大阪の都市制度改革の必要性について考える(14)。人口減少社会への提言。

元千葉県我孫子市長、中央学院大学教授の福嶋浩彦氏。

「これから30〜50年は出生率が多少上昇しても、日本全体の人口減少は確実に進む。子どもを産む世代の人口が既に決まっているからだ。《従来の社会の仕組みを維持していくには人口が減ると困る、何とか食い止めよう》ではなく、人口減少の中で皆が幸せになる、持続可能な仕組みに変えていくことが必要だ。自治体の首長には、こうした方向をしっかりと住民へ提起する勇気と、住民合意をつくり出して行くリーダーシップが求められている」。

「自治体は、人口奪い合いの不毛な競争をするのではなく、地に足がついた、持続可能な地域づくり戦略を立てる必要がある」。

「人口減少社会というのは、特別な地域だけでなく、普通の自治体が全て人口減少する。その時、今までの社会の仕組みを維持し、従来通りのやり方を続けるには人口が減ると大変だ、と言っている場合が多い。そうではなく、人口減の中で皆が幸せになる仕組みとやり方に変える必要がある」。

「人口減少社会では、何をやり、何をやめるか、適切に判断する必要がある。そのための住民の合意づくりが問われる」。(Governance February 2016)