「外国人参政権付与の問題点を考える」
掲載日 2010年03月01日
外国人参政権付与の問題点(1)
評論家 石 平 氏 「帰化しようと思えばできる」
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私はもともと在日外国人だ。平成19年に帰化し日本 国民となった立場、体験から外国人参政権付与に絶対に反対する。国政でも地方でも、生涯にわたり日本という国家と生涯ともにする覚悟がない外国人に参政権
を与えるなどもってのほかだ。外国人永住者は帰化しようと思えばだいたい簡単にできる。でも、彼らは帰化しない選択をして、日本という国家と運命を共にし
ない意思表明をした。だから参政権を与えるべきではない。それが、私の体験から反対する一番大きなポイントだ。
また、日本の国際情勢からみても地方だけの問題ではなく、国政、基本戦略に大き な影響を及ぼす。先週、沖縄に行った。地元紙の「沖縄タイムス」には、名護市長選について「普天間移設を左右する」と書いてあった。つまり地方の選挙が国
政に直結するということだ。外国人に参政権を与えれば、本国の意向を受けて地方選挙を左右することも不可能ではない。参政権を得た外国人は、これを有効に
使うため組織化する。決して個人で行使しない。さらに(政府・与党は)特別永住だけでなく、一般永住者にも与えようとしている。今、在日中国人は80万
人。10年後、20年後、彼らはほとんど永住権を取っていく。自民党でも一部の方が1000万人の移民を考えているが、実現すれば、おそらく中国人が一番
多くなる。彼らが参政権を手に入れ、一大組織をつくれば、日本社会と全く異質の圧力集団ができあがることになる。
平成14年、東京都立川市で金美齢さんの講演を立川市在住の中国人18人が市役 所に「(金美齢さんは)台湾独立のシンボルだ。中国人に対する侮辱だ」と抗議し、市は屈服して結局中止になった。中国人は日本に永住しても民主主義を理解
していない。彼らが組織をつくり、自己目的化して、だんだんエスカレートすることになる。しかも、在日外国人の本国政府が暗躍して、日本の政府に無理難題
を押し付け、国政にも影響を及ぼすこともできるようになり、日本の社会は崩壊することになりかねない。
外国人参政権を認める法案は「百害あって一利なし」だ。日本国民は団結して阻止しなければならない。 (「自由民主」より転載) |
外国人参政権付与の問題点(2)
日本大学法学部教授 百地章氏 「まぎれもなく憲法違反だ」
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外国人参政権は憲法違反だ。「納税」や「地域への貢 献」を理由に賛成する人がいるが、参政権はこれらとの引き換えにはならない。あくまでも国籍の有無が前提だ。憲法15条1項では参政権は「国民固有の権
利」とある。「固有」とは「だけ」という意味だ。日本国民のみに与えられなければならない。
地方レベルなら与えてもいいとする部分的許容説もあるが、国、地方とも認められ ないのが通説だ。今では日本に初めて部分的許容説を紹介した、中央大学の長尾一紘教授も「地方レベルでも憲法違反」と主張している。東京大学の芦部信義教
授も、憲法93条2項には、地方自治体の首長や議員は「国民」ではなく「住民」が選挙するとあるから、「住民」の中に外国人を入れてもいいと、部分的許容
説を説いたが、平成7年の最高裁判決で完全に否定された。この判決では結論を導き出す「本論」と裁判官個人の意見を付け足す「傍論」が矛盾し、外国人に参
政権を認めることはできないと明言していない。しかし、少なくとも論理的に考えたら、明らかに外国人に参政権を付与できない構造になっている。
つまり、本論の判決では日本国民のみが有する権利(憲法15条1項)を前提と していて、国と地方は分けられないという立場を取り、しかも憲法93条2項の「住民」とは「日本国民」を意味すると述べている。どこにも外国人に参政権を
与えてもいいとする理屈が出る余地はない。ところが、傍論の部分で「永住外国人への地方選挙権付与は禁止されていない」とあるので、これが独り歩きしてし
まった。しかしこの傍論を付けた裁判官も、平成19年には傍論を重視するのは俗論だと否定し、部分許容説の根拠は崩れた。まぎれもなく外国人参政権は憲法
違反だ。
それから、憲法以前の国家の問題としても、外国人に参政権を与えることはできない。国家とは政治的運命共同体だ。戦争になれば国民は運命を共にする。ま
た、国は地方と一体にならねばならない。韓国や中国の憲法には、国防の義務がうたわれている。民団(在日本大韓民国民団)の綱領には、韓国の国是と憲法を
順守するとある。国の運命を彼らに左右されていいのか。(「自由民主」より転載) |
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