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掲載日 2008年04月18日
「アジア太平洋トレードセンター(株)(ATC)については現行資料及び20年度予算想定資料(現行から7.3%引下げ)でも、現行の入居条件等がそのまま30年間継続されれば、特定調停時の再建計画に沿った営業が可能とのシミュレーション結果となった」
(株)大阪ワールドトレードセンター(WTC)のシミュレーションについて
(1)シミュレーションの結果
今年6月末の裁判の結果次第では平成20年度に資金ショートする可能性があります。
シミュレーション結果
現状入居率の場合
(80%)
現行賃料継続
4,700円の場合
22年度に資金ショート
最終年度(平成55年度)資金不足額
156億円
平成20年4月から
4,300円(▲8.5%)
に引下げた場合
21年度に資金ショート
最終年度(平成55年度)資金不足額
207億円
平成20年4月から
2,500円(裁判鑑定額)
に引下げた場合
20年度に資金ショート
最終年度(平成55年度)資金不足額
464億円

*金利は特定調停時の想定金利を適用した


WTC これからの処理策
内容
(1)法的整理 – 会社更生法の場合
* 法的整理には、会社更生法の他、民事再生、特別清算、破産等の手続きがある。会社更生法はその一例。
・会社更生法の申請
・100%減資・スポンサー招聘(代表的な例)
・一般債権者を含む大幅な債権カット
・スポンサー出資額 = 物件価値 – 残存債権
・大阪市は債権カット額に対して損失補償(損失補償額が確定しない場合、更生計画が承認されない可能性)
(2)法的整理 – 破産の場合 ・事業再生を断念し大阪市は当該事業より撤退
・破産管財人が資産処分(建物他の売却)を実施
・売却先・売却価格・売却時期等の決定は管財人主導
・共益費用や税金等を控除した売却代金を担保権者に配当し、手続き完了
・大阪市に損失補償義務あり
(3)再調停 ・現行の調停内容を当事者間の合意により修正・変更
・債務の再カット
・大阪市による債権引受(もしくは追加出資)
(4)プレパッケージ私的整理
(「受け皿」による債権買取)
・「受け皿」が債権者金融機関から「市場価格」で債権を買取
・市場価格:物件価値や残債務(現在価格・リスク等)で形成される
・金融機関は債権売却損計上により損失確定
・「受け皿」:物件をスポンサーに売却
・大阪市:債券価格から物件価格を引いた分を負担
・スポンサーへの営業譲渡や特定調停との併用可能
(5)株式会社地域力再生機構の活用
* 地域力再生機構は本年夏頃の設立が見込まれているが、出資金300億円の調達・人材確保、法案の承認等、調整が続いている。同機構は設立から原則2年後を(債券)買取時限とし、それから3年以内に業務を終了させる時限組織になる見込み。
・民営化が大前提(=物件ないし株式の売却)
・機構が「再生計画」を策定 事業スポンサーを入札により選定(機構の出資も)
・機構が金融機関と債券放棄を含む交渉を実施し、債券を買取
・スポンサーないし新取引金融機関によるリファイナンス
・大阪市負担:機構の「再生計画」の中で決定される
(6)大阪市による物件買取 ・大阪市が時価で物件買取
・売却代金は金融機関からの借入の弁済に充当
・残債に対し、大阪市の損失補償義務あり
・買取後、当該ビルは大阪市での利用を検討
(7)条件変更 ・大阪市関係ほかの追加移転等により稼働率を100%近くに高める
・支出構造を抜本的に見直し、経費率を限界的に圧縮
・無理のない元利払水準を見定め、債務圧縮や償還年数の延長
・市補助金(追加出資)による経営安定化の検討

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