日本人民共和国憲法草案第九条に、「人民は民主主義的な一切の言論、出版、集合、結社の自由をもち・・」と書かれ、また第十条には「人民に信仰と良心の自由を保障するため宗教と国家、宗教と学校は分離され、宗教的礼拝、布教の自由と共に反宗教的宣伝の自由もまた保障される」とあります。「宗教と学校は分離」するということですので、佛教や、キリスト教、神道などの教育理念にもとづく学校・大学は認められない、廃校ということになります。一見自由が認められているかのような文言ですが、『共産党独裁』を維持するために必要な、いわゆる“民主主義的な言論、民主主義的な出版、民主主義的な結社”の自由が保障されるのであって、『共産党独裁』に反する、共産党から見て“民主主義的でない言論”、共産党からみて“民主主義的でない出版”、共産党からみて“民主主義的でない結社”の自由は保障されないということであります。中華人民共和国では堂々と言論統制やメデイアの統制・監視が行われ、宗教迫害や人権侵害の状況は世界中から批判されています。また野党の存在はなく、共産党の一党独裁が続いております。日本人民共和国憲法草案では第百条に「日本人民共和国の共和政体は憲法改正の対象となり得ない」と記されています。反革命は絶対に許さないということです。言論の自由も信教の自由もそれが共和政体の存在を脅かさない範囲内でしか認めないということであり、共和政体を脅かす存在になれば、反宗教的宣伝の自由を活用して宗教を弾圧する、言論の自由を弾圧する、人権侵害も行うということでしょう。日本人民共和国憲法草案の前文にあるように「人民に主権をおく民主主義制度」「人民のための政治が行われるところの人民共和政体」、いわゆる社会主義社会、共産主義こそ絶対的であり、その絶対性を維持するため、共産党の一党独裁を脅かさない範囲内でしか自由は認めないということであります。そしてその認めるべき自由の範囲を決めるのが共産党であり、日本人民共和国憲法草案によれば、国会の代議員から選ばれた25名の国会常任幹事会であり、さらにそのトップの国会常任幹事会議長(共産党のトップ)ということになります。結局、日本人民共和国憲法草案では自由は認められていないという結論になります。