小沢一郎はなぜ共産党と組めるのか?の考察(2)。

小沢一郎は共産党の穀田恵二衆議院議員、民進党の松野頼久衆議院議員と一緒に12月京都駅前で街頭演説を行っていました。ユーチューブで見ました。小沢一郎は演説の中で、なぜ安倍政権を倒さなければならいのか、について語っていました。それは「安倍政権の政治に対する考え方、政治の根本が間違っているからだ」として、「市場原理、自由競争を最優先している。無制限に認めたら弱肉強食で強い者だけが生き残る社会となってしまう。大企業は儲けるが、一方国民所得は減り続けている。格差は拡大しており、安倍さんの主張は真っ赤な嘘だ」と断言する。さらに続けて「国民の生活を考えないで何が政治なんだ。安倍さんは政治の根本が分かっていない」との主張でした。言うまでもなく、国民のことを考えない政治(民主党政権時の政治がそうでした)は与野党問わず許されるものではありません。小沢一郎はかって自民党の幹部として活躍し、将来の総理候補と目されていました。また、民主党政権の時も幹事長を務めるなど自由主義・資本主義経済に対する造詣は深いはずであります。このような演説を聞いていると何か違和感を感じるとともに、民主党政権を崩壊させた安倍さんに対する恨み節としか聞こえませんでした。今まで水と油の関係であった革命政党共産党と手を握ってでも、安倍政権を倒し再び政権の座につこうということだと思います。今までの主義主張を捨ててまでも、ある意味彼にとっては過去の己を捨てて、人生をかけた情念を持って、共産党との共闘に賭けていると思いました。「国民の為の政治」という美名のもとに、革命政党共産党と一緒になってまでも政権の座につこうとする異常な執念。まさに彼が中国で語った野戦軍司令官です。選挙に勝つことに対しては、これ以上ないと思うほどの異常な執念を持っています。もともと選挙に関しては類稀な才能を発揮してきました。共産党は小沢一郎の安倍政権に対する恨みを巧みに利用していると思うのですが、共産党の中に飛び込む小沢一郎の情念は並々ならぬものがあります。演説の中で「選挙に勝たなければ全く意味がない」「野党共闘で大勝できる」と檄を飛ばしていました。甘く見て、油断をすると大変な事になると思います。次の衆議院議員選挙は、まさに国の興廃がかかっていると思います。それにしても共産党と組む自民党の地方議員がいますが許されませんよね。

共産党との共闘は共産党独裁国家への一里塚(2)。

櫻井よしこ氏と屋山太郎氏の対談が面白い。月刊誌『歴史通』に掲載された対談から抜粋しました。櫻井氏「共産党は、自身の凋落をよく実感しているから、単独で政権は取れない、従って、民進党との共闘が大事だと分かっている」。屋山氏「(共産党は)一点共闘主義しかできない。・・一点共闘主義は、伝統的な共産党の戦略なんです。たとえば、第二次世界大戦後に、旧ソ連がポーランドやルーマニアの共産党に指令して、左っぽい政権と一点共闘主義で連合政府を作らせた。一点共闘主義だから、勝った後で相談ということになる。そうして、政権を奪ってしまうんです。共産党のやり方は、いつも一点共闘主義で、捕まえて、乗っ取るんです」。櫻井氏「共産党は、資本主義を経て社会主義に行くのが自分たちの最終目標だというんですすよね」。屋山氏「共産党は、一点共闘主義で連携して、政権を奪取してから、皆でどういう社会にするかを考えようと。要するに、目標は秘密にしておいて、他人には知らせないんです」。屋山氏「不破哲三の論文集には、将来の見本は中国、ベトナム、キューバとある」。櫻井氏「共産党の構想も目標も国民に対して説得力を持つとは言えない。そんな政党が単独では政権を取れないから、ホトトギス方式で他党に抱きつくことを政権奪取のひとつの手段としているとしたら、そのことを民進党はなぜ理解できないのか」。これ以上詳しくは月刊誌を読んでください。古森氏は同じ月刊誌でベトナム共産党のやり方について書いていましたが、ベトナムだけではなく、ポーランドやルーマニアが共産化していったのも共産党の一点共闘主義戦略があったからということが分かります。屋山氏が言われるように「一点共闘主義は伝統的な共産党の戦略」であることがわかります。日本共産党の戦略は、民進党と一点共闘主義で連携して先ずは自民党政府を打倒する。そして権力を握った後であらゆる手段を駆使して民進党を追放して、共産党の一党独裁を確立する。最終的に日本を共産党による一党独裁の共産主義国家にする。これが日本共産党の戦略であるということです。しかし、一点共闘しているあいだは、共産党の本当の目標について、共産党は何も真実を語らない、隠し通すという戦略です。民進党もきっとこのことは分かっていると思います。分かっているのに共産党との共闘が進んでいくのは、もう引き返せないほどに、連携が既成事実化しているからです。引き返す勇気はきっとないでしょう。