朝日新聞 朝刊 H18.5.30 |
大内啓治委員 自民党の大内でございます。 まず、ただいまご説明がありました民事再生計画案について質問をしたいと思います。 去る昨年の12月1日に、民事再生手続の申し立てが行われて以降、私も本委員会で何度か芦原病院について質疑をしてきたところでございます。 この間の5月25日には、芦原病院調査委員会から貸付金などに関する中間報告が出されました。その中で、医生協及び本 現在、この芦原病院は破綻し、そして、他の医療法人に事業譲渡されているのが現在でございますけども、この芦原病院がこのような状況に至ったこと、また、民事再生計画案への同意をもとめたことに対する市長のご意見を、まず、お伺いしたいと思います。 |
關市長 大内委員の御質問にお答えします前に、まず、おわびを申し上げたいと存じます。 過日の市会におきます芦原病院への補助金に関する質疑の中で、事実と異なる理事者答弁がありましたことについては、 260万市民の代表者の方々、市民の皆様にとって極めて重要な事項を御論議いただく場におきまして、これは決してあってはならないことであり、まことに申 しわけなく、心からおわびを申し上げます。 また、このことは、どのような事情があろうとも、これは決して許されることではないのでありまして、今後、二度とこう 次に、芦原病院の件でございますが、芦原病院に対します支援につきましては、これは、かつて医療過疎であった旧同和地 芦原病院の経営改善、また支援の適正化につきましては、これは市会からの御指摘をいただきながら、これまで適切な対処 なお、財団法人化への取り組み、これも行っていたわけでありますけども、当時、病院の底地の地権者、大部分はその権利放棄をされたんですが、ごく一部の方がそれをされなかったために法人化ができなかったというような経過もございました。 いずれにしても浪速医療生協におきまして、民事再生手続を申し立てるに当たりましては、経営改善の努力を続ける中で地 地域医療の継続確保のために、浪速医療生協が努力すべきであるということは、これは当然のことでありますが、医薬品取 本市といたしましては、民事再生手続に協力をいたしまして、また一定の期待を持って、これまで協力をいただいてきた多 今般のこの市会の御審議を得まして、本市が再生計画案に同意しまして、裁判所が再生計画を決定いたしますと、免除した 芦原病院への貸付金問題につきましては、芦原病院調査委員会から調査の中間報告、先ほど御指摘がありましたが、報告書をいただいたところであります。 また、補助金問題につきましては、調査委員会報告を踏まえまして、それに引き続いて監査委員による監査を要求いたしておりまして、現在、監査を進めていただいているところであります。 こうしたことを通じまして、芦原病院問題の全体像の解明を進めますとともに、今後とも、疑義のある項目、問題点等につ また、本市みずからの責任につきましては、監査報告など、芦原病院が経営破綻に至った経緯、原因などの解明結果を踏まえまして、市長である私自身、市長、職員を含め、処分など、その責任を明らかにしてまいりたいと考えております。 何とぞ、民事再生計画案につきまして、上記のような点を踏まえていただきまして、御同意を賜りますようお願い申し上げます。 |
大内啓治委員 市長の他の委員会との関係があって、当委員会におられる時間も限られているようでございますので、ちょっと、はしょる部分もあるかもわかりませんけれども。 今、再生案を私たちも目の前にして、苦悩しているというのが現実であります。138億円もの債権を放棄できないのは、 これは事実でございます。しかし、これが民事再生の手続上、どうしても踏まなければならない通過点であるということの中で、我々は本当に苦悩しているとい うことが事実でありますね。 ここに至った責任の大きさというのは、ある意味で言うならば、この中間報告でも指摘されますけどもね、やっぱり、大阪 それで、これは、この議会で議論して、最終的にこれを認めるかどうか判断しないといけないわけですけれども、私は、判 そして、この芦原病院の問題で、これを最大の教訓にして、今後二度とこういうことが起こってはならない。この問題で前 ですから、芦原病院を契機に、私は大阪市が変わったと、今後このようなことは二度と起こさない、させない。これはね、 それでね、私は、この大阪市が再生していくためには、このとき、このタイミングをおいてない。このタイミングを大阪市 その、まず1つが、今まで特定の団体と手厚い交渉をしてきたということは、これは事実でありますね。ですからね、人権 |
關市長 今回、同和対策の一環で事業等が始まった経過もあることはあるわけなんですが、コンプライアンスの観点あるい は契約手続等が不適切なものがないかどうか、見直し漏れとなっていないかどうかを、過日、全局の局長を集めた総局長会におきまして、全局、外郭団体も含め て総点検することを指示いたしました。6月中に、それぞれの所属におきまして、この調査を終えまして、見直すべきものは直ちに見直すと。それを解決するに 当たって、大阪市としての方針を示す必要のあるものについては、私がその判断について責任をもって対応していくということにいたしておりまして、そのこと についても、その総局長会において明確に指示をいたしております。 また、これは非常に重要な点、ただいま大内委員、御指摘されたわけでありますが、市政を運営するに当たりましては、市 民との意見交換、これは必要なものでありますが、それの透明性ということの確保が、これはぜひとも必要なわけでありまして、団体との協議、あるいは意見交 換の場のあり方について、これはガイドラインなどのルール化、これもぜひ必要でありますし、それをぜひ行っていきたいと思っております。 御指摘を踏まえまして、本当に透明性の確保できるルールの策定に向けて早急に取り組んでまいる決意でありますので、よろしくお願いしたいと思います。 |
大内啓治委員 これは、前の職員厚遇の問題で、組合問題に対峙されたのと同じように、やっぱりその交渉のルールを決めて、そ の交渉の中身をみなオープンにしていく、そして、真に大阪市民にとって必要な施策を行っていくんだと。こういう意味で、本当に透明性を100%、私は確保 するようなルールを定めてほしいと思います。 次に、もう一つ、私、プロジェクトチームの設置について、これをお願いしたいんですけれども、労働組合の問題について は、これは福利厚生制度等改革委員会などのこういう報告に基づいて、ながら条例の改正とか、給与等の返還に取り組んできたわけでございます。私も、そのあ りようを見ながら、本当に、そこには改革に取り組む市長の並々ならぬ意欲というものを感じたわけでございますけども、この問題も、やっぱり外部有識者の参 画を得ながら、プロジェクトチームを設置して、本格的な改革に取り組むべきではないかと思います。 大阪市における最重要な改革課題は、労働組合の問題と今回明らかになったような同和対策の一環として始まった事業等に |
關市長 今回の一連の問題につきましては、これは社会やあるいは時代の変化により、使命を終えた時点で速やかにその事業を見直すべきであった事柄、そういう事業について、これをその時々に適切に見直すことを怠ってきたことが原因であると私も考えております。 人権施策につきましては、これは今後も大阪市として実施をしていく必要があるわけでありますが、今回の問題とそれとは 別でありまして、二度とこのような問題を起こさないためにも、率直かつ本当に真摯に、我々自身、反省をし、適正な組織体質、職場風土をつくり上げていく必 要があると考えております。 特に、委員の御指摘を踏まえまして、早急に局横断的なプロジェクトを設置しまして、団体との協議のあり方についてのガ こうした取り組みにつきましては、いずれにしましても私が先頭に立って、また、その責任のもとでこれを確実にやり遂げる決意であります。 |
大内啓治委員 これね、産経新聞の、いつの記事でしたかね、「淀屋橋ダイアリー」というのがありまして、「浪速医療生活協同 組合芦原病院の民事再生手続が大詰めを迎えていた3月末、同病院1階フロアで大阪市の担当課長はうつむいたまま、かばんを抱え、立ち尽くしていた。課長 は、報告書に記された医療機器の購入の事実などないことをとっくに承知していた。なぜなら、本来、病院側が作成し、市に提出するべき報告書は、この課長自 身が捏造した文書だからだ。今のところ、市職員が金銭など、そでの下を受け取って便宜を図っていたような事案は明らかになっていない。だからこそ、行政組 織としてのやみはかえって深いと言える。市の信用が失墜する中、かつて実績として評価された市役所の仕事の多くが否定されるような時代になっている。病院 で立ち尽くす課長の姿は、余りにも遅過ぎた見直しに、孤立し苦悩する最前線の職員を象徴しているように思えてならない」。 この職員は加害者なのか、被害者なのか、私は被害者の部分が多いと思います。これは、市長の、今までの歴代市長のリー ダーシップがなかったから、優秀な職員がこういう苦悩を味わなければならなかった。ひとつ、こういう苦悩を味わう職員が今後生じないように、胸を張って職 員が仕事ができるような仕組みづくりを、ひとつ、市長、責任をもってやっていってください。お願いいたします。ありがとうございました。 |