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本路線で計画している高架構造部の路線構造は、鉄筋コンクリート高架橋(スラブ軌道、コングレール)を計画し安治川橋梁は有道床のトラスト構造(バラスト軌道・コングレール)を計画している。
1.騒音
列車の走行に伴う等価騒音レベルの予測結果は、次のとうりです。すべての地点で「在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針」(平成7年、環境庁)の値(昼間60デシベル、夜間55デシベル)を下回っていることから、環境に及ぼす影響は小さいと考えます。
(単位:デシベル)
列車の走行に伴う騒音
昼間 夜間
予測結果 52〜59 48〜54
指針値 60 55
<至近住宅及び中高層住宅位置における予測結果>
予測地点NO. 予測地点所在地
(線路構造)
等価
騒音
レベル
昼間
等価
騒音
レベル
夜間
建築物階数 近接側
軌道中心
からの距離
(m)
備考
1 此花区西九条1丁目
(高架構造)
上り側 56 51 4 4 近鉄難波行き
下り側 69 64 6 4 西九条行き
当該指針の評価位置は近接側軌道中心からの水平距離が12.5mの地点で高さが地上1.2mとされており、中高層建物位置等に直接適用されるものではないが、事業実施に際しては、あらかじめ住宅等の立地状況に充分配慮し、必要に応じて、生活環境の保全のため適切な措置を講じる必要がある
 
2.振動
列車の走行に伴う振動レベル(最大値)は、一部の区間で振動感覚閾値(55デシベル)を上回るものと予測されましたが、これらの区間では、防振効果のある軌道を採用することとします。対策後の予測結果は次に通りであり、すべての区間で振動感覚閾値を下回ることから、環境に及ぼす影響は小さいものと考えます。
(単位:デシベル)
列車の走行に伴う騒音
昼間・夜間
予測結果 52〜54
振動感覚閾値 55
<至近住宅位置での鉄軌道振動の予測結果>
予測地点NO. 予測地点所在地
(線路構造)
線路
構造
予測
方向
至近住宅の位置
(予測側軌道中心
からの距離)
振動レベルの
最大値
(単位:デシベル)
備考
対策前 対策後
1 此花区西九条
1丁目
高架構造 上り 4m 57 (55以下)
対策前は、防振効果の
ある軌道(弾直軌道)
での調査結果に基づく
もの
下り 4m 57 (55以下)
2 此花区西九条
1丁目
橋梁 上り 近接住宅なし - 4
下り 近接住宅なし - 6
高架構造部については、対策前の予測計算で、弾直軌道による防振効果が考慮されていたが、対策の追加でさらにデシベル程度の軽減を見込むことで、55デシベル以下になると予測されている。
 
3.低周波空気振動
列車の走行に伴う低周波空気振動の高圧レベル(最大値)の予測結果は、80〜86デシベルとなっており、「平均的な人が低周波空気振動を知覚できる値(100デシベル)」を下回るものと予測されました。また、圧迫感閾値、建具のがたつき閾値と比較しても、列車の走行に伴う低周波空気振動は、著しい影響を及ぼすものではないと考えます。
4.日照阻害
本路線の高架構造物等に伴い発生する日影の影響は、一部の沿線地域で生じることが考えられますが、これらの地域については、今後、事業実施までに詳細な検討を行なったうえ、日影の影響が生じる場合には、「大阪府建築基準法施工条例」(昭和46年大阪府条例第4号)及び「公共施設の設置に起因する日陰により生ずる損害等に係る費用負担について」(昭和51年建設省形用発第4号)等の趣旨を踏まえ、適切な対応を図ります。
5.電波障害
建設段階も含めて、本事業における高架構造物の存在に伴い受信障害が新たに生じる地域については、すでにCATV局のサービスエリアであることから、必要に応じてCATV加入等による障害防止対策を講じます。
6.廃棄物
駅から発生する廃棄物の収集に当っては、新聞・雑誌類、飲料の缶・ビン類、一般ごみの分別用ごみ箱を設置します。また、収集後の廃棄物の処理については、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(昭和45年法律第137号)に基づく許可を受けた事業者に委託し適性に行います。
7.景観
新たに高架構造物、擁壁や掘割構造が出現しますが、新たに形成される景観は直線で構成される都市的景観であり、周辺地域の都市景観との調和を乱すものではありません。また、橋梁については、景観変化をもたらすこととなりますが、河川下流側には既にJR大阪環状線の橋梁が存在しており、周辺の施設と一体となった景観を形成してちることから、環境に及ぼす影響は小さいものと考えます。
西九条二丁目における将来の景観
西九条一丁目における将来の景観