米ハーバード大学ロースクールのJ・マーク・ラムザイヤー教授の 「太平洋戦争における性サービスの契約 : 批判者への回答」が産経新聞(令和4年1月23日)に『慰安婦論文の米ハーバード大教授が反論 、不寛容な「強制連行」信者』と題する記事に掲載されていました。ラムザイヤー教授は批判者たちの主要な批判論点を3つあげて次のように回答しています。
批判者たちの主張1【慰安婦は契約によって働いていたのではない】
多くの具体的証拠が示している通り、こうした主張は誤りである。・・・経済学にある程度通じた読者であれば、個々人が明示的に交渉するかどうかとは関係なく、市場競争は売り手と買い手をわりあい効率的な契約を結ぶよう仕向けるものだということは容易に理解できるだろう。しかし、この経済学の基本が、私の批判者には「基本的」ではないようなのだ。
批判者たちの主張2【日本軍が銃剣を突きつけて朝鮮人女性を慰安婦として働くよう強制連行した】
日本軍が犯した罪をいかなる意味でも矮小化するものではないけれど、この主張は全くの誤りである。・・・日本軍による慰安婦強制連行説は、1980年代に吉田清治が言い始め、朝日新聞によって広められた。96年の国連の報告も吉田「証言」に依拠している。しかし、当初から日本では信ぴょう性に疑問を持たれていた吉田「証言」は全くの捏造であり、朝日新聞は関連する過去の記事を2014年に全面撤回している。一方、ゴードン教授とエッカート教授は私の論文撤回要求では言及しなかったものの、自分たちの著作では、この吉田「証言」に依拠したジョージ・ヒックス氏の著作に基づき、強制連行説を繰り返している。慰安婦だった女性が強制連行されたと訴え始めたのは、吉田「証言」後であり、朝日新聞が記事を撤回する前であった。
(※ゴードン教授とエッカート教授はハーバード大学の教授)
批判者たちの主張3【慰安婦が募集業者に騙されたり、売春宿主にひどく扱われたりすることがあった】
この主張は正しいし、私も論文で指摘したところである。まさに、売春宿主が取り決めを守らず、騙されるリスクがあることが、女性たちが多額の金銭を最初に受け取っていた理由の一つなのだ。
と回答しています。そして、
慰安婦問題に関する欧米での通説に疑問を投げかけることが英語圏で専門家の激しい怒りを呼び起こしたのは、今回が初めてではない。2015年に日本政府が米国の高校歴史教科書の事実に反する記載に申し入れを行った際、ゴードン教授らは日本政府非難の声明を出した。このひどい不寛容さは、欧米とくに米国の大学が作り出したものである。欧米では今も、日本専門家が強制連行という「コンセンサス」を押し付けている。日本では、吉田「証言」はペテンであって、これにもとづく朝日新聞記事が虚偽であることは誰もが知っている。いまだ強制連行説に固執しているのは、減る一方の活動家や過激な左翼歴史家だけである。・・・ただ欧米の大学のみで、このペテンが真実とされ、ペテンを支持する「コンセンサス」が存在するのだ。
以上記事の一部を紹介しましたが、詳しい内容は是非「産経新聞」をご一読お願いします。