1月18日の産経新聞に「ポトマック通信」(渡辺浩生)と題する記事が載っていました。
2006〜11年に米国に駐在した際に知り合った弁護士と先日再開した。政治が話題になると、「誰がこの国を治めているのか、分からない」と嘆いていた。バイデン大統領は支持層への訴えに執着し、国全体を引っ張るリーダーがいないという。議員に政策を売り込むロビー活動に携わる彼がそう感じるのだから、この10年で深まった党派的な分断は相当だと思った。1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件1年のバイデン氏の演説は「分断」をむしろ深めたのではないか。「暴徒」はもちろん、トランプ前大統領とその支持者、バイデン氏の勝利を認めない共和党議員を米国の民主主義の敵とみなす激しい言葉が並んだ。「融和」を全国民に 訴えかけた昨年の就任演説とあまりに対照的だった。その議会は、政権が強く推す選挙改革法案をめぐる党派対立で膠着状態にある。共和党が多数派の州で進める投票権の規制強化に対抗する連邦法だが、バイデン氏は11日の演説でも、同法案に反対する共和党を人種差別主義者になぞらえ、「全体主義者」と攻撃した。先の友人は長男が新型コロナウイルスで休校の間にゲーム漬けとなり引きこもりの状態。関心は教育の向上だが、政敵を罵り合う政治から熱意は伝わらないとも。米国民の政治不信の背景がわかり始めた気がした。
アメリカが国内の「分断」を乗り越え、世界平和のためのリーダーシップを発揮することを心から願うものです。