地下鉄の民営化と地下鉄の整備は別問題であるにも関わらず、地下鉄の8号線の延伸を民営化に同意する条件として、自民党大阪市会議員団は建設の確約を市長に迫っています。民営化に同意するので地下鉄を建設せよとの主張は、しかも赤字路線ですから、市民の理解が得られることはありません。自民党らしさを見失っているとしか考えられません。地下鉄などの鉄道整備はこれまで国の答申にもとづいて行われてきました。いちばん新しい答申は、平成16年10月の近畿地方交通審議会の答申であります。これは平成15年3月に近畿運輸局が京阪神の鉄道網のあり方について諮問した結果であります。この答申のなかで、大阪市関連の長期的に望まれる鉄道ネットワークとしては、①なにわ筋線(新大阪〜北梅田〜玉江橋〜堀江〜JR難波・南海汐見橋10.2Km)、②大阪市交3号線延伸(西梅田〜北梅田〜十三2.9Km)、③中之島新線延伸(玉江橋〜西九条〜千鳥橋〜新桜島6.7Km)、④大阪市交8号線延伸(今里〜杭全〜中野〜湯里6丁目6.7Km)、⑤大阪市交7号線延伸(大正〜千島〜南恩加島〜鶴町5.5Km)の5路線です。この平成16年の答申から10年以上が経過してきており、これから輸送需要やまちづくりの動向、現状の鉄道ネットワークなどを勘案しながら、この答申の見直しを進めて行かなければなりません。新たな答申作成に向けての作業に入るのもそう遠くはないと思います。そしてそこで決まった新たな答申にもとづいて鉄道等の整備がなされるように努力するのが我々の務めではないでしょうか。一部の人たち、一部の地域だけで決める問題ではないということは言うまでもありません。