駅前にピカピカのネオンなどで目立つようにして建っている。しかも、そこに子供が入り込んだりしている。そのようなギャンブル空間は海外にはない。だから、ギャンブルの施設は遠隔地に隔離されているものと考えている海外の人たちにとって駅前のパチンコ店をギャンブル施設と説明されても理解不能になる」という指摘です。

次に髙橋氏は、「パチンコ店はテレビ番組などにも出てくるし、民放ではコマーシャルも出ている。しかし、そうなるとテレビ局には視聴者からの苦情が寄せられる。それはそうだろう。ギャンブルのコマーシャルなど常識的にあり得ない。そこでギャンブルと言わずに、パチンコで楽しむというように娯楽扱いしている。パチンコで遊んで景品をもらって、それをどこかで換金しているというストーリーである。・・・しかし、これは屁理屈以外の何ものでもない。筆者はこのロジックを外国人に理解させることは到底できない」と、ギャンブルをコマーシャルする民報のあり方にも疑問を投げかけています。同感です。お金のためなのでしょうが、しかし本来あってはならないことですよね。そしてギャンブルについて、

「問題は『ギャンブルをどのように規制するか』である。・・・世界標準の考え方としては、『しっかりと管理して認めていく』ということになろう。そして管理の仕方は各国共通である。一言でいえば、人里離れた場所で管理するというのが原則だ」と指摘しています。

ギャンブルの規制・管理の仕方については、髙橋氏の指摘もふまえて、今後国会で議論される依存症対策法の中にしっかりと盛り込んでいただきたいと思います。そしてパチンコについては、今までの政府はギャンブルであるパチンコを無理やりに娯楽と位置づけて誤魔化し、未成年者も自由に出入りできる状態で、しかも住宅街で、朝・昼・晩とギャンブルを行える状態にしています。さらにテレビや新聞も宣伝活動で、ギャンブルを応援している始末です。その結果ギャンブル依存症患者は世界中で最も多くなっています。今、統合型リゾートについて賛否の議論が活発に行われていますが、統合型リゾートのギャンブル問題だけの議論で終わらせてはなりません。パチンコをギャンブルと明確に位置づけ、パチンコの今後のあり方を抜本的に見直すことを忘れてはいけません。政府も決断すべきであります。