産経新聞論説委員の久保田るり子氏(正論10月号)によると、東京五輪での韓国人選手の行動や発言、また韓国の五輪報道について、韓国内の一部に強い失意があったようであります。中国の戦狼外交を想起した人も多かったと思います。
「韓国は東京五輪であまりにも多くのものを失った」「悪意的、敵対的で威嚇する国が自分の国というのが悲しい」「不適切報道をしたMBCが本当に恥ずかしい」など率直に自省的に批判する韓国人の論客や漫画家、歌手らが登場した。
という。なぜ韓国はこのような「悪意的、敵対的で威嚇する」「悲しい国」になったのだろうか。久保田氏の分析では、まず最初に政府傘下の研究機関「東北アジア歴史財団」による「国定史観」の創作と徹底した教育をとりあげています。
・韓国人学者は国際セミナーなどで歴史問題を「国定の対日史観」に基づいて論を展開する。この「国定史観」を構築しているのが政府傘下の研究機関「東北アジア歴史財団」だ。
・盧武鉉政権の2006年、日本や中国との歴史問題に対応する理論構築のため設立された。
・教育部傘下で年間予算約200億ウオン(約20億円)、研究者50人、職員50人態勢で、教科書の基本方針を出し、執筆者の選定を行う。海外広報の窓口にもなる。
・「歴史教育プログラム」に日本人大学生を招待したりもする戦略的な総合プロデュース機関だ。
韓国政府傘下の「東北アジア歴史財団」という研究機関で、「国定史観」がつくられそれが教科書となる。「国定史観」によって教育された子どもたちの多くが、大人になって「反日」の戦士となる。それだけでなく日本国内に「反日」を養成する戦略も展開しているという。次に韓国政府によるメディア支配を取り上げています。
メデイアの中でも地上波のテレビ局は政権の意向が反映される仕組みになっている。韓国には大統領直属機関の「放送通信委員会」があり、委員長を大統領が指名する。・・・公共放送のKBSの社長は大統領が任命権を持っている。KBSは理事会で社長を決めるが、理事会は与党推薦7人、野党推薦4人で、社長は政権与党が推薦して大統領が任命承認する。MBCは70%の株をKBSが取得している。地上波はKBS、MBC、SBS(民間)だが、いずれも政府色が色濃く反映される。
さらには、反日市民団体への政府補助金問題を指摘しています。
市民団体で反日発信の威力を発揮しているのはNGOだ。代表的なのがVANKで、「大韓民国の正しい姿」を世界に広めるネット宣伝活動を行なっている。VANKは慰安婦やいわゆる徴用工問題などで「宣言」や「声明」を発表するが、韓国政府はこの活動を評価して予算をつけるようになった。慰安婦問題などを理由に「日本には五輪誘致の資格がない」と国際オリンピック委員会はじめニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなどへ書簡を送りつけた。
国家が学術界、メディア界を支配し、市民団体さえもコントロールして、国を挙げて「反日」「歴史戦」に走っている構図がよくわかります。