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掲載日 2006年12月19日
医療保険制度改正シリーズ 出産手当金、傷病手当金の見直しほか
手当金の算出例(標準報酬月額が36万円[日額12,000円]の人の場合)
支 給 率 標準報酬日額 手当金の額(1日あたり)
(現在)6割 12,000円 7,200円
(平成19年4月から)3分の2 12,000円 8,000円
出産手当金、傷病手当金の見直し(平成19年4月実施)
健康保険には、働く人が出産や病気などで休業する場合に失われる収入を補うための給付制度として、「出産手当金」と「傷病手当金」があります。
現在、これらの手当金の額は、一日あたりその人の標準報酬日額の六割相当額となっていますが、平成19年4月からは標準報酬日額の三分のニ相当額となります。
支給額が「六割(60%)」から「三分のニ(約66.6%)」に引き上げられることになりますが、これは、標準報酬日額には反映されていない賞与分を加味した変更です。また、任意継続被保険者は出産手当金と傷病手当金の対象から外され、被保険者の資格喪失後六ヶ月以内に出産した人にも支給されている出産手当金については廃止されることになります。
療養病床に入院する高齢者の食費・居住費の負担見直し
(平成18年10月実施)
療養病床に入院する70歳以上(平成20年4月以降は65歳以上)の高齢者については、介護保険との負担の均衡を図るため、今年10月から食費および居住費の負担見直しが行われています。従来は食費の負担を考慮して支給されていた「入院時食事療養費」は、光熱水費などの負担も加味した「入院時生活療養費」
に変わり、食費については食材料費に加えて新たに調理コスト相当分を自己負担とすることになったため、一食(または一日)あたりの標準負担額などが引き上
げられました。

これにより、一般的な所得の患者の場合、食費だけでも月額約4万2千円で約1万8千円の負担増となるほか、新たに居住費として光熱水費相当分の月額約1万円も負担することになりました。

その結果、従来の月額役2万4千円から約5万2千円に負担が増えました。

ただし、住民税が非課税である世帯などの人については、年金などの収入額に応じて、食費と居住費を合わせた負担額が月額1万円から約1万円から約3万円程度に軽減されます。

乳幼児の患者負担軽減(2割)措置の拡大(平成20年4月実施)
現在、三歳未満の乳幼児が診察や治療などを受けたときに医療機関などの窓口で支払う医療費等の負担割合は二割で、通常の三割より軽減されています。今回の改正により、平成20年4月から、ニ割負担の対象範囲が「三割未満」から「義務教育就学前」に拡大されます。
被災者等に対する一部負担金の減免措置の創設
(平成18年10月実施)
震災、風水害、火災などの災害が発生し、被保険者や非扶養者が被災した場合、国民健康保険や介護保険制度では、これらの人が療養や介護サービスを受ける際に一部負担を減額したり、免除する措置がありますが、健康保険には同様の規定がありませんでした。しかし、今年10月からは、災害その他の特別の事情がある健康保険の被保険者等が一部負担金を支払うことが困難な場合には、保険者の判断で減額または免除、あるいは支払いの猶予ができるようになりました。

 

 

(社会保険労務士法人NSRニュースより)

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