共産党が生産手段の社会化を綱領に明記し、その核心的政策とする理由について考えてみます。Y共産党参議院議員は「資本主義のもとでは、利潤追求が生産活動の最大の推進力となります。なぜそうなるのか。それは工場・機械・原料などの生産手段が、個々の資本(企業)の財産となっているところから生まれます。だから・・利潤第一主義を乗り越えるためには、その生産手段の所有・管理・運営を個々の企業でなく社会全体で行う、生産手段の社会化が必要となる」と主張しています。そして生産手段を社会化することによって「生産の目的が利潤追求から、社会を構成するすべての人々の生活を豊かにするためへと切り替わる」ことができるとし、このことが生産手段を社会化する目的だと主張しています。個人個人が財産を持っていると、利潤追求に走るので、それを国家権力(共産党)が取り上げてしまって、個々の利潤追求ができないようにする。そして労働の目的そのものを社会(共産党政権下で築かれる社会)への奉仕に切り替えさせ、共産党政権下の社会を豊かにするために、人々を働かせるということになります。個々の利潤追求が否定され、個々の幸せ追求よりも共産党政権下の社会への奉仕が優先され、社会主義社会建設が労働の目的であると強制され、「能力(能力の判断は共産党が行い、共産党幹部やその子弟は能力があると評価され、主要な部署で働く)に応じて働き、労働(共産党政権にどれだけ奉仕するかによって、働いているか否かが判断される)に応じて受け取る(共産党幹部や党員は多くのものを受け取り、共産党に不満を持つ人々は社会の為に働いていないとみなされ、受け取ることができない)」社会をつくると言っています。このように人間性を無視して生産手段(財産)を無理やり国家権力で剥奪してつくられる社会はまさに地獄であります。共産党が個々の人生の生殺与奪を決定する権力を持つ社会というのが、共産党のいう社会主義社会であります。生産手段の社会化によって理想社会ができるなどと虚偽を宣伝するのは、かって北朝鮮を地上の楽園として宣伝したことと同じ犯罪であります。虚偽で国民を納得させることはできません。従って現在であっても、暴力革命という主張は共産主義者から必ず出てきます。また、共産党独裁であるにもかかわらず、プロレタリアート独裁とかなんとか言って、真面目に働いている人々を利用しようとするのは許されません。