平成14年度通常予算に関する大阪市会各常任委員会記録
大阪市会計画消防委員会質疑事項索引
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大内委員
 
市内に貨物機能を移すということで、最大で見積もれば100万トンということでしょうけれども、これを大阪市内で受け持つとなると、百済駅と安治川口の貨物駅ということになるかとおもうんですけども、鉄道建設公団としては、今、具体的にどのような検討をされているのかお伺いしたいと思います。
川田計画調整局計画部企画主幹
 
検討状況のおたづねでございますが、市内の主用な貨物駅としまして、現在安治川口駅と百済駅がございます。梅田貨物駅の機能の約半分をこの2つの駅のどちらか1ヶ所で集約して取り扱うのか、また互いに分担して取り扱うのか、その活用方法について現在鉄道建設公団が検討しておられます。安治川口貨物駅につきましては、JR桜島線をJRの旅客列車と貨物列車が共用して走行しておりますので、運行計画の調整なども関連しておりまして、また鉄道施設などの課題も含めまして、その活用方法について鉄道建設公団において検討されているところでございます。大阪市としましては、市内で貨物機能を取り扱うことに向けて、鉄道建設公団の検討内容につきまして協議を進めてまいりますが、地域との調和が図られますような計画となるよう調整を図ってまいりたいと考えております。
 
大内委員
 最大で100万トンを大阪市内の2ヶ所で機能を分担しようということになるわけで、具体的にはまだ決まってはいないんでしょうけれども、私もこの大阪の再生のためにはこの貨物機能の移転が必要であると、こういうことは理解するわけですけども、しかしそれだけ大量の貨物を大阪市内で肩がわりすると、別のところでということになってきますと、当然いづれの駅にしましても地元とのかかわりが出てきますので、こういう状況、地元とのかかわりなどをよく踏まえて、今後、鉄道建設公団と十分調節していただきたい、このことを要望しておきたいと思います。次に、次期交通政策審議会に向けた取り組についてお伺いしたいと思います。 大阪市における鉄道網の整備についてですけれども、これまでの鉄道整備は基本的には平成元年の運輸政策審議会答申第10号に基づいて進められてきたと考えております。この間、地下鉄7号線やJR東西線、それからOTS線等が開業してきており、また現在は地下鉄8号線、大阪外環状線、西大阪延伸線、中之島新線、それから北港テクノポート線の整備が進められておりますが、答申路線の中でも、目標年次までに整備することが適当である区間とされているなにわ筋線などはいまだに具体化されていないわけでございます。そこでおたづねしますが、運政審答申第10号の答申路線で大阪市域に関連する路線の進捗状況はどのようになっているのかおたづねいたします。
雨水計画調整局計画部交通空港政策課長
 本市の鉄道網の整備は、委員ご指摘の運政審答申第10号によりまして基本的に進めてまいっておりますけれども、同答申では目標年次までに整備することが適当である区間、目標年次は2005年でございますけれども、それをランク1、整備に着手することが適当である区間をランク2、今後路線整備について検討するべき区間あるいは方向というものをランク3といたしますと、大阪市域に関連する路線としてはランク1で65.3キロメートル、ランク2で21.9キロメート、ランク3で31.9キロメートル、合計で119.1キロメートルが答申されてございます。これらの路線のうち、現在までに地下鉄7号線でありますとか、JR東西線、OTS線など、ランク1の路線延長の48パーセントが完成いたしまして、今、営業・開業しておりますが、大阪外環状線、西大阪延伸線などの事業中のものを含めますと85パーセントの進捗となってございます。また、ランク1と2をあわせてみますと、北港テクノポート線、中之島新線などの事業中のものを含めました進捗率は74パーセントとなっております。その他、ランク3の地下鉄8号線、井高野から今里間が事業中となっている、そういう状況でございます。
 
大内委員
 
この運政審答申路線のうち、2005年の目標年次までに整備または着手する路線、つまりランク1とランク2を合わせて整備済み、または事業中の路線が74パーセントの進捗ということでございます。今事業中の西大阪延伸線、中之島新線、北港テクノポート線などが完成いたしますと、本市の鉄道ネットワークは格段に充実するものと思います。一方で、ランク1のなにわ筋線はいまだに未設備ですし、そのほかランク2でも未設備路線がありますし、ランク3ではほとんどがまだ未設備であると思います。そういった中で、運輸政策審議会の答申が出て以降13年をもう経過しております。目標年次まで残すところ3年となっておりますので、見直しの作業を進める必要があると思いますが、その取り組状況はどうなっているのかお聞かせ願います。
雨水計画調整局計画部交通空港政策課長
 
現行運輸政策審議会の答申でございますが、現在、運輸政策審議会といいますのは、運輸省が国土交通省に再編された際に名称が変更になっておりまして、交通政策審議会と名称が変更になってございますけれども、その旧運政審の目標年次まであと3年となっておりますために、国におきましては、現在、近畿運輸局を中心にいたしまして、関係の機関、大阪市を含めました関係自治体も参画いたしまして、次の交通政策審議会に向けた鉄道整備の計画策定の基本資料をつくるために、第10号答申路線における現状での整備の課題の整理とか、あるいは将来の交通需要予測などの準備調査に取り組んでおるところでございまして、この準備調査につきましては、13、14年度の2ヵ年で実施する予定でございまして、これを踏まえまして、次の交通政策審議会に諮問することを目指しておられますけれども、諮問の時期は未定であるというふうに伺ってございます。本市におきましても、国の動きにあわせまして、次期交通政策審議会に向けて今後の鉄道整備に向けての検討を進めてまいりたいと考えております。
大内委員
 
平成13年度、14年度は国が中心となって次期答申に向けた準備調査を進めておられるということで、大阪市においても次期交通政策審議会にむけて検討をやりつつあるということでございます。公共交通の中心となる鉄道網は、都市活動を支える基盤施設であることから、その整備計画については大阪市の将来のまちづくりを視野に入れて策定する必要があると考えます。現在の第10号答申の未設備路線については、大部分は次期交通政策審議会の答申にも盛り込まれるだろうし、なにわ筋線や地下鉄8号線の南伸などの早期整備は重要なことだと思います。また、答申からかなりの年数が経過した今日、市街地の変化やニーズの多様化・高度化に的確に対応する必要があります。同時に、中・長期的な観点から鉄道網の整備計画について検討することも必要であると考えます。今後の鉄道の整備計画には、需要があるから必要であるという路線もあるとは思いますが、鉄道などの基盤施設を先行整備することにより、人が住み、動き、憩うといったまちづくりができ、需要を喚起するといった方法もあると思います。現状は、日本全体の経済が低迷いたしており、中でも関西、大阪の落ち込みが大きいようであとますが、今後の鉄道整備にあたっては大阪の活性化につながるものとなるよう、次期交通政策審議会に臨んでいただきたいと考えますが、その臨む所見をお伺いしたいと思います。
岩本計画調整局長
 
次期交通政策審議会に向けましては、現在はその準備作業段階でございます。まだ時期ははっきりしておりませんが、私ども思うところでは来年の終わり頃に正式の審議がスタートするものと考えております。現状の取り組みにつきましては、現在の運輸政策審議会答申路線で、まだ整備に至っておりません路線につきまして、その課題でありますとか将来交通需要の予測に向けまして取り組を始めているところでございます。鉄道整備の必要性は、これまで既存路線の混雑緩和、あるいは通勤・通学需要に対応するといった主としてラッシュアワーでの対応が、それも量的な対応が中心でございましたが、鉄道計画を検討するに当りましては都市の利便性を向上させるためには、交通計画と土地利用計画が密接に関連して進むと、こういうことが最も重要なテーマであると認識しております。そういった観点から申しますと、ただいま委員がご指摘になりましたように、需要を喚起するための路線も必要ではないかというところにつきまして、これは鉄道整備を行なうことによりまして望ましい土地利用を誘導するということにつながるものというふうに思っております。今年度から、いよいよ始まりました中之島新線につきましては、この要素が多分に入っているというふうに考えております。大阪市といたしましても、都市の環境問題でございますとか、高齢者等の移動の自由度をさらに確保するといった今日的な課題も考えていく必要があると思っておりまして、鉄道ネットワークとまちづくりのあるべき姿、鉄道に対する市民の幅ひろいニーズ等を勘案しながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。次期交通政策審議会に向けましては、以上のような検討とともに、市民の利便性はもとより、大阪市を訪れる方々を市内のいろんな場所に誘導することができますように、さらに需要喚起といった視点を加味した長期的なまちづくりの観点から、大阪の活性化が図られますように検討を深めまして、来るべき審議会に臨む準備をしてまいりたいというふうに考えております。