大阪維新の会 大内けいじ 大阪市会議団

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掲載日 2012年03月18日
H.24.2.22
民生保健委員会
【陳情書に対する環境局長見解表明】  環境局関連の、東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理に係る陳情書、計22件につきまして、見解を申し上げます。

 昨年3月に発生した東日本大震災におきましては、地震による大規模な津波により膨大な災害廃棄物が発生しております。被災地の復旧・復興のためには、災
害廃棄物の迅速な撤去・処理が大前提であるため、環境省から『東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理の推進に係るガイドライン』等が示され、災害
廃棄物の広域処理が円滑に進むよう、全国自治体に協力要請があったところでございます。     被災地での災害廃棄物の処理についてでございますが、岩手県及び宮城県において、県内施設を最大限活用するとともに、新たに仮説焼却炉も設置して処理が進
められております。それでもなお目標年度である平成26年3月末までに処理を完了させることが困難であるため、広域処理が依頼されており、その希望量は、
岩手県で57万トン、宮城県で344万トン、両県の合計401万トンとなっております。
 一方、震災直後の福島第一原子力発電所の災害の影響により、福島県以外の被災地の廃棄物にも、放射性セシウムが含まれているものもあることから、全国的には、まだ広域処理が進んでいない状況であります。     環境省では、原子力安全委員会の考え方や災害廃棄物安全評価検討会での検討を踏まえ、放射能濃度が8,000Bq/kg以下の廃棄物については、通常行わ
れている処理方法により、周辺住民、作業者のいずれにとっても安全に処理することが十分可能であることを確認し、広域処理の対象としている岩手県及び宮城
県沿岸部の災害廃棄物については、廃棄物処理法の規制を遵守することにより、安全に処理ができるものとしております。     現時点における広域処理の状況でありますが、昨年11月より、東京都で岩手県宮古市の災害廃棄物について、民間の事業者により処理が行われ、12月には、
東京二十三区清掃一部事務組合で、宮城県女川町の災害廃棄物の試験焼却が行われました。その結果は、おおむね20%の混合比率で焼却した結果、法令等に適
合した処理ができ、また、ごみ焼却の状況は、通常のごみ焼却時と同程度であったと公表されております。
 また、本年2月16日及び17日には、静岡県島田市におきまして、試験処理ができるものとしております。    本市では、一般廃棄物の焼却灰は、大阪湾にあります本市所有の北港処分地と、近畿2府4県168市町村で構成される大阪湾広域臨海環境整備センターで、いずれも海面埋立処分場で処分しております。また、浸出水の処理水は外海へ放流しております。
 現時点では、環境省のガイドラインにおいて、海面埋立が想定されていないなど課題があるため、災害廃棄物については受け入れておりません。     災害廃棄物の受け入れにつきましては、大阪府において、府域で受け入れる際の処理指針を策定するため、「大阪府災害廃棄物の処理指針に係る検討会議」が昨
年9月に設置され、12月14 日まで計6回の検討会議が行われました。これを受けて、12月27日には、大阪府が「大阪府域における東日本大震災の災害廃棄物処理に関する指針」を策定
したところでございます。
 この指針につきましては、「受入れの目安値を1キログラム当たり100ベクレルとし、焼却に伴い発生する焼却灰等を埋立の目安値1キログラム当たり
2,000ベクレル以下で適正に処分する」とする一方で、水面における埋立処分の取扱いについては、国から処理基準について具体的な見解が示されていない
ことから、今後、それが示された段階で、専門家の意見を聞き、処理方法について取りまとめることとするとしております。    なお、本指針に関しましては、本年1月18日、大阪府により、府下市町村等に対する説明会が開催され、市町村等が受け入れる場合には、当該基準に基づき実施するよう求められたところでございます。     一方、本市におきましては、環境省のガイドライン等において、海面埋立に係る安全性の基準が明確になっていないことから、昨年12月16日に大阪府と連名
で、国が責任をもって具体的な基準等を示すよう、環境省に対して要望したところです。あわせて、埋立処分場における跡地利用の制限及び売却に関すること、
一般廃棄物焼却施設における作業者の労働安全衛生対策に関すること、及び処理に係る技術の確立等に関することといった、災害廃棄物の広域処理に係る課題の
整理について申し入れております。
 加えて、12月21日には、市長も細野環境大臣に直接会い、安全基準の明確化について要請を行ったところでございます。     さらに、本年2月2日には、環境省に対し、災害廃棄物の広域処理を検討するにあたっては、海面埋立処分場など大阪府域特有の課題があり、安全性の確認が最
も急がれることから、特に、海面埋立処分場における安全性の評価基準について、国において、統一的な安全性の評価に係る考え方を示し、そのうえで、大阪府
域特有の条件を勘案した個別の安全評価を行うことなど、改めて要望を行ってまいりました。
 この海面埋立処分場に係る個別評価については、2月20日に、環境省、独立行政法人国立環境研究所及び大阪府が、北港処分地の現地視察を行い、本市からは必要なデータの提供を行うなど、個別評価に関して検討に入ったところでございます。     また、一般廃棄物処理施設の作業者に係る労働安全衛生対策についてでございますが、8,000Bq/kgの焼却灰を埋立処分する場合、周辺住民よりも被ば
くしやすい作業者であっても、その被ばく線量は原子力安全委員会の目安であり、公衆被ばくに対する線量限度でもある1mSv/年を下回る、0.78mSv
/年であることが確認されております。
 このように8,000Bq/kg以下の焼却灰については、周辺住民、作業者のいずれにとっても安全に埋立処分することができるものとなっておりますが、
先程も申し上げましたとおり、大阪府の指針におきましては、この埋立する焼却灰の目安値を、更に厳しく1キログラム当たり2,000ベクレルとしておると
ころでございます。     本市におきましては、国のガイドラインや大阪府の指針等に基づき、本市における処理施設の状況等を十分に勘案し、より厳格に放射能濃度等の測定箇所や頻度
等を設定したうえで、作業環境管理を徹底するよう、本市独自の労働安全衛生指針の策定も進めているところでございます。    いずれにいたしましても、被災地の早期復興に向けては、災害廃棄物の広域処理に係る支援が不可欠でございます。また、一方で、市民の安全・安心の確保も重大な責務であり、災害廃棄物の受け入れについては、安全を確認することが最重要課題であると考えております。
 あわせて、環境省や大阪府等、各関係機関との協議や検討の経過等については、適宜、情報を大阪市のホームページなどを通じて開示してまいります。    今後も、引き続き、大阪府、兵庫県、京都府、政令市等とも連携して、広域的な視点に立って議論を進めてまいります。    また、今回の陳情にございます「災害廃棄物の広域処理」以外の支援につきましても、本市といたしましては、被災地の復興支援に向けて、個別・具体的な要請があれば、関係局と協議し可能な限り支援をしていきたいと考えております。    以上、見解を申し上げました。
 何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。  


大内議員から環境局に質問
 現在、東京都において災害廃棄物の受入・処理を実施しているようであるが、その内容について、次のとおり質問があるので、文書にてご回答願いたい。
 
1. 東京都営のゴミ焼却工場で瓦礫の焼却処理をしているのか。
しているのであればどこの工場で処理をしているのか。
していないとすればどこに依頼をしているのか。
 
(回答)
昨年12月に、東京二十三区清掃一部事務組合で、宮城県女川町の災害廃棄物の試験消却が行われました。(大田清掃工場及び品川清掃工場)
 
本年2月に、住民説明会が開催されており、本年3月以降、平成25年3月まで、稼働中の全清掃工場において受け入れる予定となっております。
*別紙:『宮城県女川町災害廃棄物試験焼却結果等について』参照
 
2. セシウムなどの放射性物質の拡散について、東京都の正式な見解を知りたい。
また、その科学的根拠について知りたい。
 
(回答)
試験消却は、大田清掃工場及び品川清掃工場において行われており、その結果は、おおむね20%の混合比率で焼却した結果、法令等に適合した処理ができ、また、ごみ焼却の状況は、通常のごみ焼却時と同程度であったと公表されております。
*別紙:『宮城県女川町災害廃棄物試験焼却結果等について』参照
   :『放射線量等についてよくいただく質問と回答』のA3参照
   
 
3. 東京都の瓦礫焼却処理過程での放射性物質の飛散に対する実証データがほしい。
 
*別紙:『宮城県女川町災害廃棄物試験焼却放射能測定結果(概要)』参照
   
 
4. 中央防波堤とはどういうところか
 
*別紙:パンフレット参照
 
 
5. 放射能の能力を測定しているが、ガンマー線なのか、アルファー線なのか、ベーター線なのか。
 
(回答)
ある物が持つ放射能の能力(強さ)は、1秒間に何個の放射線が放出されるのかを表した数値であるベクレルで表されます。
 
セシウムは、ベータ線及びガンマ線を放出します。
 
東京二十三区清掃一部事務組合が測定に利用している装置は、ゲルマニウム半導体検出器と呼ばれるもので、放射性物質の種類ごとに放射能濃度を測ることができます。
 
ゲルマニウム半導体検出器では、ガンマ線のエネルギー分布を測定することにより、放射性物質の種類ごとに放射能濃度を測ることができます。
 
*別紙:『放射線量等についてよくいただく質問と回答』のA5参照
 
 
6. 放射線を出している物質は何なのか
(ヨウ素?、セシウム?、ストロンチウム?、プルトニウム?)
 
(回答)
「大阪府災害廃棄物の処理指針に係る検討会議」の第6回検討会議資料(別紙参照)によりますと、以下のとおりとなっております。
   
こういったことから環境省は、災害廃棄物の広域処理に関して、放射性セシウムを支配的な核種としております。
   
まず、福島第一原発から20~30km圏内で空間放射線量率の高かった土壌から、ウランやプルトニウムが検出されましたが、ウランの存在比は自然界と同程度であり、プルトニウムは、そのレベルが事故前の範囲内であり、事故によるプルトニウムの飛散はなかったとされております。
   
また、福島県内の焼却施設の飛灰の分析結果からセシウムに加え、テルルと銀が検出されたが、検出濃度やクリアランスレベルを勘案して、セシウムを支配的な核種としてよいとされております。
   
福島県内の土壌モニタリング結果では、ストロンチウムが検出されているが、濃度はごく微量であります。
 
 
7. 排ガスから放射能はもれないのか
 
(回答)
東京二十三区清掃一部事務組合での試験焼却結果では、不検出でした。
*別紙:『宮城県女川町災害廃棄物試験焼却放射能測定結果(概要)』参照
 
『第八回災害廃棄物安全評価検討会資料』によれば、周辺監視区域外の空気中の濃度限度は以下のとおりとなっております。
 
これらの濃度限度は、同一人が0歳児から70歳になるま での間、当該濃度の放射性物質を含む排気を摂取したとしても、被ばく線量が一般公衆の許容値(年間1mSv)以下となる濃度として設定されたものである
(放射線審議会基本部会「外部被ばく及び内部被ばくの評価法に係る技術的指針」(平成11年4月))。
 
 

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