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掲載日 2011年01月14日
大阪市長 平松邦夫様 大阪維新の会大阪市会議員団
幹 事 長 東 貴之
政調会長 大内 啓治 平成23年度大阪市予算編成に関する要望書  大阪市の現状を考えるとき、平成22年度予算では、元年度予算に比較して法人市民税は 6割も減少する一方、扶助費は2.7倍と大幅に増大している。また、平成22年度決算と比較しても法人市民税は41%の減、扶助費は23%の増となってい
る。今年2月に出された中期的な財政収支概算によると、平成27年度には1900億円の収支不足に陥り、財政再生団体へ転落すること、平成30年度には収
支不足が2700億円まで拡大するという財政の見通しが示された。この収支不足改善策については早急に取り組まなければならない。
 我が大阪維新の会では、基礎自治体と広域自治体の業務を分類し、行政コストを縮減することによって、行政の効率化及び事業の充実、市民生活の向上に努め
るべきだと考える。基礎自治体は教育、保健、医療、福祉、コミュニティ、まちづくり等を行い、広域自治体は、安全・安心に関する事業、産業振興、都市基盤
整備、文化・芸術・学術の振興等が主な業務になる。二重行政を解消すれば、行政コストの削減、職員数の削減が可能となり、財政再建に寄与するだけでなく、
教育・科学技術の振興等の分野への新たな投資への効果が生まれると考える。行政の効率的な経営、自治体の競争力の強化及び市民生活の向上に対し非常に寄与
することがはっきりしている。基礎的自治体と広域自治体の事業の選別は極めて重要であると考える。
 この観点から、平成23年度予算を編成するにあたり、我が大阪維新の会大阪市会議員団は財政再建そして市民が求める必要な施策の確実な実行のため以下の諸点につき、特に必要な施策について項目を絞った上で強く要望するものである。


I.経費節減について

1.外郭団体
 外郭団体を思い切って見直すことを要望する。要望の詳細な内容は以下の通りである。
補助金を削減し、大阪市が出資している株式会社については株式を売却し、完全民営化すること。
監理団体の財務状況や保有財産を厳しく分析し、余剰資金を大阪市へ返還させること。
外郭団体に天下っているOB職員を厳しく見直し、大阪市の素案で示された本市OBの39ポストについてもう一度精査するとともに、その役員については積極
的に民間人を登用すること。特に、交通局所管の交通サービス株式会社、水道局所管の株式会社大阪水道総合サービスの65歳以上のOB社員を早期に整理し、
若年層の雇用につなげること。
   
外郭団体の随意契約については5年間で50%の削減となっているが、早期に全てを入札制度に改めること。
   
派遣職員については、22年度315人の職員全てを削減すること。
   
  また、以下の基準に従って、早期に外郭団体の在り方を見直すことを要望する。

■ 監理団体42団体、事業関連団体15団体、合計57団体について
廃止→9団体
解散→2団体
売却→2団体
統合→4団体
民営化→14団体
株式会社化→2団体
存続→10団体
広域化→7団体
保留→5団体
対象外→2団体


▼監理団体

○政策企画室
 (財)大阪国際交流センター→統合
○市民局
 (財)大阪市女性協会→廃止(但し市民局男女共同参画課で事業継続)
 (財)アジア・太平洋人権情報センター→廃止
○契約管財局
 (株)大阪市開発公社→完全民営化
 大阪市土地開発公社→解散
○計画調整局
 (財)大阪市都市工学情報センター→廃止(但し、必要な事業は局で継続)
 (株)港町開発センター→存続(特定調停のため)
 大阪外環状鉄道㈱→広域化(府市再編後広域に一元化)
○健康福祉局
 (社福)大阪社会医療センター→存続(但し、事業補助のみ)
 (財)大阪市救急医療事業団→広域化
○ゆとりみどり振興局
 (財)大阪市スポーツ・みどり振興協会→廃止
 (財)大阪城ホール→株式会社化
 (財)大阪二十一世紀協会→対象外(既に自立しているため)
 (財)大阪市博物館協会→存続
 (財)大阪科学技術振興協会→存続
○経済局
 (財)大阪国際経済振興センター→経営形態の見直し
 大阪市信用保証協会→府との統合
 (株)大阪マーチャンダイズ・マート(人的関与の見直し)
 アジア太平洋トレードセンター(株)→存続(特定調停のため)
 (株)大阪鶴見フラワーセンター→売却
 大阪市商業振興企画(株)→売却(平成28年度以降)
○環境局
 (公財)地球環境センター→存続(公益法人格の取得済)
 (財)大阪環境事業協会→廃止
○都市整備局
 大阪市住宅供給公社→存続(広域化を目指す)
 (財)大阪市建築技術協会→廃止(工事業務は都市整備局へ、契約に関しては契約管財局へ)
 (財)大阪市都市建設技術協会→廃止
 大阪市街地開発(株)→完全民営化(人的関与の見直し及び株式売却)
○建設局
 大阪市道路公社→解散
 大阪地下街(株)→完全民営化(人的関与の見直し及び株式売却)
 クリスタ長堀(株)→存続(特定調停のため)
 (財)大阪市下水道技術協会→民営化
○港湾局
 (財)大阪港埠頭公社→経営形態の見直し(株式会社化へ)
 大阪港埠頭ターミナル(株)→民営化
 大阪港木材倉庫(株)→民営化
 (株)大阪港トランスポートシステム→完全民営化
 大阪ウォーターフロント開発(株)→将来は民営化(当面は人的関与の見直し)
○消防局
 (財)大阪市消防振興協会→広域化(当面は事業補助)
○交通局
 交通サービス(株)→当面存続(雇用促進を図る)
 大阪運輸振興(株)→当面存続(バス運転手人件費の統一)
 (株)大阪メトロサービス→完全民営化(事業の即時売却)
○教育委員会事務局
 (財)大阪市教育振興公社→廃止
 (財)大阪国際平和センター→広域化
▼ 事業関連団体

○市民局
 (社)大阪市人権協会→対象外
○健康福祉局
 (財)大阪市民共済会→組織形態の見直し(天下りの禁止)
 (社福)大阪市社会福祉協議会→組織形態の見直し(区社協とともに見直し)
 (社福)みおつくし福祉会→存続(天下りの禁止、事業補助を行う)
 (社福)大阪市障害者福祉・スポーツ協会→事業統合(事業補助を行う)
 (財)大阪市身体障害者団体協議会→事業統合
 (社)大阪市老人クラブ連合会→保留
 (社)大阪生活衛生協会→関与の見直し
 (財)大阪バイオサイエンス研究会→広域化
○こども青少年局
 (財)大阪市青少年活動協会→保留
○経済局
 (財)大阪市中小企業勤労者福祉サービスセンター→保留
 (財)大阪市都市型産業振興センター→広域化
○港湾局
 (社)大阪港振興協会→広域化
 (社)大阪市清港会→経営形態の見直し(株式会社化へ)
○教育委員会事務局
 (財)大阪市学校給食協会→廃止


2.定数削減

経営形態を見直し、職員定数の大幅削減を実施するべきである。
  (1)交通事業の民営化
  (2) 水道事業の企業団化
  (3) ごみ焼却場の企業団化   など
II.景気対策について

1. 固定資産税等の減免
   一昨年のリーマンショックに端を発し、いまだ閉塞感漂う厳しい社会経済情勢の続く今こそ、市民の幅広い層に希望を抱かせる施策が必要である。そのため
に、東京都と同様の小規模住宅用地及び小規模非住宅用地に対する固定資産税・都市計画税の減免を講ずるよう要望する。次ページにその試算を掲載しておく。
また、法人市民税については5%を目途に減税を行うこと。


A.北区・天神橋筋商店街付近

想定
地績 100m2
平成21年度正面路線価525千円
   


小規模非住宅用地に対する固定資産税・都市計画税の2割削減
軽減前 軽減後 軽減額
固定資産税 395,500円 316,400円 79,100円
都市計画税 84,700円 67,700円 17,000円
合計 480,200円 384,100円 96,100円
   


小規模非住宅用地に対する都市計画税の2割削減
軽減前 軽減後 軽減額
固定資産税 87,800円 87,800円 0円
都市計画税 36,600円 18,800円 18,800円
合計 125,400円 106,600円 18,800円
   


B.此花区・春日出商店街付近

想定
地績 100m2
平成21年度正面路線価228千円
   


小規模非住宅用地に対する固定資産税・都市計画税の2割削減
軽減前 軽減後 軽減額
固定資産税 202,600円 162,000円 40,600円
都市計画税 43,400円 34,700円 8,700円
合計 246,000円 196,700円 49,300円
   


小規模非住宅用地に対する都市計画税の2割削減
軽減前 軽減後 軽減額
固定資産税 48,200円 48,200円 0円
都市計画税 20,600円 10,300円 10,300円
合計 68,800円 58,500円 10,300円
   
III.福祉について

1.生活保護
   中期的な収支均衡に向けた対策のフレームとして、平成30年度までの 累積収支不足額約2700億円の解消を図るため、年間で約300億円の削減を目標とし、その対応として市長は「生活保護費の措置不足解消」150億円を求
めている。その実現に向けて最大限の努力をするべきである。しかし、もし、この予算要望が通らなかった場合、巨額の損失を抱えることは明白であり、財政危
機に瀕している大阪市において、安全・安心な市民生活を揺るがす、まさに驚異となり得る。この生活保護費の措置不足解消150億円が、国から補償されな
かった場合の措置を確実に図られることを強く要望する。
 生活保護制度は、貧困ビジネスの摘発を待つまでもなく、市民の信頼を失っており、適正執行が何よりも必要不可欠である。そのためには受給資格の厳正な調
査と、支給基準の適正執行が求められる。例えば、住宅扶助では賃料が適正か、医療扶助では保護診療と同等の医療がなされているか、高額診療・過剰診療がな
されていないか、また、労働能力があるのに働く意欲がないだけではないのか、偽装離婚ではないのかなど、不正受給を厳正に取り締まるための人員配置及び必
要経費予算計上を強く要望する。


2.乳幼児医療費助成の所得制限の撤廃
   すべての市民が安心して快適に暮らせる社会を作るのは言うまでもな く、少子高齢化社会が急速に進む中、特に子育て世代の支援が重要な課題である。安心して子どもを産み育てることができる社会的環境をつくるという観点、将
来にわたって安全・安心な乳幼児医療を継続して受けられるためにも乳幼児医療費に対する保護者負担の軽減が必要と考えるが、保護者の所得によって助成を受
けられる世帯と受けられない世帯があるのが現状である。
 福祉施策であり、子育て世代の支援をするのであれば、負担の公平性の面からも不公平を是正し、保護者の所得に関係なく乳幼児医療費助成を行うべきであ
る。現在の本市における厳しい財政状況を鑑み、市民生活と経済活動の維持発展、市税収入の面を考慮し、高額所得者の市内定住を促進するためにも乳幼児医療
費助成の所得制限を早期に撤廃されたい。


3.待機児童の早期解消
    市長の公約でもある待機児童(現在205名)の早期解消にも努められたい。これを解消するためには、現在の民間委託ではなく、堺市が採用している公立保育
所の民間への委託を進めることが必要である。また、公立保育所を多くとも35ヶ所の自立支援保育所にとどめ、他はすべて民間へ移管すること。さらには、大
阪市内に約1500人いると言われている、結果的に未入園となっている待機児童の解消にも取り組むことを強く要望する。


IV. 教育について

1. 大阪市立小・中学校へのクーラー設置
   本年は、猛暑日が過去最高日数を記録するなど、子どもの熱中症対策及び健康保持や学力向上のためにはクーラーの設置は必要と考えられる。本市において
は、地球温暖化のみならず、ヒートアイランド現象も作用して、小・中学校の児童生徒には過酷な教育環境となっている。保護者・PTAの要望が強い、大阪市
立小・中学校普通教室へのクーラー設置を早急に進めることを要望する。


2. 大阪市立中学校における完全給食の実施
   中学生という時期は、成長期に必要な栄養バランスに配慮した食事を摂ることが必要な時期でもある。本市中学生の「食育」の観点からも、また市民や保護者
のニーズが高い観点からも早期の中学校給食の完全実施が必要である。調理方法としてはセンター方式を採用し、建設にはPFI方式など民間の資金とノウハウ
を活用して費用削減を図り、早期に中学校給食を実施されるよう強く求める。


3. 大阪市立小・中学校校舎などの建て替え・耐震補強
   本市小・中学校が安心して授業を受けることができるように、校舎などの建て替え・耐震補強を積極的に進めること。


4. 教員の資質向上
   指導力不足教員及び適格性に問題のある教員に対しては厳正に対応すること。また、欠員などによる教員を補充する期限付講師や臨時講師を早期に配置するためのシステムを構築すること。

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