共産党との共闘は共産党独裁国家への一里塚(1)。

古森義久氏の『ベトナム戦争の教訓』ーベトナム共産党と日本共産党はあまりにも似ているーという月刊誌への寄稿文を読ませていただきました。古森氏は毎日新聞記者としてベトナム戦争の終結を見届け、南ベトナムには通算4年近く駐在したという事です。その時の最大の教訓の一つが「共産主義勢力との“連合”や“共闘”がいかに苛酷な結末をもたらすかを実感したことだった」と述べています。第一次ベトナム戦争では共通の敵はフランス軍であるとして、ベトナム共産党は非共産勢力とベトナム独立同盟会(ベトミン)を結成し、戦いに勝利すると、今度は一緒に闘った非共産勢力の指導者をあらゆる手段で抹殺し、組織全体を乗っ取り、共産党一党独裁のベトナム民主共和国を樹立したということです。第二次ベトナム戦争(1965年〜1975年)でも、民族解放の名の下に共産党と非共産勢力が連合・共闘し、南ベトナム政府を崩壊させました。しかし共闘したカトリック教徒、仏教徒、民族派など非共産主義勢力はすべて共産党の新政権では排除され、弾圧され、ついには数百万人もの住民がボートピープルになるという世紀の悲劇を産んでしまったという。「ベトナム戦争は民族独立運動と共産主義革命の両方だった。その主役のベトナム共産党は長い闘争期間中、他の勢力を引き込むために自己の存在を薄め、民族独立という面だけを強調した。共産主義という側面を徹底して隠した。日本の大多数の識者もメデイアもベトナム戦争のこの両輪のうちの民族独立だけをみて、共産革命の実態を見なかった」「そのベトナム共産党の戦略と今の日本共産党の動向をくらべると、ぴたりと重なる部分が多い」との古森氏の指摘を我々は肝に銘じなければなりません。共産党の戦略に乗ってはなりません。