H18年5月29日 民生保健委員会での大内議員と関市長の質疑-同和施策の大転換-

掲載日 2006年9月12日

朝日新聞 朝刊 H18.5.30
大内啓治委員
 
自民党の大内でございます。
まず、ただいまご説明がありました民事再生計画案について質問をしたいと思います。
 去る昨年の12月1日に、民事再生手続の申し立てが行われて以降、私も本委員会で何度か芦原病院について質疑をしてきたところでございます。
 この間の5月25日には、芦原病院調査委員会から貸付金などに関する中間報告が出されました。その中で、医生協及び本 市ともに真摯に経営改革に取り組んでこなかったこと、漠然と特別貸付金を執行してきたことなどについて猛省すべきこと等々、非常に厳しい指摘がなされてお ります。これは、もう、ごもっともであります。
 現在、この芦原病院は破綻し、そして、他の医療法人に事業譲渡されているのが現在でございますけども、この芦原病院がこのような状況に至ったこと、また、民事再生計画案への同意をもとめたことに対する市長のご意見を、まず、お伺いしたいと思います。
關市長
 大内委員の御質問にお答えします前に、まず、おわびを申し上げたいと存じます。
 過日の市会におきます芦原病院への補助金に関する質疑の中で、事実と異なる理事者答弁がありましたことについては、 260万市民の代表者の方々、市民の皆様にとって極めて重要な事項を御論議いただく場におきまして、これは決してあってはならないことであり、まことに申 しわけなく、心からおわびを申し上げます。
 また、このことは、どのような事情があろうとも、これは決して許されることではないのでありまして、今後、二度とこう いうことがないよう、私の市長としての責任におきまして、市民の代表者である市会の皆様との信頼関係をより一層築き上げるよう最大限の努力を払ってまいる 決意でありますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、芦原病院の件でございますが、芦原病院に対します支援につきましては、これは、かつて医療過疎であった旧同和地 区に対する医療の確保、また公衆衛生の向上というようなことを目的として行ってまいったものでありますが、当該地域における地域医療の確保の必要性は、今 日においてもなお存在するところであります。
 芦原病院の経営改善、また支援の適正化につきましては、これは市会からの御指摘をいただきながら、これまで適切な対処 ができずに推移してきたこと、また、平成14年度予算市会の附帯決議を機に、抜本的な経営改善と貸付金の縮減、解消に取り組み、相当の経営改善をある程度 達成してきたとはいえ、浪速医療生協が経営破綻して民事再生手続をとるに至りましたことについては、まことに申しわけなく、深くおわびを申し上げる次第で あります。
 なお、財団法人化への取り組み、これも行っていたわけでありますけども、当時、病院の底地の地権者、大部分はその権利放棄をされたんですが、ごく一部の方がそれをされなかったために法人化ができなかったというような経過もございました。
 いずれにしても浪速医療生協におきまして、民事再生手続を申し立てるに当たりましては、経営改善の努力を続ける中で地 域医療の継続を確保するためにはどのような手法が最もふさわしいかにつきまして、法律の専門家にも十分、相談、検討を行いました結果、判断されたものであ ります。
 地域医療の継続確保のために、浪速医療生協が努力すべきであるということは、これは当然のことでありますが、医薬品取 引業者等、多くの事業者の協力によりまして、地域医療の継続確保が図られてきたということ、そういう事実ですね、とりわけ民事再生手続の申し立て以降、こ れまでの取引事業者などからなります債権者の理解、協力のもとで民事再生手続が円滑に進んだ結果、ようやく自立した形の新たな医療法人による地域医療の継 承確保が実現できたところであります。
 本市といたしましては、民事再生手続に協力をいたしまして、また一定の期待を持って、これまで協力をいただいてきた多 くの債権者の信義にこたえるということのためにも、また、本市債権の一部でありますが、回収できるということでもありますので、こうした事情、経過をお酌 み取りいただきまして、浪速医療生協の民事再生計画案に御同意を賜りますようお願い申し上げる次第であります。
 今般のこの市会の御審議を得まして、本市が再生計画案に同意しまして、裁判所が再生計画を決定いたしますと、免除した 債権は放棄したことになるわけでありますが、芦原病院の財産を、もしも違法に毀損したような行為がありますれば、それに対しては、このこととは関係なく厳 正に対処してまいりたいと考えております。
 芦原病院への貸付金問題につきましては、芦原病院調査委員会から調査の中間報告、先ほど御指摘がありましたが、報告書をいただいたところであります。
 また、補助金問題につきましては、調査委員会報告を踏まえまして、それに引き続いて監査委員による監査を要求いたしておりまして、現在、監査を進めていただいているところであります。
 こうしたことを通じまして、芦原病院問題の全体像の解明を進めますとともに、今後とも、疑義のある項目、問題点等につ きましては、本市みずからも調査に努めますとともに、そうして得た情報を監査委員にもお伝えをし、事実や原因の解明を進めてまいりたいと考えております。 その結果、責任を追及すべき問題が発見されれば、民事再生手続終了後も厳正に対処してまいります。
 また、本市みずからの責任につきましては、監査報告など、芦原病院が経営破綻に至った経緯、原因などの解明結果を踏まえまして、市長である私自身、市長、職員を含め、処分など、その責任を明らかにしてまいりたいと考えております。
 何とぞ、民事再生計画案につきまして、上記のような点を踏まえていただきまして、御同意を賜りますようお願い申し上げます。
  
大内啓治委員
 市長の他の委員会との関係があって、当委員会におられる時間も限られているようでございますので、ちょっと、はしょる部分もあるかもわかりませんけれども。
 今、再生案を私たちも目の前にして、苦悩しているというのが現実であります。138億円もの債権を放棄できないのは、 これは事実でございます。しかし、これが民事再生の手続上、どうしても踏まなければならない通過点であるということの中で、我々は本当に苦悩しているとい うことが事実でありますね。
 ここに至った責任の大きさというのは、ある意味で言うならば、この中間報告でも指摘されますけどもね、やっぱり、大阪 市がちゃんと指導してこなかった、大阪市がその役割を果たしてこなかったから今日に至ったと。やはり、大阪市に主体的な責任がある。病院をきちっと指導し ておけば、今日のような多額の債務を抱えるような、民事再生のようなところまでは至らなかったわけでありますから、これは、やはり責任問題を私は免れ得な いと、このように思いますね。
 それで、これは、この議会で議論して、最終的にこれを認めるかどうか判断しないといけないわけですけれども、私は、判 断する一つの大きな材料として、どうするかということは、今後、二度とこのようなことが起こってはならないわけですから、なぜこういう事態が生じたのかと いうことを、事実を包み隠さず、これをやはり究明していく、これが第1番目の要望であります。これはやらないといけないですね。市民にそのこともきちっと 報告しないといけないと思います。
 そして、この芦原病院の問題で、これを最大の教訓にして、今後二度とこういうことが起こってはならない。この問題で前 線の職員の皆さん方も、本当に苦悩してこられたと思います。書類を自分が書いたという人も、悪意で書いたんではなくして、芦原病院を存続させないといけな いという、そういう絶対的な命題として受けとめて、その中で、もう、苦悩のあげくの果てに、そういう書類を私は書いたんじゃないかなと。涙ながらにね、私 は最初の人は書いたんじゃないかと思いますよ。こういうことを起こしたらいかんのです。
 ですから、芦原病院を契機に、私は大阪市が変わったと、今後このようなことは二度と起こさない、させない。これはね、 なぜこういうことが起こったかということは、やっぱり、私は市長の、歴代の市長のリーダーシップのなさです、部下をこんなに苦しめたのはね。こういう結果 をもたらしたのは、歴代市長の指導力のなさであります。
 それでね、私は、この大阪市が再生していくためには、このとき、このタイミングをおいてない。このタイミングを大阪市 再生のチャンスとしてつかまなければ、もう永遠に私はそのチャンスは来ないと思います。ですから、私は、關市長に、やっぱり、この時に大きな英断を下して いただきたいなと思っております。
 その、まず1つが、今まで特定の団体と手厚い交渉をしてきたということは、これは事実でありますね。ですからね、人権 行政を100%透明性ある施策に転換する、これが、まず第1番目に非常に大切なことであります。この問題について、ひとつ、市長から決意のほどをお伺いし たいと思いますけど、よろしくお願いします。
關市長
 今回、同和対策の一環で事業等が始まった経過もあることはあるわけなんですが、コンプライアンスの観点あるい は契約手続等が不適切なものがないかどうか、見直し漏れとなっていないかどうかを、過日、全局の局長を集めた総局長会におきまして、全局、外郭団体も含め て総点検することを指示いたしました。6月中に、それぞれの所属におきまして、この調査を終えまして、見直すべきものは直ちに見直すと。それを解決するに 当たって、大阪市としての方針を示す必要のあるものについては、私がその判断について責任をもって対応していくということにいたしておりまして、そのこと についても、その総局長会において明確に指示をいたしております。
 また、これは非常に重要な点、ただいま大内委員、御指摘されたわけでありますが、市政を運営するに当たりましては、市 民との意見交換、これは必要なものでありますが、それの透明性ということの確保が、これはぜひとも必要なわけでありまして、団体との協議、あるいは意見交 換の場のあり方について、これはガイドラインなどのルール化、これもぜひ必要でありますし、それをぜひ行っていきたいと思っております。
 御指摘を踏まえまして、本当に透明性の確保できるルールの策定に向けて早急に取り組んでまいる決意でありますので、よろしくお願いしたいと思います。
 
大内啓治委員
 これは、前の職員厚遇の問題で、組合問題に対峙されたのと同じように、やっぱりその交渉のルールを決めて、そ の交渉の中身をみなオープンにしていく、そして、真に大阪市民にとって必要な施策を行っていくんだと。こういう意味で、本当に透明性を100%、私は確保 するようなルールを定めてほしいと思います。
 次に、もう一つ、私、プロジェクトチームの設置について、これをお願いしたいんですけれども、労働組合の問題について は、これは福利厚生制度等改革委員会などのこういう報告に基づいて、ながら条例の改正とか、給与等の返還に取り組んできたわけでございます。私も、そのあ りようを見ながら、本当に、そこには改革に取り組む市長の並々ならぬ意欲というものを感じたわけでございますけども、この問題も、やっぱり外部有識者の参 画を得ながら、プロジェクトチームを設置して、本格的な改革に取り組むべきではないかと思います。
 大阪市における最重要な改革課題は、労働組合の問題と今回明らかになったような同和対策の一環として始まった事業等に 端を発する一連の問題であると私は思っております。労働組合問題に対処されたように、この問題についても、市政改革の重要な課題としてとらえ、市政改革室 が中心になってプロジェクトチームを設置するなど、全庁的な取り組みを進めるべきであると考えますが、市長の見解をお願いします。
關市長
 今回の一連の問題につきましては、これは社会やあるいは時代の変化により、使命を終えた時点で速やかにその事業を見直すべきであった事柄、そういう事業について、これをその時々に適切に見直すことを怠ってきたことが原因であると私も考えております。
 人権施策につきましては、これは今後も大阪市として実施をしていく必要があるわけでありますが、今回の問題とそれとは 別でありまして、二度とこのような問題を起こさないためにも、率直かつ本当に真摯に、我々自身、反省をし、適正な組織体質、職場風土をつくり上げていく必 要があると考えております。
 特に、委員の御指摘を踏まえまして、早急に局横断的なプロジェクトを設置しまして、団体との協議のあり方についてのガ イドラインなどのルールの策定、また、指示しております総点検の結果に伴う方針づくり等に取り組んでまいります。その際に、外部の有識者の参画ということ も、ただいま、大内委員、御指摘がございました。これも視野に入れて考えてまいりたいと思っております。
 こうした取り組みにつきましては、いずれにしましても私が先頭に立って、また、その責任のもとでこれを確実にやり遂げる決意であります。
 
大内啓治委員
 これね、産経新聞の、いつの記事でしたかね、「淀屋橋ダイアリー」というのがありまして、「浪速医療生活協同 組合芦原病院の民事再生手続が大詰めを迎えていた3月末、同病院1階フロアで大阪市の担当課長はうつむいたまま、かばんを抱え、立ち尽くしていた。課長 は、報告書に記された医療機器の購入の事実などないことをとっくに承知していた。なぜなら、本来、病院側が作成し、市に提出するべき報告書は、この課長自 身が捏造した文書だからだ。今のところ、市職員が金銭など、そでの下を受け取って便宜を図っていたような事案は明らかになっていない。だからこそ、行政組 織としてのやみはかえって深いと言える。市の信用が失墜する中、かつて実績として評価された市役所の仕事の多くが否定されるような時代になっている。病院 で立ち尽くす課長の姿は、余りにも遅過ぎた見直しに、孤立し苦悩する最前線の職員を象徴しているように思えてならない」。
 この職員は加害者なのか、被害者なのか、私は被害者の部分が多いと思います。これは、市長の、今までの歴代市長のリー ダーシップがなかったから、優秀な職員がこういう苦悩を味わなければならなかった。ひとつ、こういう苦悩を味わう職員が今後生じないように、胸を張って職 員が仕事ができるような仕組みづくりを、ひとつ、市長、責任をもってやっていってください。お願いいたします。ありがとうございました。
 

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