アメリカの民主党系マスコミはバイデン政権について厳しい見方を示しています。11月4日のワシントン・ポスト紙とABCテレビの世論調査によれば、バイデン大統領の支持率は41%と非常に低迷しています。また副大統領のハリス氏については、「最も人気のない副大統領」(ワシントン・ポスト)、「機能不全」(CNN)などと最悪の評価を下しています。11月7日の米紙USAトウデーの世論調査によれば、ハリス氏の支持率は27.8%です。
このような中で”民主主義サミット”が行なわれたのですが、日本経済新聞のワシントン支局長の菅野幹雄氏は、
「指導力に陰りのみられるバイデン氏が仕掛けた民主主義再建の賭けは、世界の混沌を一段と広げるきっかけにもなりかねない」。
と否定的な評価をしています。さらに、
中国は、「分裂と対立を扇動する米国の行動は世界に大きな動揺と災いをもたらすだけだ」。ロシアは、「冷戦時代の思考の産物で、イデオロギー対立と世界の分裂を煽り新たな分断を生み出す」。招待されなかったハンガリーは、「無礼だ」。同じく招待されなかったタイは、「招待されれば参加の是非を判断しなければならなかった」
招待された国についても、
米ワシントンポスト紙は今回招待されたパキスタンやフィリピンの人権問題に触れ「資格があるとは思えない国も含まれる」
など民主党系のメディアの報道を紹介しています。 さらに12月12日の日本経済新聞は主張欄で、
「敵と味方を区別するような手法は分断を深める懸念が否めず、無用な摩擦を生じないような配慮があってもよかったのではないか」「米国でも連邦議会議事堂への乱入など民主主義を揺るがす事件が起きた。足元を見つめ直す必要があろう」。
と極めて厳しい意見を述べています。もし今回の〝民主主義サミット”が単に「米国民主党の価値観」を世界に広める意図で開催されたのであれば、現在の分断された米国社会の状況が世界に拡大するだけの結果を招くこととなり、強く危惧します。