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掲載日 2009年12月14日

平成21年12月11日、民生保健委員会で大内議員の質問に対し、北市民病院の民間への移譲先決定は来年(平成22年)1月上旬には決定されると答弁がありました。
以下、民生保健委員会での大内議員の質疑についてお知らせします。

(質問1)大内議員

北市民病院の民間医療機関への移譲についてお聞きします。
この問題については、先の6月市会においても質疑を行い、スケジュールや公募条件などについて聞くとともに、大阪市として、もっと地元に対して広報を行い、理解を深めてもらうべきだと指摘しました。
また、公募条件や選定基準の検討などについては、大阪市内部だけで検討するのではなく、外部の専門家により構成される委員会を立ち上げ、その意見を取り入
れながら進めていきたいとのことでしたが、地元への広報や委員会の立ち上げについて、その後の進 状況をお聞きいたします。

(答弁1)若林病院再編課長

北市民病院の民間医療機関への移譲にあたりましては、地元の方々に理解を深めていただくことが重要でありますため、本年7月15日に発行された、此花区の
広報紙「広報このはな」7月号に、市民病院の再編・ネットワーク化の趣旨や北市民病院の民間医療機関への移譲に関する記事を掲載し、地元の広報に努めたと
ころでございます。
委員会の立ち上げにつきましては、公正性や透明性、競争性などを確保する観点から、外部の専門家により構成されます「大阪市立北市民病院移譲先選定委員会」を本年7月に設置いたしました。
この選定委員会は、学識経験者1名、地域の医療機関を含め医療関係者2名、弁護士1名、公認会計士1名の計5名で構成され、公募条件や選定基準などについ
てのご意見をいただくとともに、公募において民間医療機関から提案された内容につきまして、その医療内容や事業計画、施設計画、収支計画などの事項につい
て総合的に審査し、適合する案の選定を行っていただきたいと考えております。
   
選定委員会は、これまで8月5日、9月7日の2回開催され、北市民病院を民間移譲するに至った経過や北市民病院の概要、経営状況などを説明いたしますとと
もに、公募条件や選定基準などについてのご意見をいただいたところであり、私共としてはそれらを踏まえ、公募方針を固め、公募手続きに入ってまいりたいと
考えております。


(質問2)大内議員

ただ今、公募条件や選定基準などについて選定委員会から意見をもらい、公募方針を固めるとの答弁がありました。
私は昨年の一般会計等決算特別委員会において、多くの民間医療機関で医師確保 や経営が厳しい状況となっている中、必要とされる医療を実施できる民間医療機関が本当に誘致に応じてくれるのか、またその医療を将来にわたって継続できる
のか心配であり、地域医療が確実に継続できるという保証がないと市民に大きな不安を与えることになりますが、その点について、大阪市としてどのように考え
ているのか質問いたしました。
これに対して理事者からは、民間医療機関の誘致策の検討にあたっては、土地を 売却するのか賃貸にするのか、また、建物についても民間医療機関側で改修や建替えをすることを条件にするのかなど、さまざまな課題整理を行う必要がある
が、民間医療機関の誘致促進という観点から取り組んでいく必要があるとの答弁がありました。
   
民間医療機関の公募方針については、このような市会での議論も踏まえて、条件面の検討などが進められていることと思いますが、現在のところ病院局としては、公募方針の方向性について、どのように考えているのか、お聞かせ願います。
(答弁2)若林病院再編課長

公募方針につきましては、現在、検討を進めているところでございますが、
移譲先に求める医療機能につきましては、現在、地域医療として提供している内科、小児科のほか、外科系を含めた総合的な診療が実施できる医療機関の誘致が望ましいと考えております。
また、移譲する病床数については、150床程度としたいと考えております。
   
さらに、北市民病院の土地を、売却するのか、賃貸にするのか、につきましては、今回の移譲に際しては、長期にわたる地域医療の確実な継続が大前提であり、
地域医療の継続的、安定的な確保のためには、大阪市として一定の関与の余地を残すことが望ましいことから、賃貸のほうが良いのではないかと考えておりま
す。
   
一方、建物につきましては、

  • 建物の老朽化が進んでおり、長期にわたって地域医療を継続するためには、耐震化などの整備が必要でありますが、現在の市民病院の厳しい経営状況の下では、その実施が困難であること、
  • また、病院建物の「本館」「西館」は、耐震基準を満たすよう整備を行う必要がありますが、建物の老朽化の状況等を勘案いたしますと、耐震改修を施しても早晩建替えを行う必要が生じると思われますことから、

移譲後速やかに、移譲先において建物の建替整備を行ってもらいたいと考えております。

   
現在のところ、病院局として考えている公募方針の方向性は以上でございますが、早急に公募方針を固めてまいりたいと考えております。


(質問3)大内議員

ただ今、公募方針について病院局の考え方をお聞きしました。
その中で、建物については、長期にわたる地域医療継続の観点から、民間医療機関において建替えてもらいたいということでした。
しかし、建替えとなると、新しい建物の建設にかかる費用だけでなく、現在の建物の解体撤去にかかる費用なども必要となり、民間医療機関にとっては経営面で相当厳しいのではないかと思います。
   
また、今回、民間医療機関に移譲する病床数は150床程度にしたいとのことでしたが、現在、この程度の規模の病院が全国的にも最も採算とりにくいとも聞いています。
   
そういったことを考え合わせると、本当に公募に応じてくれる民間医療機関があるのか、やはり心配です。広く民間医療機関が参入できるよう検討されているのか、この点についてお尋ねします。
(答弁3)若林病院再編課長

医療を取り巻く厳しい環境の中で、新たに建物を整備し、150床規模の病院経営を行うことは、民間医療機関にとって厳しい条件であることは私共としても認
識しているところでございまして、地域医療の安定的かつ継続的な確保のため、何らかの方策が必要ではないかと考えているところでございます。
そのため、例えば、先ほどご答弁申し上げましたように、土地を売却せずに賃貸とすることも移譲先の初期の資金繰りの負担を抑えられるといったメリットがあ
ると考えられますし、また、必要な医療機能を確保した上で、収益向上のために、地域や医療施設と連携した複数の事業等の提案も可能とすることなども検討し
たいと考えておりまして、こうした方策により、民間医療機関がより参入しやすい環境をつくり、地域医療の確保を実現させてまいりたいと考えております。


(質問4)大内議員

公募方針についての病院局の考えは概ね分かりましたが、北市民病院の民間医療機関への移譲については、今後どのようなスケジュールで進めたいと考えておられるのか、お聞かせ願います。
また、移譲先の決定については、「大阪市立北市民病院移譲先選定委員会」が選定した民間医療機関がそのまま移譲先となるのかなど、移譲先の民間医療機関の決定方法や手続きについても、あわせてお聞きしたいと思います。
(答弁4)若林病院再編課長

北市民病院の民間医療機関への移譲スケジュールについてでございますが、
今後、早急に公募方針を確定し、公募要項を作成のうえ、公募に入ってまいりたいと考えております。
公募開始から応募書類の提出までには、2か月程度必要ではないかと考えておりまして、その後、民間医療機関から提案された内容を選定委員会において審査し、適合する案を決定していただきたいと考えております。
   
移譲先の決定にあたりましては、選定委員会が選定した案を提示した民間医療機関の中から、土地について最も高い月額賃料を提案した応募者を事業予定者として決定する、条件付一般競争入札としてまいりたいと考えております。
   
そして、できれば年内にも移譲先を決定してまいりたいと考えております。
   
さらに、移譲の正式決定にあたりましては、条例改正や予算について市会にお し、ご判断いただくことになるものでございますが、平成22年4月1日を目途として民間医療機関に移譲してまいりたいと考えているところでございます。


(質問5 大内議員)

これまで北市民病院の民間医療機関への移譲について色々と質問してきました。 確かに極めて厳しい市民病院事業の財政状況からすると、北市民病院の不動産について有効活用を図ることも必要であると思いますが、やはり一番大事なこと
は、地域医療を確実に継続でき、市民の方々に安心していただけるような民間医療機関に来てもらうことです。
大阪市としては、そうした民間医療機関に来てもらえるよう、最大限の努力を払ってもらいたいと思います。
現在、大阪市においては、民間医療機関への移譲に向け頑張っていることと思いますが、本当に市民の方々に安心していただける民間医療機関に来てもらえるようにすることができるのか、病院局長の決意をお聞きします。
(答弁5 巽病院局長)

市民病院が今後果たすべき役割は、民間医療機関では対応が困難であるため行政において施策として行う必要のある医療や、地域において不足する医療を提供することであります。
そのため、本年3月、経営形態の見直し、再編・ネットワーク化、経営の効率化の3つの視点に立った市民病院改革プランを策定し、実現に努めているところでございます。
北市民病院の民間医療機関への移譲は、本年4月から病院局として独立した我々にとって、最初の大きな取り組みであると考えております。
   
市民病院の民間医療機関への移譲は、大阪市として前例のないことであり、多岐にわたる課題の解決や関係機関等との調整が必要であるなど、相当な困難を伴うものでございますが、何としても地域医療の確保をやり遂げてまいりたいと考えております。
   
いずれにいたしましても、今後とも、私自身が先頭に立ち、病院局が一丸となって、再編・ネットワーク化を含む市民病院改革プランの推進に全力で取り組み、市民の方々に安心・安全な医療を提供してまいりたいと考えております。

 

   

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