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小西委員長
ただいまから決算特別委員会を開会いたします。本日の記録署名者を広岡委員にお願いいたします。この際、理事者の方々に申し上げます。 答弁を求められた理事者は、答弁者席の前で自己の職・氏名を明確に告げ、委員長の許可を得た後に答弁されますよう、また答弁につきましては、冗談なる答弁を避け、簡潔かつ的確に答えられますようあらかじめお願い申し上げておきます。これより議事に入ります。 付託案件を一括して議題とし、直ちに質疑を行います。大内議員にお願いいたします。大内委員。
大内委員
自民党のトップバッターとして質問させていただきます。それでまず最初に質問に入る前に、昨日の近鉄バッフアローズの12年ぶり4回目の優勝を、まずもって心よりお祝い申し上げたいと、このように思います。私もそのニュースの報道を見てたんですけれども、前年度最下位で、最下位のチームが優勝するというのは、パ・リーグでは初めてだということでございまして、また大阪ドーム周辺の経済効果も含めて、我々も大いに喜んでいるところでございます。それを見ながら思い出した言葉がございまして、上杉鷹山の「為せば成る為さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり」と、この言葉を思い出して、本当にもう一度こういう気持ちで、すべての仕事に取り組んでいきたいなと、このように思った次第でございます。それではまず、最初に交通局の財政問題より始めていきたいと思います。
 
 
先日、比嘉交通局長より平成12年度決算の概要についてご報告頂いたところでありますが、この決算の中身について、この委員会の中でより詳しく議論していきたい思います。
 
 
まず、本市交通事業は、事業収入の根幹である乗車人員が年々減少していることに加え、バス事業において平成14年度2月から需給調整規制が廃止されるなど、市営交通事業がかつて経験したことのなかったような厳しい経営環境に置かれています。
 
 
そのような中での平成12年度におけるバス・高速鉄道事業の経営収支は、前年度に比べてどのようになっているのでしょうか。また、事業の運営に当たって重要な要素である運転資金の残高は、前年度に比べてどうなっているのか確認いたします。よろしくお願いいたします。
西口交通局総務部経理課長 お答え申し上げます。
 平成12年度における両事業の経営収支につきましては、まず自動車運送事業会計では5億7,700万円の赤字ではございますが、前年度に比べますと3億3,000万円の収支改善となっております。これは、乗員人員が1日平均で7,800人減少したことに伴い、約6億円の運輸収入の減少がありましたものの、70歳以上の方に交付しておりますいわゆる福祉バスの発行枚数の増加などによりまして、特別乗車繰入金が約3億円増加しましたことや、規制緩和に弾力的に対応するため、当面の退職補充に当たりまして、正規の職員ではなく嘱託職員わ活用することによりまして、人件費が約2億円減少したこと、また利率の低下に伴いまず支払利息の減少や逓減による減価償却費の減少、さらには土地の売却益である特別利益の増加などがあったことによるものでございます。

 一方、高速鉄道事業会計でも、174億1,500万円の赤字ではございますが、前年度に比べますと35億円300万円の収支改善となっております。これは、乗車人員が1日平均で5万7,000人したことに伴い、運輸収入が約34億円減少しましたが、その他収入でも約3億円の減少がありましたものの、経営健全化計画や新規効率化計画に基づく業務の効率化の推進及び退職人員の減少に伴う退職金の減少によりまして、人件費が約43億円減少しましたほか、利率の低下に伴います支払利息の減少や逓減による減価償却の減少があったことなどによるものでございます。  

 なお、運転資金の状況につきましては、自動車運送事業会計の平成12年度末残高は5億2,500万円でありまして、前年度に比べ4億2,100万円の減少となっております。

 また、高速鉄道事業会計では、年度末残高が55億4,000万円で、前年度に比べ16億9,800万円の増加となっておりますが、これは平成12年度の国家予算の補正に伴いまして、地下鉄建設費補助金の13年度以降交付分18億円につきまして、12年度に一括交付を受けたことなどによるものでございます。

  
大内委員
 
バス、高速鉄道とも営業収支は改善している、こういう答弁だったと思います。しかし、両事業合わせて180億もの赤字を計上しているわけであります。そして、運転資金残高についても、この事業の規模からいいますと、もはや資金的な余裕は全くないと、このように感じるわけでございます。収支が改善しているということは、経営的にいい方向に向かっているということには間違いないでしょうけれども、この改善額、これについて当初予定していた改善額と12年度の予算と決算とを比較して、どのような状況になっているのか、お聞かせ頂きたいと思います。お願いします。
西口交通局総務部経理課長
 
お答え申し上げます。 平成12年度予算と決算の比較でございますが、予算は総計主義の原則に基づきまして、消費税及び地方消費税を含んだ金額で計上いたしておりますが、決算は税抜きのため、双方税抜きの金額によりましてご説明させていただきます。

  まず、自動車運送事業会計では、平成12年度予算におきまして6億5,500万円の赤字を見込んでおりましたが、決算では当年度損益で5億7,700万円の赤字となりまして、予算に比べ7,800万円収支が改善いたしましたものの、土地の売却益を除きました計上損益では6億8,700万円の赤字となり、予算に比べ3,200万円の収支悪化となっております。

 これは、人件費や修繕費などの減少によりまして、費用合計が予算に比べ6億6,600万円減少しましたものの、乗車人員が予算に比べ一日平均で1万2,000人減少したことに伴いまして、運輸収益が約7億円減少するなど、収益合計が6億9,800万円減少したことによるものでございます。また、高速鉄道事業では、12年度予算におきまして152億1,900万円の赤字を見込んでおりましたが、決算では174億1,500万円の赤字となりまして、予算に比べまして21億9,600万円の収支悪化となっております。これは、退職人員の増減などにより、費用合計が予算に比べ43億1,500万円減少しましたものの、乗車人員が予算に比べ1日平均で9万1,000人減少したことに伴いまして、運輸収益が約55億円減少するなど、収益合計が65億1,100万円減少したことによるものでございます。

 
大内委員
 
この前年度決算との比較では、収支は改善しておりますけれども、予算と比較すると経常ベースで収支が悪化しているということであります。 この原因は、説明にもありましたように、乗車人員の減少が大きく、バスでは1日平均で12,000人、高速鉄道で91,000人と、両事業合わせて10万人を超える減少となっているわけであります。これでは予算の見込み方が甘すぎたとしか思えないわけでございます。昨年の決算委員会の中でも述べておられましたけれども、その中で乗車人員が増加するということがそこで述べられておったわけですけれども、しかし、この結果を見ますと、1日平均で10万人の減少ということになっております。

 これを私も年度別で見てみましたけれども、例えばバスでは、平成8年のときには1日平均乗車人員が約32万人おりました。平成12年度では、これが28万2,000人ということで、1日当たりで約6万人も減少してきております。そしてまた、地下鉄の方を見ましても平成8年のときには1日当たりの乗車人員が271万人おりました。それが、平成12年では1日当たりが246万人ということで、これも平成8年と比較すると約25万人。両方合わせますと、1日当たり約30万人近く、平成8年と比較すると減少してきている。

 この減少傾向は、年々そういう形で続いておりまして、平成8年の指数を100と計上しておりますけれども、例えば、バスでは、平成8年が100、9年が95、10年が93、、平成11年が91、そして平成12年は88と。地下鉄では、平成8年が100、9年が99、97、98、そして平成12年が91と非常に乗車人員が減少してきている。これは事業収入の根幹でありますので、経営に深刻な影響を与えているわけでありますけれども、この乗員人員の減少の要因は、何だと考えているんでしょうか。それとまた、減少傾向に歯止めをかけるために、どのような取り組みをされてきたのか、そこら辺のことをちょっとお聞きしたいと思います。

有馬交通局総務部企画主幹
 
乗員人員の減少要因についてのお尋ねでございますが、いろいろな指標を見ておりますけれども、例えば百貨店の販売総額でございますとか、そういったものが減少しておりましたり、失業率が増加しているというような指標が示しております景気の低迷、また、学生数の減少が示しております少子化の進展、それから携帯電話・パソコンなどの普及などが示しております情報通信化の進展などのほか、完全週休2日制の普及率が上昇しておりましたり、自家用自動車保有台数が増加しておりましたりいたしまして、こういうものが要因であると考えているところでございます。現在のこのような社会経済情勢を勘案いたしますと、早急な乗客の増加は期待できないものと考えておりますけれども、そのような中でも1人でも多くの方に市営交通を御利用いただけますよう、さまざまな利用促進策に取り組んでいるところでございます。

 具体的に申し上げますと、これまでも取り組んでまいりました駅構内でのレインボーカードなどのワゴンセールなど、乗車券の販売促進策でございますとか、児童絵画コンクールなど、市営交通に親しんでいただくための施策につきまして、引き続き取り組んでまいりたいと、このように考えております。また、近年、潜在需要を喚起いたしますために、ほかの電鉄会社と当局の乗車券のセット商品や、また、市営交通関連グッズの企画に積極的に取り組んでいるところでございますが、お客様から御好評をいただいておりまして、販売額も着実に増加いたしておりますことから、今後も重点的に取り組んでまいりたいと考えております。さらに、企画乗車券・グッズ販売につきましては、魅力ある商品の開発とともに効果的な販売促進活動、これが重要であると認識しておりまして、増収に結びつくような販売促進活動のあり方自体についても検討を行ってまいりたいと考えております。

 今後、民間のノウハウなども積極的に取り入れるなど、増収につながるあらゆる可能性を検討してまいりたいと考えております。

 
大内委員
 
乗車人員の減少に対する分析は、多分、昨年もその前も同じような答弁ではなかったかと思うんですけれども、そういう分析に基づいて予算も立てられていると思うんですけれども。例えばバスで見ますと、平成12年度の予算と決算とでは約72,900万円の見込み違い、それと地下鉄においては、運輸収入で551,900万円の見込み違いということで、これだけ予算と決算との間の見込みが違うということは、私は分析能力に問題があるのか、それとも、いろいろ改善策をやってきたけれども追いつかなかったのか。そこら辺を予算の段階から、しっかりとした見きわめをして予算を立ててほしいなと、このように思います。それと次に、先ほどの説明によりますと、高速鉄道事業では、運輸収入以外の収入も前年度に比べて減少しているということであります。交通事業の収入は、運輸収入だけではなく広告料収入や賃貸料収入など附帯事業収入も含め、あらゆる面で収入の確保に努めていくことが必要であると思いますが、どのような項目が、どのような原因で、いくら減少しているのか、お聞かせ頂けますでしょうか。
西口交通局総務部経理課長
 お答えもうしあげます。高速鉄道事業会計におけます運輸収入以外の収入につきましては、平成12年度では1533,300万円となっておりまして、前年度に比べ32,100万円減少いたしております。これは、広告料収入の増加などがありましたものの、港営事業会計からのニュートラムの経営の健全性を維持するため、南港の開発者である港湾局から、総建設費の一定割合から生じる元利償還金につきまして繰り入れを受けることとされておりますほか、開業後の設備増強に対応するための開発者負担金を受け入れているものであります。

 港湾局は、この負担金の財源としまして、埋立地の分譲収入を充当することといたしておりましたが、不況や不動産市況の低迷により埋立地の分譲が進まないことから、港湾局から12年度に交付を受ける予定の負担金の一部にちきまして、後年度に交付を繰り延べてほしい旨の依頼がございまして、やむを得ず土地売却益の見込まれます平成15年度までの交付繰り述べに応じざるを得なかったものでございます。ただし、15年度までに土地売却益等による資金調達が見込まれます場合につきましては、早期の繰り入れにつきまして適宜協議することといたしておりまして、当局としましては、予定どうりの負担金総額の確保に努めてまいりたいとかんがえております。

 
大内委員
 
乗車人員の減少に対する分析は、多分、昨年もその前も同じような答弁ではなかったかと思うんですけれども、そういう分析に基づいて予算も立てられていると思うんですけれども。例えばバスで見ますと、平成12年度の予算と決算とでは約7億2,900万円の見込み違い、それと地下鉄においては、運輸収入で55億1,900万円の見込み違いということで、これだけ予算と決算との間の見込みが違うということは、私は分析能力に問題があるのか、それとも、いろいろ改善策をやってきたけれども追いつかなかったのか。そこら辺を予算の段階から、しっかりとした見きわめをして予算を立ててほしいなと、このように思います。それと次に、先ほどの説明によりますと、高速鉄道事業では、運輸収入以外の収入も前年度に比べて減少しているということであります。交通事業の収入は、運輸収入だけではなく広告料収入や賃貸料収入など附帯事業収入も含め、あらゆる面で収入の確保に努めていくことが必要であると思いますが、どのような項目が、どのような原因で、いくら減少しているのか、お聞かせ頂けますでしょうか。
西口交通局総務部経理課長
 
お答えもうしあげます。高速鉄道事業会計におけます運輸収入以外の収入につきましては、平成12年度では153億3,300万円となっておりまして、前年度に比べ3億2,100万円減少いたしております。これは、広告料収入の増加などがありましたものの、港営事業会計からのニュートラムの経営の健全性を維持するため、南港の開発者である港湾局から、総建設費の一定割合から生じる元利償還金につきまして繰り入れを受けることとされておりますほか、開業後の設備増強に対応するための開発者負担金を受け入れているものであります。

 港湾局は、この負担金の財源としまして、埋立地の分譲収入を充当することといたしておりましたが、不況や不動産市況の低迷により埋立地の分譲が進まないことから、港湾局から12年度に交付を受ける予定の負担金の一部にちきまして、後年度に交付を繰り延べてほしい旨の依頼がございまして、やむを得ず土地売却益の見込まれます平成15年度までの交付繰り述べに応じざるを得なかったものでございます。ただし、15年度までに土地売却益等による資金調達が見込まれます場合につきましては、早期の繰り入れにつきまして適宜協議することといたしておりまして、当局としましては、予定どうりの負担金総額の確保に努めてまいりたいとかんがえております。

大内委員
 
運輸収入以外の収入は、厳しい経営状況にある交通事業にとっては、貴重な収入源であります。どうか、港湾局の方からもその他の会計からも、負担金についても予定どうり確保されるように努めていただきたいと、このように思います。それでは次に、これまで収入面を中心に議論をしてまいりましたけれども、これからは支出面を中心に取り上げていくことといたします。まず、交通局では、バス・高速両事業ともに経営健全化計画や新規効率化計画に基づき、業務の効率化を推進しているということですが、これらの効果は、平成12年度決算にどのように反映しているのかお尋ねいたします。
新谷交通局総務部長
 
業務の効率化の効果についてのお尋ねでございますが、バス事業におきましては、経営健全化計画に基づきまして、平成5年度から11年度までに348名の効率化を実施することといたしておりましたが、営業所の統合のおくれがございまして5人の効率化が未実施となりましたものの、おおむね計画どおり343名の効率化を実施したところでございます。高速鉄道事業におきましては、経営健全化計画に基づきまして、平成7年度から11年度までに当初計画どおり1,533名の効率化を実施いたしました。さらに、平成10年度から13年度までを計画期間といたしまして、248名の効率化を予定しております新規効率化計画に取り組んでいるところでございまして、平成12年度までに204名の効率化を実施いたしておりまして、合わせまして1,737名の効率化を行ったところでございます。これら計画の推進に伴います費用削減の平年度効果を、平成12年度で見てみますと、バス事業におきましては343名の効率化分といたしまして約1,737名の効率化分として約102億円となっておるところでございます。
大内委員
 経営健全化計画やこの新規効率化計画に基づき懸命の努力をされて、その結果、平成12年度決算は、11年度までの効率化による効果が人件費の減少としてあらわれており、その効果は大きいと言えると思います。しかし、高速鉄道事業では、運輸収入に占める資本費の問題、これが非常に高い割合となっております。これが経営を圧迫しているわけでございまして、ちなみに、この運賃収入と資本費の比率がパーセンテージででておりますけれども、大阪市は49.8%です。これはまだ比較するといい方なんですけれども京都市は153%という状態でございます。また、仙台とか札幌は114%というふうな、非常に運輸収入に占める資本費の割合が高くなっております。さらに、資本費の中でも支払利息についてですけども、最近では、低金利時代を反映して発行した7%を超えるような企業債がまだ多く残っております。例えば、大阪市の高速鉄道事業会計では、まだ7%台のが774億円です。8%台も146億円ということですね。6%台が999億円と、こういうふうな数字が出ておりますけれども、こういう高い金利の企業債を低い金利のものに借りかえることができれば、大幅に経営収支の改善が図れると思うわけですが、こういった借りかえはできないのかどうか、ちょっとお聞きいたします。
新谷交通局総務部長
 私どもの交通事業財政、乗車人員の減少などによりまして、大変厳しい状況が続いておりまして、そのためには、効率化努力を初めとするあらゆる努力を払ってまいらなければならないと考えております。その中で、特に高速鉄道事業におきましては、委員御指摘のように、資本費負担の軽減といったことも重要な課題であると認識しておりまして、私ども、平成12年度におきましてもこの支払利息も356億円と、依然として大きなウエートを占めておる訳でございます。この企業債を償還期限の途中で低金利の企業債に借りかえることにつきましては、まず政府債でございますが、これは財政融資資金とか簡保資金をそのもととしてございますが、これにつきましては民間債に比べまして、低金利で償還期限も長い良質な資金であること、またさらには、郵便貯金、厚生年金といった国民の貴重な財産が原資となっておりまして、これらの資金の運用は確実かつ安全な方法により行う必要があることなどから、現在のところ認められてございません。公営企業金融公庫債につきましても、旅客運輸収益に対する資本費の割合が全国平均以上の地下鉄事業におきましては、利率が年7%以上の企業債を対象に借替債の発行がみとめられてございますが、大阪市におきましては、同比率が全国平均を下回っておりますため、この対象とはなってございません。また、市場公募債につきましては、市場に流通しておりますことから償還期限内に借りかえることはできませんが、満期、これは10年でございますが、それが到来したものにつきましては、その都度一部を借りかえておりますため、現在借りかえを行っておりますものにつきましては、超低金利時代を反映しまして、結果的に将来の利子負担の軽減につながっておるところでございます。

 このように、一部を除きましてこれまでに借り入れた企業債の借りかえは、原則として認められておりませんが、高金利の企業債の借りかえを行うことができますれば、巨額の利子支払いが多大な負担となっております高速鉄道事業の経営改善を図る上で、大いに効果があると考えてございますので、毎年の国家予算要望時に国費に対して、政府債等の発行条件の改善、借りかえ措置の拡充を要望しておりまして、今後も引き続き市会の皆様のお力添えも得ながら、強く働きかけてまいりたいと考えてございます。