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掲載日 2005年06月04日
 文教経済委員会に付託されました議案第26号、平成17年度大阪市一般会計予算ほか14件の審査の結果と経過の大要についてご報告申し上げます。

 本委員会は、去る3月4日の本会議におきまして諸案件の付託を受けて以来、本日まで実地調査を含め7日間にわたり慎重かつ熱心な審査を行いました結果、お手元に配布の報告書に記載のとおり、いずれも原案を可決すべきものと決した次第であります。

 以下、委員会における審査の概要を重点的にご報告いたします。

(学力の向上)
 まず、昨年末に国際的な学力調査の結果が公表されたこともあり、学習習慣の定着や学力・読解力の向上につながる読書活動の推進について、質疑がありました。

 これに対して理事者は、学力の向上には家庭学習も欠かせない要因となっており、授業以外に机に座って学習する習慣づくりが必
要である。このため、平成17年度から、週2回程度、放課後に図書室等で自主的な学習を支援する「放課後チャレンジ教室」を小学校24校で試行的に実施
し、自学自習の習慣づくりに努めていく。

 読書活動については、市立図書館においてボランティアの方が読み聞かせを行う「読書環境整備事業」を17年度からは全句で行
う予定であり、また学校では、始業前や昼休み等を利用した「読書タイム」の設置や学校図書館の蔵書の整備に努めるなど、読書に親しむ環境づくりを進めてい
く。いずれにしても、17年度中に「大阪市子ども読書活動推進計画」を策定し、広く市民の意見を聞きながら、保護者や地域人材等のボランティアとしての活
用や学校と図書館の連携強化など、総合的かつ計画的に読書環境の整備について検討していく旨、答弁がありました。

(子供の安全対策)
 次に、奈良県平群町の女児誘拐殺人や寝屋川市の小学校の教職員殺傷事件はまだ記憶に新しいところであるが、次代を担う子供の安全対策は大人の責務であり、多くの委員から質疑がありました。

 これに対して理事者は、本市はこれまでモニター付インターホンの設置や安全(防犯)マニュアルの作成など、ソフト・ハード両
面にわたる取り組みを進めてきたが、17年度は子供の安全に係る情報を1時間以内に2万人の学校・地域関係者の提携電話等に電子メールを送信できるシステ
ムを設置し、迅速かつ正確に、多くの人に情報を伝え、学校や地域関係者が関係諸機関と連携した組織的な取り組みを行う。

 これに加え、「(仮称)子どもの安全指導員」として警察官OB等を41名配置し、バイクを使って機動的にすべての小学校等を
毎日1回巡回する。指導員には、これまでの経験を生かして、各学校で安全(防犯)マニュアル作成への助言や防犯訓練の指導など、安全対策についての指導も
行っていただくこととしており、関係先と協議し、6月からスタートできるよう準備を進めていく旨、答弁されました。

 このほか、子供の安全対策については、暴力被害防止プログラムの実施や郵便局集配自動車へのステッカー貼付などについて質疑があったほか、大阪府の学校警備強化対策における大阪市を除いた取り扱いについては、きわめて厳しい意見がありました。

(中高一貫教育校)
 次に、平成20年度の解説に向け準備を進めている中高一貫教育校について質疑
があったのに対し理事者は、本市が目指す中高一貫教育校は、高等学校入学者選抜を行わず同一の設置者による中学校と高等学校を接続する「併設型」である。
中学校では、芸術・スポーツ・言語・ものづくりの4分野から1つを選び、高校では、人文科学・自然科学・ロボット工学などの6系列にさらに発展させ、6年
間一貫教育による専門性の高い学習を行うほか、舞台芸術について総合的に学ぶ「演劇科」や調理技術・食文化について深く学ぶ「食物文化科」を設置し、多彩
な系列を持った学校を設置していく。

 また、大学の専門性の高い講義を取り入れるなど大学との連携を図るとともに、
実績のある社会人や大学教員といった外部の人材を積極的に活用し、子供たち一人一人の可能性を最大限に引き出し、次代の大阪を担う人材の育成に向け、市民
の期待にこたえる魅力ある中高一貫教育校の早期開設に取り組んでいく旨、決意を披瀝されました。
(観光産業の振興)
 次に、21世紀の基幹産業になると言われている観光産業の振興について質疑がありました。

 これに対して理事者は、平成16年度から5ヵ年で、海外観光ビジターを200万人に、宿泊ビジターを1200万人に増加させ
る目標を立てており、まちの魅力を創り出す取り組みとまちの魅力を売り出す取り組みを大きな柱としている。まちの魅力を売り出すため、観光客の急増が見込
まれる東アジアをターゲットに、現地で知名度の高い人を大阪観光大使として任命し、メディアを活用しながらアピールするとともに、観光プロモーターを新た
に中国で設置するなど、さまざまなプロモーション活動を行っていく。

 一方、まちの魅力づくりとしては、17年度に、国立文楽劇場周辺を「おおさか文楽通り」として文楽の息づくまちなみが楽しめるような環境の整備に取り組むこととし、その具体化に向けた計画案づくりに着手していく。

 また、大阪の観光魅力を向上させるには、観光資源として本市の施設に改めて目を向け、多様な活用を図っていくことが重要であり、ゆとりとみどり振興局が横断的な立場で新しい発想を提案し、観光財産を活用していく旨、答弁されました。

(大阪経済の活性化)
 次に、本年7月に開催されるロボカップ2005大阪世界大会とロボット産業の振興について質疑がありました。

 これに対して理事者は、ロボカップは世界35カ国から参加し、来場者数は20万人を見込んでいるが、この大会をロボット産業創出の契機と位置づけ、市民とりわけ子供たちへ積極的な周知を図るとともに、大阪の技術力を情報発信し、企業誘致につなげていきたい。

あわせて、世界ものづくりサミットを開催し、シンポジウムや展示商談会を通じて、ものづくり企業の新たな市場開拓を支援していく。

 また、ロボット産業の振興には、人材育成と実証実験への支援が重要であり、マッチングや販路開拓などを実際に体験する実践的なカリキュラムによる人材育成事業に取り組むとともに、17年度に創設する補助制度を活用し、ロボットの実証実験を誘致していく。

 さらに、関西圏で連携した取り組みが重要であり、本市が中心的役割を担って関西が一丸となった取り組みを促進し、大阪駅北地区で計画されている国際的な次世代ロボットの研究開発拠点へとつなげていきたい旨、決意が披瀝されました。

(市場)
 次に、中央卸売市場の収支改善と東部市場の再整備について質疑がありました。

 これに対して理事者は、市場会計の単年度の黒字転換は平成23年度、累積赤字の解消は平成39年度であり、収支改善に向け、
施設使用料の改定、解説者の経費削減、一般会計補助金の増額に取り組んでいる。本場の施設使用料については、市場内業者の経営状況が悪化する中、市場機能
を損なう事態も想定され、業界からの要望もあり、17年度に予定していた20%の大幅改定を20年度まで5%ずつの段階的な改定に見直したところである。
一方、経費削減については、過去5年間で67名の要因を削減したが、今後、未利用施設の解消に努めるほか、業務管理棟の保守管理に係る総合メンテナンス方
式への移行など契約のあり方についても検討を進める。

 また、東部市場の再整備は、できる限り既存施設を生かし、工期短縮・機能優先・負担軽減を柱とした整備を行うこととし、食の
安全・安心に向けた既存水産卸売場の低温化、大型輸送車に対応した青果卸売場の建て替え、買出人駐車場の屋根の設置など、今後、さらなる具体化に向け業界
と十分協議して進めていく旨、答弁されました。

 最後に、、超過勤務問題や福利厚生など職員厚遇問題、市政改革への取り組みについては、多くの委員から厳しい質疑や貴重な意見があり、市長・助役から市政への信頼回復に向けた決意が表明されたことを申し添えておきます。

 以上のほか本委員会におきましては、教育委員会関係では、習熟度別少人数授業、小学校の運動場の芝生化、教員の資質向上、児
童虐待の防止、児童いきいき放課後事業、中学校給食、管理作業員と給食調理員のあり方、青少年会館の職員配置、部活動の活性化について。市立大学関係で
は、独立行政法人化について。ゆとりとみどり振興局関係では、芸術文化の振興、都市緑化おおさかフェアと緑化運動、上海万博における大阪館の出展につい
て。経済局関係では、なにわの伝統野菜、ものづくり産業への支援について。中央卸売市場関係では、安治川沿いの船着場の設置、食の安全・安心の取り組みに
ついて。各局に関係するものとして、監理団体の見直しと福利厚生についてなど、種々活発な質疑が交わされた次第であります。

 以上、本委員会における主な質疑応答の概要をご報告もうしあげましたが、詳細につきましては、後日調整配布されます速記録に護ることとし、簡単ではありますが、文教経済委員会の審査の報告といたします。

文教経済委員会 審査報告(請願)
 文教経済委員会に付託されました請願書の審査の結果についてご報告申し上げます。

 本委員会において審査いたしました請願書は、お手元配布の審査報告書に記載のとおり、平成16年の請願第8号、業者婦人の健
康・母性保護と地位向上の施策を求める請願書、請願第11号、大阪市立幼稚園への希望者全員の入園を求める請願書、及び、第12号、大阪市立学校園の30
人学級実現を求める請願書の以上3件であります。

 まず、業者婦人の健康・母性保護と地位向上の施策を求める請願でありますが、本市の中小企業施策においては、事業主・起業家の男女を問わず同一の取り扱いをしており、一般の取り引き等の慣行で女性経営者が不利益を被らないよう、企業や市民への啓発に努めている。

 商店街の活性化については、商業者みずからの創意工夫に基づいた取り組みが重要であると考えており、商店街が行う魅力ある商
店街づくりを支援するとともに、安全・安心・快適な商店街づくりに向けて、平成15年度から防犯カメラシステムの整備についても支援対象にしている。

 また、平成16年度から商店街が空き店舗を活用し新規創業者を育成する事業に対し支援を行うとともに、創業支援融資の利用対象者を拡充するなど、きめ細かな創業促進策にも取り組んでいる旨、理事者から見解表明がありました。

 これに対して委員からは、女性に対する不利益の現状認識、商店街の空き店舗対策に対する評価、本市が考える商店街の存在意義、中小企業に対する受発注の促進などについて質疑がありました。

 次に、市立幼稚園への希望者全員の入園を求める請願でありますが、幼稚園の学級編成については、効率的な幼稚園運営を図る観点から、現在の総学級数を基本として3歳児は1学級20人、4・5歳児は1学級35人で編成している。

 平成16年度の園児募集においては、一部の園で抽選が行われたが、今後とも入園希望状況を精査し、市立幼稚園間の連携を図り
ながら入園希望の調整を行うなど適切に対応していくとともに、私立幼稚園とも十分調整を図りながら幼児教育を進めていきたい旨、理事者から見解表明があり
ました。

 これに対して委員からは、16年度の抽せん状況、抽せん漏れの増加傾向、公立・私立の幼稚園間における募集協定の有無について質疑がありました。

 最後に、市立幼稚園での30人学級実現を求める請願でありますが、小・
中学校の学級編制については、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律に基づき、1学級40人で編制しているところであるが、大阪
府教育委員会が小学校1.・2年生については平成19年度までの4年間で35人編制を段階的に実施することを決定しており、本市においても16年度は小学
校1年生について38人学級編制を実施している。今後は、府の動向を注視しながら、小学1・2年生の35人学級編制計画を進めていくとともに、習熟度別少
人数授業など個に応じたきめ細かい指導に努めていく。

 また、小・中学校の学級編制は、原則的に5月1日の基準日までに41人以上の学級が生じた場合は、2学級の学級認定を行って
いるが、養護学級に在籍する児童・生徒が通常の学級で授業を受ける場合には、普通学級においては在籍者数として算入しないことになっている旨、理事者から
見解表明がありました。

 これに対して委員からは、学級編制についての本格的な調査・検討・学校現場の実態把握、41人学級の解消などについて質疑がありました。

 これらを受け、本委員会といたしましては、慎重に審査いたしました結果、審査報告書に記載のとおり、請願書3件についてはいずれも不採択とすることに決した次第であります。以上簡単ではありますが文京経済委員会の審査の報告といたします。

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