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大内委員
 ひとつJRとも粘り強い交渉をしていただいて、ぜひこの要望を実現していただきたい、このように思います。それでは次ぎに水道局の方にお尋ねいたします。先日の委員会における局長の説明によりますと、水道事業の平成12年度の決算は、9億円余りの黒字となっております。しかし、その額は前年度より減っているということでありました。過去、少しさかのぼって調べてみますと、平成9年度以降、結果的には、4年連続の黒字となっているようですが、平成11年度以降は、黒字の額は減っております。市民生活、都市生活を毎日支える水道は、不可欠な都市施設であり、将来にわたっての安定給水確保は重要な課題でありますが、その実現のためには、何よりも経営の安定がかなめとなります。黒字だからといって、安心するのではなく、決算の中身を十分に分析し、これからの経営に生かしていかなければなりませんが、そこでまず、前年度より収支が悪化した要因など、改めて水道事業の平成12年度決算についての概要を簡単に収入と支出の両面からお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。
大門水道局業務部経理課長 お答えいたします。
 平成12年度の経営収支の概要についてでございますが、まず収益では824億6,400万円となりまして、前年度と比べ9億1,900万円、率にして1.1%の減少となっております。その内訳といたしましては、土地売却に伴う特別利益が2億3,900万円増加しましたものの、その大部分を占めます給水収益が、景気低迷の影響などによります水需要の減に伴いまして、前年度に比べ7億8,700万円減少したことなどによるものでございます。また、費用では815億6,800万円となりまして、前年度に比べますと19億6,400万円の収支悪化となっております。
  
大内委員
 
給水収益の落ち込みが大きく、また費用は、人権費が減少しているものの、資本費や物件費が増加しているため、結果的に黒字とはいえ、収支は前年度に比べ悪化しているということであり、厳しい状況と言わざるを得ません。今後も引き続き、収支改善に努力をお願いしたいと思います。また水需要をふやすアイデアを検討したり、より積極的に公共助成の確保を要求していくといった取り組み、公共工事におけるコスト縮減、省エネルギー対策など、さまざまな千恵を絞って、常に新たな取り組みにも努力していってもらえますようにお願いいたします。先般、私も水道局のホームページを見させていただきましたけれども、その中でIT技術を活用して、関西電力と大阪ガスと共同で遠隔自動検針の実証実験を始めたということでございますが、この実証実験の実施に至った経緯、その意義、それから今後の進め方等について、簡潔にご報告いただけますでしょうか。よろしくお願いします。
金原水道局業務部企画主幹
 
お答え申し上げます。共同遠隔検針の実証実験でございますが、平成12年1月に、関西電力と大阪ガスによるPHS網を活用した共同遠隔検針システム研究会が発足いたしまして、平成12年4月からは、2事業者によりまして共同遠隔検針システムの実証実験が開始されました。水道局におきましても、このPHS網を活用した共同遠隔検針システム研究会に、平成12年5月から参画いたしまして、実証実験に向けて鋭意検討を重ねまして、平成12年12月に無線による自動検針の共同運用に関する協定の締結を行いまして、平成13年3月には、共同遠隔検針の実証実験に関する覚書の交換を行い、実験を開始いたしましたところでございます。その意義等でございますが、この実証実験はIT技術を利用した送受信機器を使用して無線により行うものでございます。現在、IT技術の進歩は目覚しく、今後もさらなる技術の進展とともにその技術コストの低減化も期待できるということがございます。それから、この実証実験につきましても、あるいは将来、自動検針を行うこととなりました場合におきましても、水道事業だけで行いますよりも、関西電力、大阪ガス、水道局の3事業者共同で行います方が、コスト面で非常に有利であると考えるということでございます。どういうことかと申しますと、検針データにつきまして3事業者一括で通信ができること、あるいは3事業者のデーテ処理を1センターで運用することが可能であること、このようなことで有利であるというふうに考えております。それから、実証実験の内容がございますが、新たに遠隔検針システム用に開発されたPHSや特定小電力無線を利用したプロトタイル、いわば試作機でございますが、このタイプの無線通信機器を利用して、技術的検証を行うものでございます。実験期間につきましては、平成13年7月から平成15年3月までの約2年間を予定しております。無線を使用するシステムにつきましては、以前は実例がなく、現在実験段階に入ったばかりでございますので、周到な技術面での検証が必要でありますことから、それだけの期間をかけて行うものでありまして、前半は電波の伝わり方や通信データの精度及び通信機器の性能、精度、耐久性、など、種種テスト・検証を行い、後半につきましては、年間を通じてランニングテストを行いまして、季節、気象変化、電波障害などの影響による通信状況の変化などを検証してまいります。実証実験の今後でございますが、技術的検証を行いますこの実証実験を一通り実証いたしまして、以後、実験全体のデータ整理、分析を行いまして、通信の正確性や機器の信頼性を確立した後に、モデル的に設定する住宅を対象に実用化の試行を行ってまいりたいと考えております。この試行と並行いたしまして、自動検針化につきましてどのような効果があるのか、技術面、業務の運用面、コスト面で精査・検討を行いまして、また、共同運用をどのような方法により行っていくのかにつきまして、関西電力、大阪ガスとの3者で、種種調整・協議を重ねまして共同遠隔自動検針の実現に向けて努力してまいりたいと思っております。なお、今後これらのことを進めていくのに際しましては、IT技術の進歩や社会情勢の変化を的確に見きわめながら、着実に進めてまいりたいと考えておる次第でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 
大内委員
 
水道局におきましても、市民のニーズ、社会経済情勢の変化、時代の流れを的確にとらえて、新しい技術を活用し、コスト削減や市民サービスの向上に役立て、効率的な事業運営を推進していただきたいと思うわけであります。こういう意味でも、この共同実験を手始めとして今後も積極的に取り組んでいただくようお願いしておきます。これをもちまして私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。